その8 私の情報源(2004.5.31)
 日本にいれば、これまでの自分の経験や知識も生かせることが多いでしょうが、ニュージーランドでは知らないこと、分からないことばかり。そんな私の情報源はまず、日本でも読むのが楽しみの一つであった新聞です。読書が嫌いという人は世の中に多いでしょうが、私はなにより、文字を読むことそのものが好きなのです。

 当初は分からない単語だらけで、1つの記事を読み終えるのさえ困難でした。それでも「文字を読む」という欲求の方が強かったために、教育、料理、健康といった自分が興味を持てる分野だけはなんとか読み通して、何度も出てくる単語に慣れていくうちに、だいぶスムーズに読めるようになってきました。truancy(無断欠席)、parole(仮出所)、al fresco(戸外の)など、日本では知らなかった単語も、何度か目にして、「なんか前に見たことがあるなあ」と思いながら何度か辞書を引いていると、意味は覚えていけます(話したり、書く時にスムーズに使えるかというと、まだまだですが)。
 ニュージーランドでは日本のように全国紙がいくつもあるわけでなく、地域によって発行される新聞が異なり、私が住んでいるオークランドでは、「The New Zealand Herald」です。Heraldを読んでいると、虐待、貧富の差、肥満や喘息・糖尿病といった健康問題、オークランドの慢性的な交通渋滞、住宅不足など、ニュージーランドの負の部分が見えてきます。

キウイフルーツの収穫は、5〜6月がピーク。オークランドから南東へ車で3時間程のタウランガ近郊の果樹園にて。5月の終りの週末に、1泊2日で家族で出かけてきました(当日の朝、キャビンの予約をしたというお手軽さ)。
 さらに深い情報を提供してくれるのが、雑誌です。日本では1カ月に10種類は読んでいた(主に通勤の電車の中で)ほどの雑誌好きの私が気に入っているのは、METROという月刊誌です。たぶん日本でいうとアエラみたいな感じで、ニュージーランドの様々な情報を多角的に紹介してくれます。また、ニュージーランドを代表する大手週刊誌のListnerは、特集のテーマがおもしろそうな時に買っています。
 郵便ポストに入ってくるフリーペーパーもあなどれません。現在、我が家には3種類のフリーペーパーが毎週入っています。どれも、だいたい半分近くは不動産情報を中心とする広告ですが、各学校のPTA役員選挙結果の告知といった公的な情報が掲載されているところを見ると、日本で主婦向けに新聞に挟み込まれている商業目的のフリーペーパーなんかとはちょっと位置付けが違うようです。地域のきめ細かい情報、例えば、うちのすぐそばの空き地にずっといる馬やヤギは、ニュージーランドを巡業している一家がトレーラー車の故障のために滞在しているためで、家畜のにおいに苦情が寄せられているといった(実話です)、日本の新聞でいうと「地域版」の記事があれこれ掲載されています。
 また、日本人向けに日本語のフリーペーパーもいくつか発行されていて、日本食レストランや英語学校などで手に入れることができます。イベントやレストラン情報などに便利ですが、誤植が多かったり、記事がワンパターンだったりしてちょっと不満はあります。ただ、日本語で読めるのだから、それだけで感謝せねば、といったところでしょうか。 あと、1年に1回更新される「THAT’S NZ」という情報誌は、ニュージーランドに住むのに必要な基本的な情報が網羅されていて、重宝です(日本でも大型書店で購入できるらしいです)。
 ラジオで聞くようにしているのは、イギリスのBBC 放送をライブで聞くことができるBBCワールドサービス(1476AM)です。内容を完璧に聞きとることは不可能ですが、世界中で起きている様々な事件や現象、問題などを紹介してくれるのが興味深いです。ラジオは家事をしながらでも聞けるので便利ですが、イラク、イスラエルといった戦争、紛争の話題が多いだけに、自分の平凡な生活と比べて、非現実感を伴うこともあります。先日のアルカイダによる生きたままアメリカ人の首を切るという事件は、ちょうど夕食の準備で肉を切っているところに耳に入ったので、あまりのギャップにめまいのする感じでした。
 BBCでは、日本のハルウララ人気やお葬式事情、イラクの日本人人質インタビューなど、日本についてもしばしば紹介されています。日本を外から見た時の視点が新鮮だったりします(こんなことがおもしろいのか、とびっくりすることも)。
 そしてBBCを聞いていてなにより刺激になるのは、特派員や学識者がそれぞれの国のなまりの英語で、みんなぺらぺらしゃべることです。特に最近、英語の伸び悩みを痛感しているだけにすごいなあ、私もがんばらなきゃ、と励まされます。

