(3)無線LANとSCSについて
<内容………無線LAN>
| <無線LANについて>
有線ケーブルを使わず、電波や光などの無線で通信を行なうLAN。2000年にIEEE802.11b対応の製品が各社から発売され、爆発的な普及を始めた。有線ケーブルの敷設が必要ないため、オフィスでは配置換えで机を動かした際もケーブルの再敷設といった手間を省けるほか、ケーブルの敷設が困難な家庭内でもニーズが高まっている。 <無線LANの方法> ○ 電波による通信………IEEE802.11bは、アップルとルーセントが共同で開発した無線LANの規格で、2.4GHz帯の電波を使うもの。それ以前の規格と比べ最大伝送速度が11Mbpsと高速になっているほか、他社製品との相互接続性が高く、使い勝手のいいことが特徴である。相互接続性に関しては、無線LANメーカーの業界団体「WECA」による認定を受けた製品も増えており、今後はさまざまなメーカーの製品を混在して使えるようになる。 現在、各社から出荷されている製品は、ほとんどがパソコンに接続するPCカードタイプのインターフェイスカード、カードをデスクトップPCのPCIバスに接続するための変換アダプタ、有線LANとブリッジであるアクセスポイントで構成される。既存の有線LANと接続するのであればアクセスポイントも必要だが、無線LAN端末だけでネットワークを構成することもできる。
○ 光による通信………他社製品との相互接続性はないものの、実効速度が高いことが特徴である。IEEE802.11b規格では理論上の最大伝送速度は11Mbpsだが、実際は4Mbps前後の速度しか出ない。しかし、室内で使われる最大伝送速度10Mbpsの光無線LAN製品であれば、8Mbps以上の実効速度を期待でき、10BASE-Tとほぼ同等になる。 光は直進性があるため電波のような漏洩がなく、秘匿性も高い。そのため、多くの端末が接続され実効速度の要求されるオフィスでの利用に向いた製品といえる。ただし、親機と子機を対向見通しで設置する必要があるため、家庭内での利用にはあまり適さない。
IEEE802.11b対応の製品では低価格競争も始まっており、今後さらに普及することは間違いない。また、5.2GHz帯の電波を使い、最大伝送速度54Mbpsを実現するIEEE802.11a対応の製品も現在開発が続けられており、2001年にも発売が開始される予定だ。 〈注〉ここで記されているIEEE802.11についての説明も付け加えておく。 Institute of Electronic and Electronics Engineers 802.11の略称であり、IEEEに標準仕様として勧告された無線LAN仕様で、2.4GHz帯域の電波を利用する方式と赤外線を使う方式が標準化されている。伝送速度は1〜2Mbpsで、伝送距離は100m程度。基本的にはデータ伝送に用いる媒体としてケーブルのかわりに電波を用いるという違いがあるだけで、物理層より上の層は有線LANと同じプロトコルを用いることができる。しかし、有線に比べて無線の伝送効率ははるかに低いため、有線LANと異なったCSMA/CAというアクセス制御が用いられ、ビット誤り率の低いスペクトラム拡散方式が用いられる。IEEE802.11では、「ダイレクトシーケンススペクトラム拡散(DSSS)方式」と「周波数ホッピングスペクトラム拡散(FSSS)方式」の2つの変調方式が用意されている。 <無線LANの歴史と将来> 無線LANに関しては、1999年5月に発売された日本NCRの「WaveLAN/IEEE Turbo PC カード」がカード1枚で9万8000円といったように、非常に高価なものであった。また、当時のIEEE802.11bの前身となっている無線LANは、2Mbpsと速度も遅く、各社が他社製品との相互接続性を保証しているわけではなかった。そのため、あくまでも有線の接続が困難な場所、たとえば工場やビル間、ショールームや僻地などでのネットワーク化というニッチな市場に限られていた。 それが注目され始めたのは2000年に入って、各社から対応無線LAN機器が発売されるようになってきてからである。日本では以前から無線LAN製品を出していたメルコが他社に比べ先行しているが、数多くのPC、周辺機器、ネットワーク機器のベンダーが無線LAN製品を出している。また、以前はアップルの「AirPort」との相互接続のみをうたっている製品が多かったが、徐々に他社製品との相互接続性を表明するようになってきた。 こうした無線LANの製品化ラッシュにより、価格も個人が入手しやすいところにまで下がってきた。クライアント5台程度のSOHOレベルであれば、10万円弱でネットワークを組むことができる。また、フレッツ・ISDNを個人で利用する場合を考えても、ダイヤルアップルータ機能付きの無線LAN製品を使えば、6〜7万円で自宅内の2〜3台のPCから、有線のケーブルを敷設することなく、インターネット接続を利用することができるようになる。 そして、ADSLやCATVインターネット、FTTHなどの高速インターネット接続サービスの立ち上がり、こうした無線LANの需要がますます高まっていくのは必須である。というのも、今まで「屋内が11Mbpsでつながっていても、インターネットへは64kbpsの接続になってしまう」といったボトルネックがあり、Webのさまざまなコンテンツが十分に楽しめなかったからである。しかし、高速な常時接続環境になればその状況も変化する。家庭内LANとインターネットが結びつき、家屋や部屋のあちこちで気軽にインターネットを楽しめることになるだろう。 また、企業内での利用も徐々に本格化しつつある。無線LAN製品の多くは個人ユーザー向けのモノだが、セキュリティやビル間接続などの機能を持った企業向け製品も続々と拡充されている。 <無線LANの製品化の実用例> 無線LANの製品化の実用例を以下に示す。
商品名:無線LANスタータキット「GW-PK11S」(型番) 性能:サイズは131(W)×30(H)×88(D)mm。伝送距離は30m(11Mbps時)、90m(5.5/2/1Mbps時)。MACアドレスフィルタリング機能、40bit/128bitのWEP機能をもち、複数のアクセスポイント間を無線通信可能にするAP間通信モードにも対応している。 価格:3万2000円。 |