田代ヶ池の昔話し

三重県員弁郡の山の中の話しじゃ。
田代ヶ池の近くにという娘と、その父親 作次が二人で暮らしておった。作次は娘の沢を可愛がり母親がいない事もあって大切に育てておった。
沢が16の年、雨が降らず飢饉でな、米がまったく採れなかった。
ある日、沢が田代ヶ池のほとりで見知らぬ男と出会った。それから二人は毎日池のほとりで会い、語らった。作次は池のほとりで語らう二人を見付けた。
何日かして男が作次のもとを訪れ「沢を嫁に欲しい」と頼んだが作次は取り合わない。それでも食い下がらない男に「雨を降らせる事ができたら嫁にやっても良い」と投げやりに言ったが、男は「解りました」とだけ言い残すと出ていった。
次の日から数日にわたって雨が降り、飢饉から逃れることができたが、夜になって片目を被った男が現れ「約束通り片目を天に捧げ雨を降らせました。沢を嫁にもらってまいります」と言った。
「誰がお前のような嘘つきに大事な娘をやれるか!」と作次が。「どうしても無理なら力づくで・・・」と男が言うと沢が奥の部屋から夢遊病のように男に付いて家を出ていった。作次が慌てて後を追って外に出ると夜空を2匹の竜が天に昇っていく姿が見えた。
後に作次は沢を思いこの土地に祠を建てたそうじゃ。
三重県の多度大社に片目の龍神様を奉ってますが、元はここです。国道421号を阿下喜方面へ。右に中華料理店「竜宮」がある信号を右へ。そのまままっすぐ1本道です。とてつもなく1本道です。普通の車はちょっと辛いかも知れないけど1本林道です。どんな道か想像していただけると思います(^^;
しかもGW頃まで雪のため行けません。
夏の間はどなたか知らないが花などを供えてあるので頻繁に来てみえるようです。
私が調べた限りでは2通りの説があり、この謎の男は奈良の春日大社の弟で、悪さが過ぎ追放になり、辿り付いたのがこの土地であるという説。
多度大社に奉ってあるという事は伊勢神宮の系列。(多度大社は伊勢神宮の表院) 春日大社と伊勢神宮は仲が悪いから信憑性にかけるが。
もう1つは水を司る竜であるという説。古来 竜は水の神様。どうも、こちらに軍配は挙がるようだ。

トップへ戻る ゲストブック メールを送る 「旅しましょ」へ