夜のフロスト  R.D.ウィングフィールド 創元推理文庫


流感警報発令中。続出する病気欠勤に、ここデントン警察署も壊滅状態。それを見透かしたように、町には中傷の手紙がばらまかれ、連続老女切り裂き犯が闇に躍る。
記録破りの死体の山が築かれる中、流感ウィルスにも見放された名物警部のフロストに、打つ手はあるのか?
日勤夜勤なんでもござれ、下品なジョークを心の糧に、フロスト警部はわが道をゆく。大好評シリーズ第三弾!



<感想>

事件が起きてまた事件が起きてまた事件がおきて……を繰り返し、いったいいつになったら捜査になるのか?と毎回思わせるこのシリーズ。今回もたっぷり楽しませていただきました。
真面目に捜査してるのか、はたまた成り行きにまかせているのか、どうもそのへんの線引きがファジーなんですが、終わってみると事件は解決してるいつものパターン。
作者はフロストは無能……といいたいのか?本当に無能なのか?その意図ははっきりとは私にはわかりませんが、こんなに一生懸命仕事してるんだから、たまにはいい思いさせてやって欲しいなぁ。
本を読んでいる人にだけ伝わればいい……と思ってるのかもしれないけど、やっぱ好きな主人公は少しは本の中でも認めて欲しい。
ずっと行動を共にしている部長刑事にさえ「明日からようやく本物の警察官のもとで任務につける」と言わせている。
それは悲しいでしょ。「事件解決してるじゃん!」と突っ込みたくなるでしょ。
……まあ、直感勝負のこんな捜査では現実の事件が解決されるとも思えないんだけどさ。





フロスト日和  R.D.ウィングフィールド 創元推理文庫


肌寒い秋の季節。デントン市では、連続婦女暴行魔が悪行の限りを尽くし、市内の公衆便所には浮浪者の死体が小便の海に浮かぶ。
いやいや、そんなのは序の口で……
役立たずのぼんくら親父とそしられながら、名物警部フロストの不眠不休の奮戦と、推理の乱れうちは続く。
中間管理職に、春の日和は訪れるのだろうか?
笑いも緊張も堪能できる、まさに得がたい個性の第二弾!



<感想>

一気に読んでしまった
……一気に読まないと、リンクする事件が解らなくなってしまいそうで

今回の相棒は、暴力事件で降格され、移動させられた元警部・ウェブスター
なまじ元警部だったがゆえに、フロストを見る目は厳しい でも、警察という組織がそうなのだろうが、一切口答えしないのはステキ
あいかわらずの不眠不休だし、かわいそう

フロストの推理の強引さってのはあるんだけれど、それをほとんど失敗させて、しかし!最後に美しく解決に結びつける……今回彼は冴えている 伏線がきっちり読者に示されていないような気はするが、実は細かいこと以外はちゃんと書かれているんだよね
つまり、読者にも犯人は推理できる!……事件がゆっくり進むなら……
こんなに入り乱れて、しかも飽きが来ない進め方をされると、先を読むのに夢中になって推理する時間がないのよ

今回は相棒が最後にちょびっとフロストを見直す場面もあり、とても救われました
いっつもいっつも、上司にはお小言くらって、事件解決しても(タイミングが悪すぎて)褒められもせず、町の有力者がかかわる事件は態よく押し付けられ、脚光を浴びる事件はアレン警部に奪われる
本当に気の毒なフロストなのよね
だから、町の光のあたらないところにいる登場人物が、フロストになら相談してもいいとか、情報提供するとか……という設定はとても嬉しい

あ〜〜〜面白かった!!
三部作全部読んでしまったから、次が発行されるのを待つしかないんだね
……あ、もう一回読む手もありか(^^)