sketches200407
[ 式日 ] (0705)
庵野秀明監督「式日」
酔うような映画だ。
見終わった後ぼうっとしてしまう。
何に目をやっても活字も映像もうけつけない。
セメント工場。さびれた商店街。
廃線になった線路。宇部の町。
ときおり混じる方言は、故郷のものに似て、僕の混乱を深めた。
主演の岩井俊二が目で
彼女が演者。
同時にその逆で
彼女が世界そのものであり
男はそこに登場する鍵。
二つの平行な世界が交差するところで、物語は終わる。
岩井俊二の透明なまなざしがなければ
より暗く閉塞的で
心のうちをあばくような映像ばかりが続いたろうし
藤谷文子の葛藤がなければ
世界は破綻しておらず
そもそも物語は語られなかったろうし
庵野秀明の執着と情熱がなければ
二つは同時に存在しなかったろう。
そんなことを思う。
エンティングの、こっこを聴きながら岩井俊二かっこいいなあと思う。
しかし何よりも。心弱いときには見てはいけない映画だ。
[ 微熱と笹竹 ] (0703)
午後6時。37.0度の微熱を連れて公園へ。
朝から寝っぱなしなのでくさくさして
図書館でも行こうと家をでたのだが
生憎土日は5時で閉館ときたもんだ。
ベンチに座って、マンゴージュースを飲む。
公園には子供の遊ぶ姿もなく、点在するベンチにひまそうにおじさんが座っている。
一人は新聞を広げ、ひとりは自転車をながめ、ひとりは紙パックのジュースを飲みながら腕組み。
こういう場所におばさんが座っていることは少ない。
おばさんはひまじゃないのだ。
茂った藤棚のむこうに、沈んだ陽の明るさをとどめ空が見える。
ぼうっとして、ひさしぶりだなあと思う。
とかくこの街は人が多く、一歩戸外に出ると数えることが不可能なほど多くの人とすれちがう。
人気のないところで育った僕は、それだけで気力を消耗する。
かといって家に閉じこもってばかりでは、余計くさくさするばかりだし。
落ちた馬券とタバコの吸殻の上を
ひょこひょこと鳩が歩いていた。
図書館の前では、七夕の飾りをつけた竹が風になびいている。
[ ふってわいたアジアの夜 ] (0701)
帰りみちの神社の境内に大型車が一台の隙間もなく停まっていたので
お祭りをやっているんだなとわかった。
うちの近所に二つある神社は、
一方がお祭りのときもう一方が駐車場として場所を提供しているらしい。
ひとけのない神社にテキヤのトラックだけが並んでいるのも壮観だ。
性分なので晩御飯を食べにひとけのあるほうの神社へ。
特に何が催されるというわけでもなく
集まった人々は神社に詣で、夜店をひやかして帰るといった具合。
中学生やらが沢山いて、
たこやきやらお好み焼きやらイカ焼きやら水風船すくいやらを目的にぶらぶらと楽しそうだ。
去年みつけたタイ料理の店(メニューはトムヤンクンラーメンと、タイラーメン)を発見し
タイラーメンを買って、道端で食べる。
米粉の麺と、しゃきしゃきとした野菜。
化学調味料ばりばりなんだろうなあ、と思ったけど、とてもおいしかった。
日本の夏、なのに変なの、とちょっと思ったりもした。
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