宿泊した海辺の町マウントマンガヌイにある、海水を利用した屋外温水プール(夜も営業している)。日本の露天風呂感覚でゆったり温まれるので、今回の旅行はこれがメインの目的といってもいいぐらいでした。
 200局近くもあるラジオに比べて、テレビは4局しかありません。しかもそのうちの1局はぜんぜんやる気があるように思えない番組構成(MTVなどのビデオクリップがほとんど)なので、実質3局しかないようなものです。このため衛星放送に人気があり、契約すれば日本のNHKも見られますが、我が家はそこまでしなくていいだろうと今のところは考えています。
 テレビでよく見るのは、情報源として興味を引くし、理解もしやすいドキュメンタリーです。ただ最近は、ドラマも見るようになりました。日本は若者向けのドラマが多いような気がしますが(日本では働いていたので、時間も余裕もなかっただけかもしれませんが)、こちらでは私のような30代なかばでも楽しめるドラマがあります。ドラマは「生活」が分かるのがおもしろいです。寝る時、枕は2つは積み重ねてどちらかというと半身起こした姿勢にするとか、妻がバスタブに入り、夫がその脇でだべるというシーンを何度か見かけて「入浴」に対する概念の違いを感じたりして楽しみます。
 最近気に入っていたドラマは、アメリカの整形手術業界を舞台にしたNip&Tuck(切って貼って、という感じ)と、イギリスの情報工作部隊を描いたScoopsだったのですが(自力ですべての番組を作れないので、アメリカ、イギリス制作の番組がかなり多い)、どちらも終わってしまったようです。なにしろ、こっちの番組は突然終わることが多いです。Scoopsは最終回を知っていたので一生懸命見ましたが(緊迫したシーンが多いうえに、ストーリーが複雑で、なにしろ英語が難しい)、日本のように季節ごとにきちんと新ドラマに変わる、という几帳面さはありません。ついでに、番組の始めと終わりに日本のように「この番組の提供は〜」という決まり文句もありません。いきなり始まって、いきなり終わるので、当初は次の番組に変わったことさえ気付かなかったということもありました。また、日本では考えられませんが(というか、考えたこともなかったけれど)、数分ぐらい番組の放映時間がずれるのも、日常茶飯事です。「テレビ番組がきちんと時間どおりに放映されるのも、日本ならではの几帳面さのなせる偉業なのだ」と、こちらに来てから知ったのでした。
 ニュースはチャンネル1(国営放送)の夜10時30分ぐらいから始まるものを見ています。日本なら絶対クレーム間違いなし、というぐらい、なぜか妙に明るい男女のコンビがメインキャスターです。深刻なニュースを読んでいる女性を横で男性が笑わせて、女性の声が震えていたりします。でも、これもお国柄かなあと興味深いし、そもそもニュースはリスニングのいい練習にもなるし、なにより最後の天気予報が翌日の洗濯の段取りを考えるのに役立ちます(主婦にとっては重要!)。
 そして情報源としてもっとも重宝しているのは、なんといってもインターネットです。メールで日本にいる家族や友人と連絡ができるし、日本のニュースを日本語でタイムリーに読めるのは本当に有り難いものです。また、検索サイトを使って情報を集めるのに欠かせません。ニュージーランドは日本よりインターネットに関しては進んでいるような気がします。たいていの企業がサイトを持っているし、公的な機関も検索機能が充実した便利なサイトになっていて、電話はちゅうちょしがちな(だいぶ慣れたとはいえ)私には助かります。

私の愛読紙、愛読誌。
 基本的に私は、「知りたがり屋」なのです。ニュージーランドの教育制度ってどうなっているんだろう、どんな食生活なんだろう、といった日常生活で起こる様々な知らないこと、不思議なこと、日本と違う点などについて、興味しんしんです。そして、日常生活を楽しむには、新しいことに取り組んだり、おもしろがったりするためのそういった好奇心が必要だと考えています。その好奇心が新たな好奇心を呼んで、次々とその情報量、興味範囲を広げていくことも可能になるはずです。私の場合のそれは今のところ、もっぱら料理、教育、健康などの限られたジャンルに片寄っており、読んだり聞いたりという受け身的なものばかりです。もっともっとアンテナの受信範囲を広げて、キウイの知り合いもたくさん作って(ようやく小学校のお母さん仲間ができてきたところ)、私なりのニュージーランド生活の充実を図る時期がきているように考えています。
 

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