第4話
電源が入ったか...
では行くか。ステージへ。一日一回くらいこのときは訪れる。
そう、私の自己紹介が遅れた。私はC.F。レーサーで賞金稼ぎ。このゲームにおいては裏のキャラクター
の存在。まぁ4人の裏キャラクターの中でも強さ的には他の者たちとひけは取らない自身はある。
むしろ問題はユーザーにある。まぁ今に見ていればわかる。
ほら。チームバトルで残り人数10人に設定。そして画面登場。選択画面だ。
みるみるうちにバトルのメンツが出揃ってくる。メンツといってもいつものメンツ。
ゴリラ3匹と私。しかもブルーチームが私1人。レッドチームはゴリラが3匹、レベルマックス。当然仲間攻撃はオフ。
つまり、私一人とゴリラ3匹のバトルというわけだ。
そしてバトルフィールドセレクトへ。といってもいつものメンツでいつのも設定。つまりフィールドもいつもと同じ。
そうフィールドはいくつもあるフィールドの中でも最も狭く、最も単調なフィールド。バトルから逃れて間合いを切る
ことも難しければ、フィールド特有の偶発的な援軍も期待できない、というか援軍はない。まぁいつものこと。
フィールド選択終了。いつものこと。
愛機にのってフィールドへ。頼むぜユーザー。しっかりやってくれよ。
3...2...1...start!!
くっ。やはり3人(3匹)相手はきついか。相手から前後で攻撃されると一息にやられてしまう。間合いが切りたいが、
このフィールドではそうもいかない。
ぐっ...
吹っ飛ばされたか。しかし致命傷というほどの技ではなかった。いける。ゴリラは油断してるな。
体は宙に浮いているものの必殺技を出すようパワーをためる。
相手の近くへと落下していく。ゴリラが気付いたか。はは。遅せーよ。
時が止まる... F・パンチ。
ゴリラ3匹全員宙を舞う。はは。ははは。
たまにはやるじゃん、ユーザー。
バトルは気付くともう終幕近く。私の残りも今戦っているのも含めて2人。相手のゴリラは1匹。そいつも今フィールドにでている
ヤツが終るとおしまいになる。
バトルは優勢。このまま押せばいける。
なに...
目を疑う。しかし事実は変わらない。
ハンマーか...
アイテムとしてどこからともなく現れるアイテムの一つ。他のアイテムが出るならまだしも。ここでハンマーかよ。ハンマーは無敵状態で
理性をなくしひたすらアイテムの効果が切れるまでハンマーを振り続ける。そのハンマーの効果も絶大。確実にトップクラスの技だ。
ユーザーさんよ。オレに取らせてくれよ。
なるほど。オレに行動の指示はないのか。ユーザーはなぜかハンマーを取らせてくれない。いつも相手に取らせる。
おそらく自分ルールというものだ。それはユーザーのエゴにすぎないんじゃないのか。これをみすみす相手に取らせたことで
負けてきたバトルなんて何度となくあるのに。しかも今回は土壇場に来ているのに。やはり私に渡してくれないのか。
ゴリラの生き残りがハンマーをとる。理性を失ったゴリラが一心不乱にハンマーを振るって迫ってくる。
仕方ない。やられたら負けるだけ。やるしかない。さぁユーザー、何を指示してくれるんだ。
ふっ。ここでF・パンチか...なるほど私の中で最強の技だが幾分力をためる時のモーションが隙になってしまうという弱点を
持っているのだが。仕方ないな。相手も全力。こちらも全力でいかなければ。
1合目 互角。激しい爆裂音とともにお互いフィールドの端のほうまで体が下がる。息を入れている暇はない。次もパンチか。
こんな時は使えるんだな、ユーザー。
2合目 互角。激しい爆裂音とともに1合目の再現が起こっただけ。
しかし、変化はこのあと起こった。次のアイテムが現れた。フィールドにはゴリラの持っているハンマーともうひとつ持ち手を
待っているハンマーが現れた。くそ!こんな時にハンマーが2つだと!1つ目のハンマーで飛ばされたら私の最後の一人もゴリラの
二つ目のハンマーでやられてしまう。
はは。絶体絶命か。やってくれる。
ハンマーは無敵とは言え、隙がないとは言えない。勝機があるとすればハンマーを上に振りかぶるその一瞬。
ユーザーの指示は最後までパンチ。やってくれる。振りかぶる一瞬をモーションの最も大きい技で攻撃しろと。
最後までやってくれるな。
やってやろうじゃねぇか。オレが負ける?ありえねぇよ。
3合目
再び時が止まる。
宙に舞っているのはゴリラ。ゴリラは宙の遠くへ飛んでいく。
終った...バトルが終った。フィールドにはゴリラが飛ばされる時に落としたハンマーと最後まで持ち手が現れなかったハンマーという
2つのハンマーと私が残っていた。
賞金はねぇのか?ユーザー。
チームバトルで残り10人か......
