ママの電話を切ってから、話の内容をずっと考えていた。みんなして僕を騙しているんじゃないかとも考えた。でもそんな事をして何になるというのだ。
僕は真実を知りたかった。真実を知るためにジェシーに会って話をしたいとも考えた。
彼女はどんな気持ちだったんだろう。そして今は。
いかに追い詰められたとはいえ、自分が愛した人を陥れることができるものか。
自分が愛した人に対して抱いた気持ち、話したこと、やったことの全てを否定して、平気でいることができるのか。
僕は彼女に対して強い憐憫の情を抱いていた。
2時間ほどたってから、Mのマスターから電話がかかってきた。ママが電話を切った後、マスターに相談をしたのである。
彼はひとまわり年の離れた、ママの元ダンナである。結婚20年目を目前に離婚したという話を聞かされて驚いたのはつい最近のことである。
彼は電話の中で、ジェシーのダンナに会って話をする前に、takasanの言い分も聞いておいて判断したいから、会って話をしたいという事だった。
僕も昨日の留守電から誰かにじっくり話したいと思っていたので、即座にOKの返事をした。待ち合わせは環状線T駅前にあるMホテルのロビーに6時半と決めた。
電話を切ってから、以前にもこんな事があったことを思い出しながら、申し訳けない気持ちと同時に、感謝の気持ちでいっぱいになった。
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