大正3年土蔵土蔵記概要工事予算顔役半四郎金の支払施主の管理計画と施主
施工の工程左官の決断技の報酬主役選んだ長デザインおわりにHPトップ


13.おわりに

 土蔵建築記録から、現在残されている建築物に加えて資材単価、各職の賃金、工事時期や工事期間を知ることができた。

 ・多賀 龍吾氏:施主であり現場の総合的監督管理者
 ・竹中半四郎氏:資材調達及び出納係

 ・石山 隆馬氏:大工職人(親方)実質の棟梁

 ・松坂岩之助氏:左官職人(親方)土佐漆喰施工の主役
 ・山野鉄之助氏:手元であり準職人的業師

 彼等はそれぞれの職域で主役を演じて工事を完成させた。資材・工期・手間を与えられた職人達が工事費に合わせて施工したのである。
 職人は何時も何処でも持てる技の最高(100%)の仕事という訳にではない。限られた枠組み(予算)の中で、許される範囲ということになる。下地や寸法や数量のない計画に、高さや幅・数を加えることはできな。

木舞竹・木舞縄・ひげこ(平成13年・野市町)
・・

 そのため、彼等の知恵や腕前を記録の土蔵ひとつによって評価などできることではない。土壁の中には、木や竹、縄やスサ、砂や土佐漆喰が組み込まれている。
 互いの融合によって100年の後まで『そのまま』を保ち合い壁を構成し、土蔵空間を保っているのである。
 これは長い経験の中から生み出した人間の知恵として、大切にしなくてはならない。地域の現役職人で本格的な土蔵建築の経験者は少ないと聞いている。
 今後時間をかけて土蔵の詳細な調査を行い、設計の観点よりも施工者の立場から技を中心に、分かりよい資料を残して行く事が大切である。
 今回土蔵の記録からまとめたこの報告は、筆者の推測が多く事実と一致しない部分もあると思えるが、道筋を仮定する事によって各職人の考え方や動きなどをひきだす事ができたと考える。・・・ひとつの考え方として参考にして頂けば幸いである。

△・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・△

目次香川左官地域古建築塗壁壁塗表情こまい壁仕上わだい
・・