ようやく最寄り駅にたどり着いて、家路をよたよたと歩いていると、携帯が振るえた。『どうして早く帰ったの?!』声は僕を責めていた。声の主はジェシーだった。ジェシーは2年前にフィリピンから日本に住む親兄弟のもとへやってきている。日本語はかなりうまい。
『他のお客さんと仲良く話しているの気に入らないtakasanの気持ちはよくわかる。でも仕事だから、しょうがないのよ。わかって。』
僕が早く帰った理由は、的をまるっきり外しているとは言えないけれど、ズバリ当たっているとも言えない。
『明日、店に来てね。話ししたい。もう電車に乗らなきゃいけないから!』
ほとんど一方的に要件を伝えると電話は切れた。彼女は店を終え駅まで急ぐ途中でかけていた。
携帯を切ると、すぐにまた振るえた。今度はメールだった。「今日は私の誕生日のお祝いに来てくれて嬉しかったわ。またお店に来てくださいね。」
別にガンちゃんの誕生祝いに店に寄ったわけじゃないんだけど、まっいいか。
今日も結構お金使っちゃったなあ。
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