今日も人魚は海を漂ってました。
海には恐いものもあったけど、気持ちのいいものがたくさん。
それに、みんなめずらしそうに人魚を見るので、人魚は得意げに
スイスイ泳いでみたり。
桃色珊瑚が不思議そうに人魚をみつめていました。
「君、だれ?」
「あたし、人魚。」
ある日、人魚はとても甘くておいしそうなお菓子を見つけました。
その甘いお菓子に飛びついた瞬間、何がおこったのかよくわかりませんでした。
ふと気がつくと、釣り人が不思議な顔をして人魚を見つめていました。
人魚は地上にいました。釣り人に釣られたのです。
「なんだ?おまえ」
「わたしは人魚です」
「ふーん、初めて見た」
「わたしの体を食べると、不老不死になれます。少し食べてもいいから、殺さないで。」
釣り人はさっそく人魚を食べてみました。
「おまえ、タイ焼きじゃないか!!」
じつは人魚はタイ焼きだったのです。毎日毎日鉄板の上で焼かれるのが
嫌になって、海に飛び込んだのでした。
だけど海を泳いでいるうちにそんな事はすっかり忘れていたのです。
ふやけたタイ焼きはおいしくありません。
タイ焼き屋のおじさんのもとで焼き直されることになりました。
2003.5.1