ということはわれわれの出番も近いな....
ブルーチームはいつものヤツか。懲りないな。ではわれわれゴリラ3人でレッドチームと。
この設定に異議はない。全く構わん。レベルをマックスに上げるのを忘れないでいただければ。
ヤツはいつもの飛行機みたいなものか。われわれは樽。トレードマークといっても樽はどうかと思うのだが。
ゲーム開始
いつもどおりヤツは私たちの緩慢なスタートを突き崩すようにチームの1名を集中攻撃しだす。
いつもの手か。芸がないな。
焦りは無用。所詮ヤツは1人。われわれはヤツの3倍の頭数だ。息のつく間を与えなければヤツは確実に壊滅する。
まずはやつの後ろをとる。前後からヤツが間合いを切れないくらい攻撃し続ける。そして最後はだれかがフッ飛ばせば良いだけ。
よし。後ろをとった。全員で攻撃だ。どんどん相手は傷ついていく。そして上空へ飛ばす。
くそ。少々甘かったか。まぁよい。落ちてきたら攻撃するまで。
3人のゴリラは分散し、臨戦態勢をとるようなことはせず上空へとばした敵の下に集い一息入れる。
ヤツの飛んでいる軌道が変わっているのに気付いたのは少々遅すぎた。
「みな逃げろ。」しかし時すでに遅し。力をため、最高出力を誇るあのパンチを避けるにはあまりに遅すぎた。
「やるな、わが好敵手。」われわれ3人はふっ飛ばされた。
その後は一進一退。ヤツに翻弄され、3人が上手くかみ合わないで各個撃破されたり。われわれの力を結集しほとんど被害を
受けることなくやすやすと撃破するときもあり。
しかし
気付くと相手と私の2人の対決になっていた。われわれは人海戦術的な戦闘方法で相手を倒してきた。つまり
1対1の戦いでは明らかに歩が悪い。しかもヤツは追撃に長けている。私はフィールドから飛ばされた時は確実にやつにやられるだろう。
3対1なら仲間の1人がヤツの追撃を阻止するのだが。
そういってる間にも追撃の手が迫ってくる。私がヤツに投げ飛ばされてフィールド外に出される。かなりダメージを受けたあとだけに飛ばされる距離も
大きい。しかしまだフィールドに戻れない距離ではない。まだいける...いけるはずの距離である。しかし追撃こそヤツの得意技。
フィールドに戻るために移動する私をあざ笑うようにパワーをためる。パワーをためるひとときに隙を生みだすその技も隙を突く仲間が
いなければこんな考察あってないようなもの。
「ぐはっ」空の彼方へ。
これで残り二人か...
次の私も一方的な攻撃を受け飛ばされる。是非もない。やはり3人そろっている時で勝負を決めなければならなかったな。
「ははは。」なかばあきらめたようにキックで飛ばされる。空中で飛ばされ戻る途中、フィールド外でヤツのパンチをくらった。
あの野郎、フィールド外に飛びながらパワーをためてパンチを放ってくる。自分が落ちることを考えないのか。ホントに1対1では勝てないか
。
さぁ、私はもう最後の1人。相手はまだ2人残っている。もう捨て身で行くしかないな。そして最後の舞台へ飛び出す。
「ヴォーーーーーーー」喚声を上げ猛然と襲い掛かる。一進一退。
「ぐっ」やられたか。まだいける。
「ヴォーーーーーーー」まさに一進一退。
「ヌヌヌ。ヴォーーー」まだいける一進一退のはず。
まだ折れていない心に対して私の体力は限界に近づきつつある。
そこで奇跡のきっかけがその片鱗を見せだした。
「ははははは。今こそ好機。」
ハンマーが現れたのだ。これをとればかなり情勢は変わる。むしろ運がよければヤツを2回倒すことも可能だ。まさに好機。
このハンマーを手にとった途端に理性をなくしひたすらハンマーの効果が終るまでハンマーを振り続ける。ひたすら振り続けること
ですきも隙もない。相手は絶対にハンマーを取りにこない。これは経験でわかる。案の定、相手はハンマーから距離をとって臨戦態勢をとる。
「ははははは。臨戦態勢か!無意味!」
絶対的な勝利が訪れようとしている。
ハンマーを取る。あとはハンマーに任せ、その魔性の力でヤツをねじ伏せるのみ。
次に気付いたのときは空中だった。
「負けたか....」
ハンマーをとる前にダメージがたまっていたためフィールドに戻ることは無理だ。
夢物語に終止符が打たれる。そして戦士たちは部屋に戻って人形にもどるのであった。
『朝7時(徹夜)』より