アフターファイブ、新潟から来た客の接待で食事をして飲み屋をもう1軒はしごして散会した。
かなりの酒を飲んでいたが、新たに芽生えた混乱を鎮めようとMに行った。
Mについたとき11時前であった。僕の席にママがついてくれた。
僕は単刀直入にジェシーのことについて訊いた。
『あのお客さんと彼女とが関係あったってほんま?』
『ほんまやわ。彼女のお腹見たら子供を産んだことがあるのはすぐわかったっていうてたわ。』彼は間接的に僕を馬鹿にしていた。でも、正直僕にはそんなこと少しもわからなかった。
『彼女から最後にメールもらってその内容が余りにも重いんで参ったわとも言うてたわ』
『なんて書いてあったん?』
『お店を辞めて彼女と会えなくなると彼が自殺するんではないか心配だわって書いてあったんだって。それを聞いて二人で笑ったわ』
『ママ、彼女が中絶したん知っとるん?』
『去年の秋口に2週間ほど店休んでいたな。あのときのことやろ』
『そのとき彼女なんて言うて店休んだん?』
『ダンナとの間にできた子供を堕ろすので休ませてほしいと言うことやったわ』
『子供を堕ろすこと、彼女のダンナも知っていたん?』
『当り前やん。ダンナも手術に立ち会ったんやもん』
『えっ、うそ!! それやったら、僕が手術費用を出したことも?』
『それは知る訳ないやろ。』
『じゃ、誰が払たん?』
『ダンナに決まっとるやろ』
『じゃあ、僕が払ったお金は?』
『彼女が使ったんちゃう』
話を聞いててだんだん疲れが出てきた。
『女はねぇ。お腹に宿った子が誰の子供かわかるのよ。だからtakasanの子じゃないのは彼女にもわかっていたと思うわ』
『だったらそれを知ってて僕に金を出させたわけ?』
『takasanは騙しやすいと思ったんやろな』
『うそーっ』
『takasanは子供やねん。悪い女に引っかかったとおもて忘れることやわ。』
『彼女、最初から僕を騙すつもりで付き合ってたん?』
『それはないと思うけど、彼女は本当にtakasanのこと好きやったと思うけど、彼女はあかんわ。ダンナに問いつめられてレイプされたって言うたこと彼女にどう思って言うたか訊いたら...』
『なんて言うたん?』
『彼が怒ってtakasanを刺すかも知れへんと思わへんかったのかって訊いたら、そんなん関係ないって言うたわ』僕は打ちのめされていた。
ショックを受けて立ち直れそうもないという表情の僕を見てママはクスクス笑った。
『ママ、他人事やおもて笑わんといてよ。かなりショックを受けとるんやから。僕、もう帰るわ』
茫然自失の僕を見送ってくれたママが最後に『takasanも大人になって、新しいいい恋をしよね』と言いながら、僕の頬にキスをくれた。 |