つたない小説です。これからちょっとずつ増やしていきます!      

最悪の出会い      



あの人が教室のドアを開けた瞬間、小さな風が吹いた。                                                                                                                                    今日は2年ぶりのクラスがえの日だった。うちの小学校は1年の時と3年の時と5年の時にしかクラスがえをしないのだ。
「今日が最後のクラスがえか♪」
と心を弾ませて学校へ向かった。8時15分。学校は静まりかえっていた。
誰もいない下駄箱。
誰もいない廊下。
いつもの騒がしい子供たちの声のしない学校は、なんだか物足りないような気がした。ふと、自分は何組だったかと思い出した。
「5年3組か・・・」
終業式の日に先生に聞かされていたのでなんとなく覚えていた。
「誰と同じクラスなんだろう・・・」
そんな独り言を言いながら廊下を歩きはじめた。
  ガラガラガラ       
    教室のドアを開けると大掃除をした後のきれいな教室に机がきちんと並べられていた。
「ふぅ・・・」
思わずため息が出た。それ以外やることがなかった。
・・・・・・・・・・・・それからどれくらいったったのだろう。気がつくと教室には見慣れない人たちがちらほらいた。     が、4年もこの学校にいるので、廊下ですれちがうぐらいのことはしているのであろう。うっすらと顔が浮かんではシャボン玉の様に消えた。           
    やがて先生が教室入ってきた。さっきまでの騒がしい教室がいっきに静まりかえった。
「初めまして。みなさんは今日からこのクラスで2年間過ごします。仲良く、楽しい2年間を過ごしましょう!」
まったくお決まりのセリフ。このままいくと・・・・やるな。私は覚悟した。そう。自己紹介だ。私は自己紹介が大嫌いだった。みんなの前に立つことが嫌だった。みんなに見られるのがいやだった。なにより、間違えた時の雰囲気がいやだった。
みんなの冷たい目。
ひそひそ話声。
くすっっと笑う空気。 
                                            
   「さぁ!初めて会った人もいるので、一人ずつ自己紹介していきましょう!じゃぁ石田くんから!」
・・・こうゆう時「あ」とか「い」とかで始まる人ってかわいそうだなぁと同情してしまう。・・・フェイントで「わ」ってゆうときもあるけど・・・・。     そんなことを考えていたら、とうとう自分の番になってしまった。
「じゃぁ、中島さん!」  
      「・・・・はい。」力のない返事を一つして私は重い腰を上げた。
「私の名前は中島聡美っていいます。好きな教科は理科です。えぇっと・・・・以上です。」 
        もっと言った方がよかったかな・・・と思いつつもそこでやめることにした。あまり長い時間立っていたくなかったからだ。ふぅ。とため息が出た。するとすかさず次の人が立ち上がった。     
「僕の名前は中野雅大です!えぇっと・・・みんなからナッピーって呼ばれてるんで、そう呼んでください!」  
       あはは・・・と笑いが起こった。面白い人だな・・・素直にそう思った。
 とりあえず今回の自己紹介で、前の人が冨高直之・・常によだれを垂らしている。とにかく不潔そうな人。           隣が原竜二郎・・前に同じクラスになった事があるけど、とにかく真面目ないい人だ。走るのも速い。              後ろが中野雅大・・ナッピーだ。
周りに男子が多いのはちょっとビックリしたけど、男勝りだった私にはあまり問題にはならなかった。                         今日は音楽の授業があった。教科書と鍵盤ハーモニカを手に音楽室を目指した。      席につくと後ろから 
  つんつん 
  とつつかれた。振り返るとそこには中野君・・・ナッピーがハーモニカの吹き口を手にニコニコ笑っていた。
「あのさぁ、これからとうぶんは俺後ろの席だからよろしくな。」
「そうだね。・・・よろしく。」
まさか声かけられるなんて・・・と、ちょっとドキドキしながら前に向き直した。さらっと私の髪が揺れた瞬間・・
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
とナッピーが叫んだ。ん?っとちょっと驚いて振り返ると、
「髪の毛が吹き口についたぁ!」
と慌てていた。
「えぇぇ!?最悪!!どうしてくれるんだよ!!」
私の髪に中野の唾液が・・・考えただけでゾワゾワしてきた。
そんなこんなでごたごたしながら音楽の時間を終えた。クラスの男子の木村に
「今日は髪の毛洗えないな」
とささやかれた。怒りと恥ずかしさで真っ赤になった。
この日以来、中野雅大は私の中で「最悪な人」となるのであった。 


嫌な気持ちと、ドキドキと、わくわくと。      



あの日から私たちは喧嘩友達になった。ことあるごとに相手にちょっかいを出しては殴りあっていた。・・・といっても手加減して・・だが。
「うわー87点!?頭悪いねぇ〜。私は93点〜〜〜!!あはははは!!」
「うっさいな!人間頭じゃないんだよ!!!」
バシッ!「いってぇ!!」ドカッ!たたたたたたたたたったたたたたたたた「まてぇーーーー!!おたんこなすーーーーーーー!!!!」
こんな会話は日常茶飯事で、みんなは「あーぁ。またやってるよ。」と、苦笑していた。そう。今じゃこんなことは毎日のように繰り返されている。「くそっ。取り逃がしたか。」と思いながら、内心にこにこだった。「ばぁーか。おめー走るの遅いんだよ!。」とゆう言葉を聞くまでだが。


ある日、学校へ行ってみると、思いもよらないことを訊かれた。
「さとちゃんってナッピーのこと好きなの?」
「はぁ!?誰に訊いたの?」
「え?もうけっこう噂だよ?うちのクラスの人は大体知ってるんじゃないかな?」
たしかに、最近では『大っ嫌い!!』ではなくなった。クラスの男友達としてそれなりに接してきた。それがこんな形になるなんて・・・・。
「やっぱりねぇ。そうゆうことだったんだぁ〜。」振り向くとそこにはあの木村がいた。
「あんたがあんな噂を流したの?」
「噂?なんのこと?僕はほんとの事を話したまでさ。」
・・・コイツ・・・一発殴りたい・・・と思った。こいつの口は宙に浮くほど軽い・・・そう確信した。

そんなことを気にも留めず、私たちは相変わらず暴れまわっていた。
「へへ〜んだ!来れるもんなら来てみろー!!」
「てめー!!女子トイレなんて卑怯だぞ!!」
そうしていくうちに周りのみんなは「やっぱり好きなんだ。」とわけもわからない確信を抱いていた。本当に迷惑なはなしである。
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