更新:2001年04月02日
時にはくらしっくで
ないかのように
くらしっくでないかのように、ったってもともと
くらしっくじゃねえじゃねえか!
第3回:中島みゆき「夏土産」
中島みゆきは、今ではすっかりベテラン歌手の仲間入りをして、「夜会」(ひとくちにいって演劇と歌をドッキングした舞台)の成功によって、すっかり有名歌手になってしまった。
とはいえ、忘れられた歌というのもあって、「ひとり上手」以降、「あした」や「Maybe」までは、結構名曲の宝庫なのだが知られていない。特に、瀬尾一三と組む前の作品は、彼女の基本であるアコースティック・ギターの音色を思わせるアレンジがしてあることが多い。
さて、1983年に出された「予感」という名のアルバムに収録されているのが、「夏土産」。この曲を含めて、LPのA面(CDでは1曲目から4曲目まで)のアレンジも、中島みゆきが担当している。
さて、この「夏土産」なのだが、ピアノとストリングスによる伴奏ということで、丁度、現在のロスアンジェルス・レコーディング時のアレンジ(例:「ふたりは」や「旅人のうた2nd ver.」)に似た印象を抱かせる。
出だしのピアノ伴奏がすっと入って来ると、明るいようで哀しい、いつもの中島みゆきの世界が広がってくるのだ。
この曲もまた、失恋を歌っている。ただし、いつものような「オトナ」の失恋ではなく、若い女の子の失恋を歌っているように聞こえる。聞こえるというのは歌詞から年齢がはっきりとは読み取れないから。でも、高校生ぐらいなんだろうな。部活のプレイヤーとマネージャーなんてありそうな話じゃないか。
・・・どうしても夏という季節を歌うと楽しさばかりが付きまとうことが多い。しかし、中島みゆきほど夏の寂しさ、哀しさを音楽にした歌い手はいないような気がする。サマー・ホリデーを小ばかにしたような「あたいの夏休み」やら、田舎の風景がよみがえる「シーサイド・コーポラス」。
このとりとめのない原稿を綴り始めたときはまだ冬だった。書き終わる頃にはもう春、阪神競馬場は五分咲きだそうだ。すぐに夏はやってくるなぁ。
(文中敬称略)