免許取り立ての16歳の夏、もう暇さえあればバイク乗ってどっかに出掛けてた。
初めての相棒は初期型の真っ黒なRZ250
親戚の持て余していた不動車を父がレストアした車だった
だが所詮は素人レストア、走ることは走るがちょっとしたことで機嫌を悪くした。
その日は足寄まで日帰り強行ツーリング、そのときは彼女も友人でバイク海苔なんて奴もいないから勿論ソロ。
足寄まで行ってラーメン食ってやや肌寒くなってきた帰り道。
だいたい4時くらいに山の中でいきなりエンスト・・・
ガスは少なくなってきたがまだ充分入っている。
プラグ?バッテリー?ギア?
原因が分からない。
とにかく百発キックあるのみ!しかしかからない・・・
弁慶にキックバーがヒットし、痛む。寒さが酷くなってくる。日が沈んで暗くなってくる。
だんだん孤独と恐怖と疲労感で鬱になってくる。
そんな時、背後が急に明るくなった。
振り向くと一台のファミリアがハザードを出して停止している。
ファミリアから一人のおじさんが降りてきて「ガス欠かい?」と聞いてきた。
「違うんですけど、なんかエンジンがかからなくて・・・」
おじさんはバイクのコトはわからないからとだけ言って見守ってくれていた。
俺は黙々とキックを蹴り続けた。
ファミリアのヘッドライトと、誰かが見守ってくれているということ
さっきよりも精一杯蹴りおろせた。
エンジンがかかった!
漏れはおじさんに頭を下げながらお礼を言い続けた
おじさんは軽く笑いながら走り出した。
山をでるまでおじさんは漏れにペースをあわせて走ってくれた。
ただ見守っていてくれただけだったけど、何よりも頼もしかった。
おじさん、ありがとう
貴方の様な人になりたい