もう1軒どっか行こうか?家に帰る電車の中で考えた。おとなしく家に帰ればいいのに、また悪い病気が出たのだ。思い悩んだ挙げ句、B駅で途中下車していた。時刻は9時半を回っていた。
足はスナックSに向かっていた。スナックSは、Mに昔勤めていたゆうこに連れてってもらってから1年近く通っているお店だ。ゆうこはMに来る前にここで勤めていたと言っていた。
スナックSの扉を開けると、ドアにつるした呼び鈴の音とともに『あらっ!takasanいらっしゃい!!』ママの高い声。
今日はいつになく店はにぎやか。いつもと様子が違う。カウンターに2個の白い箱が置かれている。なんだこりゃ?!
僕の後から店にやってきたお客が同じように白い箱を持ってきたので、ようやく状況がつかめた。『ガンちゃん、誕生日おめでとう』
これでガンちゃんのために客が持ってきたバースデーケーキは3つになった。『私、ますますブタになってしまう〜!!』ガンちゃん嬉しそう。
ガンちゃんって結構もてるんや。愛嬌があって、客のどんな話題でも付き合えるところが取り柄だけど、どんな話題にでも付いて行き過ぎて、話しが止めどなく品が無くなるところが反省のガンちゃん。こんなにみんなに愛されてるなんて僕には意外だった。
「Happy Birthday to You」をみんなで合唱して、クラッカーを鳴らして、ケーキを頂いて、ガンちゃんの26回目の誕生日を祝った。この店のアットホームなところが売りなんだけど、僕はどうも苦手。1年も経っているのに店に馴染めないのはこういうところが原因かなぁ。
スナックSを出たとき、11時を過ぎていた。 |