蛇について

 

大神神社

蛇神を祀る大神神社(奈良県桜井市)

 



 蛇と聞くとどのようなイメージをお持ちだろうか?あの手足の無い異様
な物体。あのような生物に対して我々の祖先は何を見てきたのだろうか。
今を生きている我々にとって過去なんか振り返らなくともとお思いの方も
多かろうと思うが、私は過去あっての現在があると考えている。そのため、
過去のことについて見ていくことは可笑しなことではないとして過去にば
かり眼を向けている。自分の生き方についてはしっかりと未来を見つめて
いるので決して懐古主義ではないことを断っておく。

 蛇は何時からヘビと呼ばれるようになったのか?蛇の名称としては以下
に挙げたようなものがあった。昔は蛇をヘビとは呼ばなかったのである。

 ・カガ・カゲ系
      古事記に出てくる八俣大蛇の眼について「赤かがちの如く」とあ
      ることに起因すると考えられる。かがちは酸漿のことであるが今
      でも蛇のことを山かがしと呼ぶ地域がある。また、蛇とよく似た生
      物をトカゲと呼ぶこともこれに因るものであると思われる。
 ・
ナギ・ナビ系
      神話における神々の中でイザナギ・イザナミの夫婦神による名
      前か?現在でも、同形のものの名称としてウナギ・アナゴなどが
      ある。また、インドの蛇体神をナーガと呼ぶこととの関連もありそ
      うである。
 ・
ツチ系
      蛇と雷とは非常に関係が深い。雷をイカヅチということがあるが、
      蛇体のものとしてノヅチ、近年各地で話題となっているツチノコも
      この名を負っている。
 ・
ハバ系
      最も新しい名称だと考えられる。この語が転化してハブやヘビとい
      う現在でも用いられている蛇の名が使われている。

 簡単ではあるが、蛇の名称について触れておいた。この他にもいくつか考え
られるのだが、ここに挙げたものについては、先学の論に基づいたものであ
るが、私自身、これを参考に現在も研究中である。蛇に魅せられてしまった以
上、終生、関わっていきそうであるが、単に古事記・日本書紀で読んで興味を
持っただけで以前から蛇を飼っていたりだとか、巳年生まれだとかということ
はない。それなのに、ここまで惹きこまれてしまったこの蛇に対して昔年から
の畏敬の念を抱かずにはいられない。