―――ここにある文章の勝手な著作・引用を禁止します。しかし、私自身この物語を広げていきたいと思っています。意見をまっています。――

ソラソラと地球

 

 

今日が初仕事のソラソラは、苦しんでいる人を助けるため、天使の新入りとしてこの地球と言う星に送りこまれてきました。

 

いきなりやってきた地球。

「ここはいったいどんな星なんだろう」

 

ソラソラが考えていると、

 

ピピ・ピピ

 

ソラソラのアンテナがなりました。

誰かがソラソラを呼んでいます。

ソラソラはすぐに飛んで行きました。

 

「え〜ん、え〜ん ママ、ママぁ〜」

ソラソラを呼んでいたのは、小さな男の子でした。

お母さんとはぐれてしまったようです。

 

ソラソラはすぐにお母さんを見つけると、男の子を連れて行ってあげました。

男の子はニッコリわらって、お母さんと帰っていきました。

 

 

 

 

 

 

なんだか、ソラソラは『あったかい』気持ちになりました。

「地球って『あったかい』ところなんだね」

ソラソラはそう思いました。

 

ピッピ・ピピ

 

また誰かがソラソラを呼んでいます。

 

 

ソラソラは少しの間に、たくさんのイイコトをしました。

おばあちゃんが無くした財布を見つけてあげたり、巣から落ちたヒナを助けてあげたり、一人ぼっちの子といっしょに遊んで友達を作ってあげたり、寂しい子のお話を聞いてあげたり

ソラソラはたくさんの人の笑っている顔を見ました。

 

青い空。蒼い海。白い雲。草原や花の温かさ。ふわふわ、ふわふわいい気持ち。

 

 

ソラソラは地球が大好きになりました。

 

 

 

 

でも、そんなある日の事です。

 

 

 

 

 

 

ビービー・ビビー、ガーガ、ビビー

 

 

 

ものすごい雑音にソラソラは耳をおおってしまいました。

なんだか、とてつもなく大きな苦しみが溢れかえっているようです。

長いあいだを飛んで行きます。

ソラソラはドキドキしました。恐い方のドキドキです。

そこには見たこともないような惨劇が広がっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんてことだろう」

ソラソラは急に苦しくなりました。

 

 

人々がケガをし

血を流し

泣き

わめき

叫び

隣にいる人の死をぶつける場所もなく。

 

 

町が焼け野原となり

空が目をつむり

風が嘆き荒れ

海が口を閉ざして。

 

 

灰色になった雲がいいました。

「戦争さ。これは、戦争だよ。戦争が全てを真っ黒にしてしまったんだよ。」

 

ソラソラは立っていられなくなりました。

 

誰を助けていいかわかりません。

誰を助けられるかわかりません。

 

大きな大きな悲しみが、ソラソラの耳の奥から、竜巻の様に吹きあれました。

 

「あぁ、私はどうすればいいのだろう。私に何が出来るのだろう。」

 

ソラソラのドキドキは止まりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふっと、ソラソラの耳に、小さな、でも確かな一つの声がすっと通りました。

 

「助けて、助けて

 

立ち尽くしていたソラソラはハッとして、その声の方へ向かいました。

 

 

声の主は7歳くらいの女の子でした。

家が焼け、何もないそこに、小さな赤ん坊を抱えています。

「あぁ。」

ソラソラの中に、確かな悲しみがあふれてきました。

その悲しみがとても痛いのです。

2人のお母さんは死んでしまっていました。

 

そしてなお、黒いなみだを流す雲の隣を飛行機が駆けて行きます。

悲しみをこれ以上降らせるつもりなのでしょうか。

しかも、飛行機は女の子の周りを飛んでいます。

 

今にも暗黒の粒を落とそうという瞬間です。

 

ドクン

ソラソラの胸がしめつけられます。

 

そしてソラソラは、

『その子を助けたい。』

と強く思いました。

 

 

「やめて!」

 

飛行機に願った、その時です。

飛行機は大きな叫びと一緒に、三日月を描いて落ちていきました。

 ! 

