「宗教その3」

私は昼頃に目を覚ましました。
すぐにオンに繋いでアンダカ教の活動を行おうと思いましたが、
アンダカを育てるための生マグが欲しかったので、
パソコンを機動させ、
公式のミーティングBBSへ行き、「求>生マグ」というツリーを立てました。
レスがつくまで、私はフリーBBSを回覧することにしました。

BBSでは、「垢バン」という文字でいっぱいでした。
垢バンとは、アカウント停止、のことでした。
今まで悪事を繰り返してきたチートユーザーに対し、
ソニックチームが接続停止措置を行ったのです。
私はまっさきに、アンダカ様の身を案じました。
私はすぐ、パイオニア2へ向かいました。


カイさんが検索にかかったので、彼の元へ飛びました。
彼のいたロビーには、他の信者も集まっていていました。
私の予感どうり、アンダカ様や幹部の人たちがアカウント停止にあい、
その話題で混乱していました。
「アンダカ様からの声明を待ちましょう」
「そもそもチートとはなんなんですか?」
私は、チートについて、知ってる限りのことを説明しました。
「アンダカ様の力が不正データによるものだというのか」
「そんなはずありません。真理の冒涜だ!」
皆は信じるはずがありませんでした。
「アンダカ様がチートと呼ばれるものであるなら、
私が今までの修行で得てきた真理の数々はどう説明できるというのだ」
「これはソニチによる教団潰しだ!」
カイさんは声を荒らげて言いました。

集まった信者のみんなは、教団の活動を妨害するソニチへの
怒りを爆発させました。
私もその中で、せっかくみつけた居場所、目的を奪われる
ことへの腹立たしさを感じました。
「アンダカ真理教の未来のために、我々のできる範囲で、
ソニチと闘おうではないか!」
「ソニチの弾圧に屈するな!」
「これは戦争だ!」
「これは戦争だ!」

ソニチへの徹底交戦。
カイさんの提案で、そのロビーにいた信者たちは、
公式BBSを荒らすことにしました。
私は公式BBSへ向かいました。


まず、昼に作ったマグ求むのツリーを見にミーティングBBSへ
行きました。しかし、更新の早さで、自分の立てたツリーを
捜し出すことができませんでした。
私は、「求>アンダカ様 出>うまい棒」という嘘の交換ツリーを立てました。
私は次に、フリーBBSへ行きました。
HP宣伝ツリーがあったので、
「便乗HP作りました。
 ACT-NETをこよなく愛するHPです。ぺろんちょ最高」
という嘘の宣伝のレスをしました。
しかし、はたしてこれが荒らし行為なのか、私にもわかりませんでした。
BBSを荒らす、とはいっても、いったいどんなことをすればいいのか、
さてどうしたものかと回覧していました。
ソニチへの暴言、誹謗中傷などで、BBSは荒れていました。
この中に、アンダカ教の同士はいるのかな、
と思いながら、私も発言をしました。
しかし、私の投稿からは、荒れを引き起こすことはできませんでした。

テレホになり、私はパイオニアに向かいました。
「ソバカスってHNで荒らしまくりましたよ!!」
カイさんが、今日の活動を報告しました。
「ソバカスってのは、カイさんだったのですか」
「雀斑さんだと思いました」
「僕も雀斑さんだと思いました」
「私も荒らしてみましたが、私の発言ではなかなか荒れませんでした。
むずかしいものですね・・・」
私も今日の活動を報告しました。
「幹部のみなさんも、新しくDCを購入して復帰しているようです」
「破壊活動班も各地で結成されているようです」
「私たちもがんばりましょう!」
「これは戦争だ!」
「これは戦争だ!」
皆がそれぞれ、情報交換をおこない、
それぞれの活動場所へ散っていきました。
私も、BBSへ行きました。


フリーBBSに、ある人がHPの宣伝の新規を立てていました。
リンクされたHPへ飛んでみると、そこはアイテム交換のHPで、
品揃えを見ると、チート品と思われる物ばかりでした。
私は「蝋燭」というHNで、チートを忌み嫌う人、という設定で、
そんなHPは閉鎖してください、という煽りのレスをしました。
その人は、この煽りにのってきました。
みごと、荒れの発生です。
ツリーはみるみる大きく育ち、第2、第3のツリーも立ちました。
私はレア反対という理論武装のもと、徹底的に彼を叩きました。
その結果、閉鎖にはいたらずも、
品揃えリストの削除に追い込むことができました。

私はそのツリーを改めて読み返し、
虚しさを覚えました。
私はいったい、何をやているのだろう。
自己嫌悪からくる吐き気に襲われました。
私はトイレへ行き、ゲロを吐きました。
そして、自分の犯した罪に気づき、
涙がボロボロ流れてきました。
そしてまた吐きました。吐くものが胃の中になにもなかったけど、
私は嗚咽しつづけました。


トイレに置いてあった西村理香の写真集を見て少し落ち着きを取り戻した私は、
こんな破壊活動はやめよう、と皆に言うために、
パイオニアに向かいました。
信者の集まるロビーでは、アンダカ様の復帰の話題でもちきりでした。
そして、アンダカ様は、自分はチーターであり、
今までの犯した罪を反省するとともに、アンダカ真理教の解散を
宣言した、ということでした。
戸惑う者、悪い夢から目覚める者、
これはソニチの陽動作戦だ、だまされるな!
と叫ぶ者、アンダカ教の歌を歌い続ける者・・・
私は「脱会します」とだけ告げ、そのロビーを出ました。
アンダカ教関係のカードをすべて削除し、
そして、せめてもの罪滅ぼしにと、
「ロスト復旧求む」という部屋に入り、
持っているアイテムすべてを譲り、その日は寝ました。