地下帝國について。



某月某日


当然よくないことだとはわかっています.

ひょっとしたら不法侵入とかの罪を問われてしまうかもしれません.



でも...



こんなに大きな口を開けて誘われたら

あなたは我慢できるでしょうか?



僕達はできませんでした.

誘蛾灯に集まる虫のように

僕達は吸い込まれていきました.



都会の片隅にぽっかり開いた大穴から



地下へと・・・



どれだけ歩いたでしょうか.

ちっぽけな懐中電灯だけが頼りの

変化が無い暗闇の中では

距離感覚が徐々に狂っていきます.

時計をみると思ったより時間が進んでいます.



そろそろ引き返そうか・・・

不安に押し潰されそうになったそのとき



まばゆいまでの光が

僕達の目に飛び込んできたのでした.


そこに誰かいたら大変です.

僕達はすごく慎重にかつ胸をドキドキさせて

ゆっくりと

前に進んでいきました.




そんな僕達を待っていたのは

地下の暗さからはとても想像できなかった

まばゆい光のゲートなのでした.





ここまできたら怖いものはありません.

僕達は慎重にかつ大胆に

まるで祝福してくれているかのような

光のゲートをくぐったのでした.





そしてその先には

まるで見られたくなかったものを見られてしまったかのような

剥き出しの壁が続いていたのでした.



夜明けが近づいてきてしまい

最後までたどりつくことはできませんでしたが

それでも僕達は何かを成し遂げたような

とても幸せな気分に浸りながら

地下帝國を後にしました.