
セコイア国立公園とキングスキャニオン国立公園は隣接した2つの国立公園だが、実際にはゲートは共通のものであり、1つの国立公園のような扱いとなっている。サンノゼから車で4時間。先週行ったデスバレーに比べたら近いものだ(^^)

セコイア国立公園といえば、「世界一の生物」ジャイアントセコイアの木で有名なところ。右の写真は、その中でも世界最大である「シャーマン将軍」だ。「世界最大」の定義にもいろいろあるようだが、このシャーマン将軍は「体積が世界最大」なんだそうだ。
右の写真をよく見て欲しい。シャーマン将軍よりも幹が太い木とか背が高い木と言うのは世界中探せばあるのだが、そういった木は先に行くにしたがって細くなっていく。ところがシャーマン将軍は木の上の方へ行ってもほとんど太さが変わらない。これが「体積が最大」の理由だ。
また、このセコイアは樹皮(木の表皮)の厚さが60cmもあるという。60cmである!とんでもない厚さだ。この樹皮は大量のタンニン(あの赤ワインの中に含まれていて「体に良い」と言われてるやつだ)を含んでおり、山火事や害虫からセコイアを守っている。セコイアは山火事になってもなかなか燃えないのだ。長生きするわけだよなぁ。
なお、アメリカの国立公園では、落雷などの自然現象で山火事が起こった場合、積極的な消火活動を行わない。「山火事もまた自然の営みだから」というのがその理由で、自然鎮火するまで燃えるままにするのだそうだ。11年前のイエローストーン国立公園の山火事では、東京都の1.5倍の森林を燃やしてようやく鎮火したというからすごい。それが問題にならないほど広大な森林を持っているということでもあるんだけど・・・。
まぁ、山火事の後、自然がどのようにして回復して行くかを研究するという意味ではよい題材だとは思う。セコイア国立公園でも、そういった研究成果がビジターセンターで紹介されていた。
今から一億年もの昔、地球上にある木は、このセコイア(正式にはジャイアント・セコイア)のような巨大な木ばかりだったと言われている。確かに、恐竜達がいた頃の木は現在の木よりも巨大でないと恐竜達が飢えてしまったことだろう。
このジャイアント・セコイアは、その古代の巨大樹木の最後の生き残りと言われているそうだ。
ということは、セコイアが多数生息するこのセコイア国立公園の森の中の様子は、かつて恐竜達がのっしのっしと地球上を歩き回っていた頃の森の姿に近いということになる。
また、シャーマン将軍の樹齢は2000〜2300年。つまり、シャーマン将軍がちっちゃな苗木だった時、日本はまだ縄文時代だったということだ。
・・・そんなことを考えながらセコイアの木「シャーマン将軍」を見上げると、その巨大な姿に畏怖を感じると共に、時間を超えてはるか昔の世界を見ているような、変な錯覚を感じた。
ちなみに、「シャーマン将軍」というのは、この木の発見者がかつてつかえていた将軍の名前なんだそうだ。別にシャーマン将軍自身がこの木を発見したとかいうことはないらしい。
さて、セコイア国立公園といえば、誰でも一度は図鑑などで見たことがある有名な「トンネル・ログ」があるところだ。これは倒木をくりぬいて作ったトンネルを車がくぐるというもので、僕は小学生の時に学研の本(「自然のひみつ」だったかな?)で見たことがある。
子供の頃そういう本でトンネル・ログを見た時には、まさかそれを実際に見ることになるとは思ってなかったので、実物を見た時は子供のようにはしゃいでしまった(^^;
わざわざトンネルの下に自分の車を止めて、それを撮ったのが右の写真。見ての通り、今僕が乗ってるのはリンカーンなのだ(^^)
後ろから別の車が来なくて良かった〜。
それにしても、この倒木もでかい・・。車と木の太さを比較してもらえばわかるが、とてつもない太さだった。
このトンネル・ログの他にも、同じく倒木のへこんだ平らな部分に、なんと車を停車させることができるという「オート・ログ」というのもあった。ただ、こちらはさすがに僕のリンカーンはでかすぎて乗らなそうだったので、無理やり木の上に載ったりはしなかった(^^)
ミディアムサイズくらいの車で来てた他の人は、自分の車を乗せてみていた。
こういったセコイアの倒木のあるセコイアの林の中を歩いてみると、なんだか「コーンコーンコーン」という何か木を叩くような音が聞こえてきた。耳の錯覚かなと思ったけど、確かに聞こえる。あっちこっちから「コーンコーンコーン・・」という音が静かな林の中に響いている。よ〜く木を見てみると・・・・「キツツキだ・・!」
野生のキツツキが木をコンコンやってるのを初めて見た僕はもう大興奮。今までアニメとかで見てたキツツキといえば、木に大きな穴をつくるドリルみたいな鳥だったのに、今見えてるキツツキはそこまで徹底的に一つの穴をあけたりしていない。これが本物のキツツキだったのか!という新鮮な驚きだった。
さて、セコイア国立公園は、先週僕が行ったデスバレー国立公園とは40マイル(約60km)くらいしか離れていない。ただ、セコイアとデスバレーの間には険しいシエラ・ネバダ山脈が横たわっており、実際にはこれを大きく迂回しないとデスバレーには行けない。
で、セコイアでも、かつてはデスバレーと同様の火山活動があったらしい。左の写真は「モノ・ロック」と呼ばれているもので、溶岩が固まった一枚岩だ。ここの溶岩は粘性が高いため、地上に出てきてもモリモリっと盛り上がって出てくるのだが、あまりにその速度がゆっくりだったので、地上に出てきた部分が次々と冷えて固まってしまい、結局こんな大きなカタマリになったという。雲仙普賢岳の噴火で、大きな溶岩ドームができたのと似た原理だ。
このモノロックの頂上まで上るトレイルは、距離は短いのだがちょっときつい。途中でちょっと休みながら上って行ったが、頂上から見たシエラ・ネバダ山脈の美しかったこと!
次に、セコイア国立公園内を北上し、北隣にあるキングスキャニオン国立公園に向かった。

キングスキャニオン国立公園は、ヨセミテにも似た岩山が広がるところだ。もちろんセコイア国立公園のすぐ隣なのでセコイアの木もあるのだが、キングスキャニオンの奥に入って行くと、巨大なセコイアの木は姿を消し、かわりに巨大な岩山が眼前に広がってくる。
これらの岩山は、遥か昔にここを流れていた氷河が作り出したものらしい。今ではとても信じられないことだが、かつてはこの一帯は厚い氷河の下にあったのだ・・・。
巨大な岩山もいいが、ここでは豊富な自然を楽しみたい。一番上の写真はその一つで、セコイアの森の中にひっそりとある(もちろん売店とかもあるんだけど)美しい湖の向こうにキングスキャニオンの岩山がそびえる姿は、非常に印象的だった。