やがてママがやってきた。
『今日はtakasanに聞きたいことがあるねん。』
『ママまで何や。レニーさんも変なこと言うし。』
『takasan、ジェシーとどんな関係?』レニーさんと同じ事を聞いた。
『つきあってたけど、おととい別れた。』
『そう、それならよかった。』ママもレニーさんと同じ反応をした。
『彼女、ダンナがいるの知っていた? 子供も二人おるねんで。』今年に入ってから彼女の電話口に子供の声がする事があったので、おかしいなと思ってきた。彼女に聞いてもあれはお姉さんの子で、自分はベビーシッターをしていると答えていた。
もしかしたらそうじゃないかと思っていたことが、こうやって現に事実として知らされるのは、思った以上にショックが大きかった。
電話の中の子供の声。二人であった次の日は彼女の機嫌がすごく悪いこと。フィリピンで昔つきあっていた元彼とヨリを戻して年内にも結婚するかもしれないと言う話。自分は彼女のハズバンドだと言いながら僕のケータイに電話してきた男。彼女に対する疑惑の一つひとつが、ママ から聞かされた事実によって、その色と形を持ち、ジグソーパズルのかけらように僕の前に振り降りてきた。
『実は先週彼女のダンナが店に電話をしてきて、takasanとジェシーがつきあっているんじゃないかって言うのよ。彼は一度、takasanに電話で彼女とつきあうなって言ったそうだけど、それ以降も続いているんじゃないかって。』ママは話し続けていた。
僕は、ママの言葉を耳で聞きながら、ジェシーが僕とつきあってきた10ヶ月のことを思っていた。(彼女は幸せだったんだろうか?)(辛くなかったのか?)
(事実を知らされる前の僕に別れを告げられた事は、彼女にとってせめてもの救いだったのか?)
おとといのこと以上に、僕はたくさんの想いが去来して混乱していた。
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