ある日、病院内にある洗濯機で洗濯していた私の元にルームメイトのNさん(といっても60近いオバさん)が神妙な顔でやってくる。
「あなた、下着とかってどこに干してるの?」
「乾燥機使ってるから干さないですねえ」
何やらNさん、パンツを3枚ほどやられたらしい。
「なんだってこんなオバさんのパンツ盗るのかしら」
と、彼女はのっけから「男」に盗られた、と思っていた。
やはり女、いくつになってもこういう発想は大切だ、とつい感心してしまう。
どこの病院でもありがちな出来事、盗難。
老人が多い、というのも理由ではあると思うが。
ある日、正面玄関ロビーにて新聞を読んでいると、見るからに浮浪者なオジさんが何気に入ってきて自動販売機の下を孫の手でひっかきまわし、落ちていた小銭を拾い集めていらっしゃった。ある意味、怖い光景である。
警備員、おまえは一体何の警備をしとるんじゃ。
その日から私の貴重品はいつも片身離さず車椅子に括り付けるようになったのは言うまでもない。
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