再入院

それから年も明けた翌年2月。
約4ヶ月間、松葉杖、装具と、不自由な生活を強いられ、その間、他の病院の門を叩いたり弁護士事務所に救いを求めたりもしたが、M医師の知名度と医療問題の難しさの前に再びM医師の元に戻ってしまうわけである。
やはり誰もが飼い主の元に帰りなさい、と私を諭すのである。
悔しいが、M医師の責任としてきちんと元に戻してもらおう、と気持ちの整理をつけたわけである。
数ヶ月ぶりの3階病棟もすっかり真新しい顔ぶれである。
看護婦は知ってか知らずか私の再手術に小首をかしげる。前回の状態を知らんのか。
医者と看護婦の連絡不行きがあからさまである。
今回は支えのかねを抜く、と同時にまたもやあのイリザーノフをつけるという。
かんべんしてほしい。
延長・矯正の両方に使えるというこの便利な機具、ロシア人が考案したということがバレバレの名前、イリザーノフさん、怨むよ。

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こんなぶっさいくなモノをつけたまま、今回は社会復帰もしなくてはいけないという理由もあり、前回のより小型の奴にしてくれ、とM医師にワガママを言ってやった。(本人は当然の要求だと思ってるが)
ナースステーションにてM医師をいじめる。
看護婦はそんな私を羨望の眼差しで眺めているが、その時、外野から声がかかる。

「大きさなんて大したかわらないじゃん」

その声の主は週に一回、この病院にやってくるという行商人のようなK医師。
腹話術の人形に魂が宿ったような風体のK医師は私とM医師のやりとりをニヤニヤしながら眺めている。
これまた健常者だったなら間違いなくヒットだ。
しかも光よりも早く脳天にヒットしていたことだろう。
外野に一瞥をあたえ、とにかく「患者さま」という立場をそこで確立してからオペである。今回ばかりはオペの承諾書にサインすることを拒んでみた。
なぜなら今回はM医師の責任ゆえのオペだから、と言い切ってみた。
看護婦の中には数人、今回のことはもっと責任追及すべきだ、と言ってくれる人もいたが私には時間がなかった。とにかく治してもらわねば、という気持ちであっぷあっぷだったから。(結局サインしてしまうんだけどね)

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