再手術の理由

オペから20日目の朝、さわやかな雰囲気をぶち壊す足音が近づいてくる。
担当医M、今日はあんたの診察日じゃないのに何用だい。

「突然で悪いんだけど、今日オペね」

はい?としばし放心してしまう。M医師は言い訳のように

「ちょーっと骨がね、うーんと…」

なんてやっている。
あれよあれよという間にまたもや意味のない紙切れに署名させられ浣腸、オムツ、と用意万端。
結局、ちょっと、というオペは初回並みにキッツイものであった。
今までしていたリハビリも振り出しに戻る。T字帯もまた引きずる。
数日後、久々のリハビリで、担当医Y先生に言われた第一声、

「あれ、腰痛だったんだって?」

なんじゃそりゃ。
どうも看護婦から数日間のリハビリ欠席の理由に「腰痛」という連絡を受けたらしい。
なぜだ、なぜ隠す必要があるんだ。しかもそんなベタな理由ってあるか。
なにかしら怒りが込み上げたりする、が、それ以上に悔しさである。
M医師、あんた何かやったね、私の足に。
医者と患者の関係は主に信頼関係であると思う。
それが、これだ。私のM医師に対する態度はこの日を境に一層厳しさを増す。
でも理由として、私には何の落ち度もない、ということは言っておきたい。
私は自分でいうのもなんだが模範的な患者であった。
リハビリ、入院生活、いずれにおいても完璧に近かったはずだ。
術後の説明は術の内容のみ、原因としての説明はない。
しかしだ、私の素人な意見では、もっと定期的にレントゲン撮影で経過を見ていてさえくれたらもっと早く対処できたのではないだろうか、ということ。
M医師はこの意見については何も納得のいく説明をしてくれない。
結果、私の足は見事なX脚(片足だからK脚)になってしまったのである。
イリザーノフをはずし、脚に支えのかねを入れたまま一時退院という形になったが、その時M医師が私に言った言葉。

「X脚でもね、ぜんぜん平気だよ。
歩けるしO脚よりは問題ないんだよ」

私の怒りがここで沸点に達したことを、わかっていただきたい。
私の足は生まれた時からXでもOでもない、まっすぐである。
太さ細さは別として、私は足の長さを変えたくてオペに挑んだ覚えはあるがX脚にしてくれ、と頼んだ覚えはないのである(当たり前じゃ)
M医師と私の信頼関係は一方的に私が放棄した。
あの時、私が健常者だったら間違いなく奴の顔面にヒットしてたはずだ。
患者という弱者をそういう扱いで済ませるM医師の怠慢、私の怒りは未だに納まっていない。

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