地 方 分 権
彩の国(埼玉)だよりより

市町村重視の行政を進めるために

地方分権は、皆さんの暮らしに密着した行政サ−ビスを、皆さんに身近で地域の実情に詳しい地方の自治体が、自らの判断で工夫・改善できるようにするための改革です。
埼玉県では全国に先駆け、その取り組みを積極的に進めています。

今、なぜ地方分権なのか?

現代社会は国際化、少子、高齢化といった課題を抱え、地域でもさまざまな問題が山積みしています。
それらの問題に、行政として、素早く、きめ細やかに対応するためには、どうしたらよいのか?
そこで求められているのが「地方分権」です。「地方分権」は、地域のことを地域で決められるように
機関委任事務制度の下で「上下・主従」の関係にあった国と地方を「対等・協力」の関係にします。 そして、「国が主導する縦割りの画一的行政システム」から「住民が主導する個性的で総合的な行政システム」へと転換し、真の地方自治の確立を目指すものです。
地方自治の主役は、そこに暮らす皆さん一人ひとりです。
「政治・行政に関心がない」というのではなく、「誰もが豊かに暮らせる社会を私たちの手で実現しよう」といった前向きな姿勢で、積極的に参加してこそ本来の地方自治の姿であるといえるのです。

県独自の分権計画を策定

県では、「市町村の繁栄なくして、県や国の繁栄はありえない」という考えに基づき、これまでも市長村重視の行政を積極的に推進してきました。
中でも、県から市町村への権限移譲は全国トップクラスで、平成11年4月現在で55事務の権限を移譲してきました。
これをさらに進め、皆さんに最も身近な市町村の充実を図るために、「県から市町村への分権に関する総合的な計画」として、 本県独自の「埼玉県分権推進計画」を3月に策定しました。
 
埼玉県分権推進計画

住民に身近な行政は市町村で

■県から市町村への権限移譲の拡大

   市町村の意向を尊重して、受け入れ準備の整った市町村ごとに実施することを基本として、権限移譲の推進に取り組んでいきます。
81事務・552項目の権限を移譲対象としています。
 
移譲対象権限の例
 
大気汚染防止に関する事務、身体障害者手帳・療育手帳の再交付に関する事務、屋外広告物に関する  
事務  など 
 
■分権時代のモデル市町村

  新たに策定した「埼玉県分権推進計画」の特徴の一つに「彩の国分譲モデル市町村制度」があります。 これは、他の市町村に先駆けて権限の移譲を受け入れる意思のある市町村を、県がモデル市町村として指定し、権限をまとめて移譲するとともに、積極的に支援するものです。
 
■彩の国分譲推進交付金の創設

  大小さまざまな市町村が、地方分権を推進するためには、当然ながら財源の確保が大きな問題になってきます。
そこで県では、市町村へ移譲した権限の事務処理などに必要な経費を財政面から支援する制度として、
「彩の国分権推進交付金」を創設しました。 移譲を受けた権限も、地域の実情に合わせて住民のため、移譲された権限を活用されなければ本当の意味の地方分権とは言えません。 このため、創意を加えた独自性ある取り組みに対し、交付額をさらに加算する「特別加算交付金」を設けました。 また、準備に必要な経費を交付する「準備交付金」も設け、市町村が移譲権限を生かした自主的な取り組みを積極的に支援して行きます。

市町村の自主性を尊重

■県単独補助金の整理合理化

 県から市町村への補助金の整理合理化を進めます。
現行の補助金制度では、使用目的が限定されるなどのほか、事務手続が煩雑で、市町村にとってはその負担金が少なくなかったのです。
市町村が創意工夫による特色のある地域づくりに取り組めるように、市町村の自主性が生かせる財源にするとともに、補助手続きの簡素合理化に努めていきます。

協力しあって分権を推進

■県・市町村で人材の育成・確保

 地域の実情や多様なニーズに即した行政サ−ビスを提供するには、専門的な知識や能力に加え、住民の視点に立って、施策を自ら企画して実施する能力・自覚・意識を持った人材が必要です。
このような人材の育成・確保を目的に、県と92市町村が協力して「彩の国さいたま人づくり広域連合」を設立します。

■広域行政・合併の推進

 地方分権が進むと、それぞれの市町村は、自らの判断と責任において処理すり行政分野が広がり、住民に対する責任も重くなってきます。
また、住民の生活圏も広がり、これに適切に対応するには、一つの市町村では難しい場合もあります。
そこで、広域行政や合併の推進に必要なノウハウの提供に努め、市町村の自主的な取り組みを支援して行きます。

■住民との連携

 地方自治体は、住民の広範な参画を得た政策の形成、実施が求められています。
このため、行政の公正の確保と透明性の向上を図るとともに、住民が自ら判断するための情報を積極的に公開、提供する市町村の取り組みを支援します。
さらに、ボランティア活動をはじめとする住民の自主的な活動の環境整備を行うなど、さまざまな地域の課題に対する住民と市町村の連携を促進します。
 

機関委任事務制度
住民による選挙で選ばれた知事や市長村長等を国の下部機関とみなして、国の事務を委任し、執行さ せる仕組みで、地方自治法で定められています。 その事務処理は、実際には地方自治体の職員が行っており、代表的なものに都市計画の決定、戸籍事務、旅券の交付事務などがあります。 この制度では、知事や市長村長等に対する主務大臣の指揮監督権が認められており、国と地方自治体を上下・主従の関係に置くものとなっています。 また、住民にとっては、行政責任が国と地方自治体のどちらにあるのか分りにくく、行政に住民の意向を反映させることを妨げるものとなっています。 機関委任事務は、地方自治体の事務処理のうち、都道府県の場合は7〜8割、市長村の場合は3〜4割を占めているといわれていますが、現在、国会で審議されている地方分権を推進するための法律改正が実現すれば、廃止されることになります。

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