ソラソラの強い願いは飛行機を落としてしまったのです。

 

女の子と、赤ん坊を助けたい一心で。

 

ソラソラは人を殺してしまいました。

 

ドクン

 

ソラソラがハッと我にかえると

 

頭の中に一人の青年の短い一生が走馬灯の様に駆け巡りました。

飛行機の操縦士として買われた、若い青年の最期の声でした。

そこには一生懸命に生きた青年の姿があったのです。

 

ソラソラの胸は張り裂けそうになりました。

時間が経って、女の子が抱えた赤ん坊の泣き声も聞こえなくなりました。

 

ドクン

 

ソラソラは、自分が何をしてしまったのか

誰のためにそれをしたのか

自分がなんで地球に来たのか……

 

全部もうわからなくなってしまいました。

苦しい。悲しい。痛い。

もうダメです。

女の子と赤ん坊を助けたくて、一心不乱にやった事が、他の命をあやめてしまったのです。

 

 

ソラソラは強く強く、もっと強く願ってしまったのです。

 

―――もうイヤ全部消えて――

――――  !   ―――――

 

次の瞬間。ソラソラは真っ暗のなかにいました。

もう、何もありません。

 

苦しみも、悲しみも、痛みも全部感じる事はありません。

 

これで良かったはずなのにソラソラの中に熱いものが流れているのが分かりました。

 

真っ暗の中でソラソラはみんなの笑った顔を思い出していました。

 

それは、地球に来てから感じる事のできた、たくさんの『あったかさ』だったのです。

 

ソラソラは、初めて泣きました。

たくさんたくさん涙を流して

 

「このまま、逃げているだけではいけない」とわかったのです。

ソラソラはたくさんたくさん願いました。

「私をもう一度、地球にかえして」

 

 

どれくらい時が経ったのでしょう。

 

ソラソラの涙から光りが溢れてきます。

 

すると、どこからか声が聞こえてきました。

「ソラソラ、地球です。ごらんなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づくと、ソラソラは宇宙から、地球を見ていました。

 

丸く青く……美しい地球です。

 

ソラソラは、満ちていく力を感じました。

「この地球で、一人でも多くの人を、幸せにしたい」

 

 

 ソラソラは今も地球にいます。

戦争は、地球からなくなってはいません。

ソラソラ一人では、この星を変える事はできないのです。

 

けれど、ソラソラはいろんな人の心の中に、あったかい何かを、地球の人々に還しています。

そう、

ソラソラは何かをしなければ、地球はこれからも変わることはないことを知っているのです。

 

 

 

 

ソラソラは言います。

 

「本当の幸せを考えてみてください。

私はね、『隣の人と自分の幸せを分かち合う事』これが幸せだと思うんです。

その隣って言うのはね、片手が自分に一番近い人。

もう一方の手は、この地球のどこかにいる、一番自分に遠い人。

全ての人が、そんな二人の人と、手をつないで、

お互いの悲しみを知って、幸せを分かち合うのです。

そしたらきっと、もっとずっと幸せな地球になるんだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 ソラソラのお話はこれでおしまいです。

けれど、あなたの物語はこれからもずっと、続いていくのを忘れないでください。

 

ネタをバラします。あなたに1つ質問です。

「ソラソラは誰(何)だと思いますか?」

もしかしたらあなたは、ソラソラは特別な力を持った遠い存在。なんて思っているかもしれません。だけど、それだけは違うと思って下さい。

私はあなたに、ソラソラでいてほしいと思っています。むしろ、ソラソラは私であり、あなたなのです。わかりにくかったら、ごめんなさい。 でも、ちょっと想像してみてくださいな。もし、世界中の全ての人がソラソラだったら(ソラソラの心を持っていたら)きっと世界は、戦争もなく、みんなが幸せに生きる事の出来る、『丸く、青く、美しい地球』になれるのではないでしょうか。 考えるだけであったかくなるでしょう?

全てはあなたのたったの一歩かもしれません。でもそれは、確かな世界の第一歩ですよ。ソラソラはあなたの中にいます。  次はあなたの番です。

  最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

2003年2月   糸洲幸恵(すー子)

 

 

意見・感想を待っています。是非、メールを下さい。suko_loves_labo@yahoo.co.jp

 

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