今日は昨日のジェシーとの約束通りに、Mに来ていた。
店に来る前、嫌な予感に襲われていた。ジェシーと二人きりで逢った次の日は決まって彼女と喧嘩になってしまうのである。
店に着いたとき、既に9時に近かったが、客はまばらで僕の席には、ジェシーの他にしのちゃんがついた。しのちゃん は、チーママのゆきさんに負けず劣らず肌が白く、しかもポッチャリとしていて男心をそそる。彼女の肉厚の唇を眺めていると、呼びかけられるまで我を忘れていることがある。
僕は、最近ホームページを作り始めたことを切りだし、彼女たちのプロフィールをそれに載せたいというお願いをした。二人は僕の依頼に快い承諾をくれた。
まずはジェシーから質問を投げた。質問に対する答を店に貸してもらった大きめのポストイットに記入した。質問の中で、『えーっそんなん答えられへん。』とか冗談を言いあったりして、和やかなムードであった。
しのちゃんへの質問が終りかけた頃、ジェシーが自分のプロフィールが記入された紙切れを僕から奪い取った。
やがて、新しくやってきた客の接客をするため、しのちゃんが『takasanごめんね』と言いながら、席を立った。
僕のテーブルはジェシーと二人きりになった。それでもプロフィールの紙を返してくれなかった。
『takasanと私の関係って何?何を目当てで私とつきあっているの?』彼女はお互いが触れたくても触れることができなかったことに一気に触れた。
『じゃあ、さっき電話をかけてきたうのちゃんとはどういう関係なん?楽しそうに笑い声をあげてたやん。』
『彼は店のお客さん。何の関係もない。takasanはいつでもjealous。私のこと信じることできない。』お互いの愛情や寂しさがその姿を苛立ちに変えて、二人を押し流してしまいそうになっていた。
『ジェシーはうそつきや!』
『私はtakasanにうそをついたことはない。』
『日本語では、言うべきことを言っていないってことに対しても、うそをついていると言うんや。』苛立ちの勢いが、その言葉が相手にどういう影響を与えるかを反芻するだけの理性を押し流していた。
『それって、どういうこと?』
『僕に隠していることがあるやろってこと。』もう止めどもなかった。彼女の瞳に光るものがあった。
収拾することができないまま、僕は店を後にした。
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