今年の夏もまた、いろいろな事件や事故が多かった。国内では神奈川でおきた黒倉川でのキャンプ中の事故が記憶に新しいが(このページを作成してる時点で今だ3人が行方不明)、今年最も悲惨な”惨事”はたぶんこれだろう。俺がこれを書いている段階で、既に死者は1万人を越え、さらに瓦礫の下には今も約3万人がそのままだという・・・。このような地震などでの救出は、3日がひとつの境といわれている。3日、つまり72時間を過ぎると、生存確率はぐっと低くなってしまうのだ。これは、日本の阪神大震災の時もそうだった。
阪神大震災経験者のひとりでもある俺にとって、このニュースに最初から関心の高いものではあった。最初に地震直後の被災地の航空映像を見た時、奇しくも4年前とダブって見えたのは俺だけだろうか・・・。それほどまでによく似た光景だったのである。これが、海を隔てた向こう側の都市まで、広い範囲にまで渡っている・・・。最初に「死者500人」と発表があった時、これは絶対にこんなものでは済まないと思った。阪神大震災のときも、最初に発表された死者数はわずか2ケタだったのだ。しかし、それからわずか数日で1万人を突破するとはさすがに想像しなかったが・・・。今更と言われるかもしれないが、これは、被害規模という点では、明らかに阪神大震災を上回っているといえるだろう。まさに”震災”である。
瓦礫の下の3万人もそうだが、何とか地震の直接の被害からは免れた人々も、今新たな難局の中にある。現在被災者のほとんどが、何もない屋外での生活を強いられている。俺が知る限り、これは阪神大震災よりさらにひどい状態である。阪神大震災の場合は、大抵、公民館や学校の体育館など、一応屋根のある屋内での生活は確保できた。例外は、2次災害によって大火災のおきた長田区などごく一部であろう。しかしトルコの場合は、逆にほとんどの人が屋内の生活も望めない状況らしいのだ。トルコには日本の公民館などのような、大型公共施設が少ないのか、それともそういった建物が軒並み倒壊したからかは定かではないが、とにかくこれで衛生状態を保てる訳もない。事実、かなり悪化しているらしい。コレラ等の伝染病も危惧されている。テントや仮設住宅も圧倒的に数がないという。そりゃそうだ。範囲と規模がでかすぎる。今後このような生活への課題をどうクリアするのか。もちろんライフライン(電気・水道・ガス)の復旧もその中に含まれる。
しかしそれにしても、今回の日本政府の行動は、これまでのことを考えると、非常に迅速だったのではないだろうか。何しろ地震発生から1日半後には、もう日本の緊急援助隊が現地に到着していたのである。このチームは、今回派遣10回目にして初めて生存者の救出に成功した。素早い派遣が素早い救助活動に結び付いた賜だろう。阪神大震災の時に、地震発生の報を受けながら予定どおり首相は朝食会に出席するは、迅速に反応し、援助隊の派遣を派遣すると言った各国の申し出を断ったりしたのとはエライ違いである。単に内閣が違うからなのか、それとも阪神大震災などの教訓が生かされたのか、実際のところは俺にはわからないが、政府の要請を受け、兵庫県と神戸市は震災経験者の職員を派遣し、また民間のボランティア団体も震災を経験した人を数名派遣している。今後、このように震災の経験が地球規模で生かされれば、震災経験者の俺にとって、これほどうれしいことはない。
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