※第3回目の発表レジュメ 6月27日
*卒論経過報告*
『コミュニティバスとまちづくりの関連性について』
1.バスについての基本事項
(1)基本的なバスの知識
バスとは、一度に11人以上の人を乗せることのできる自動車のこと。また、バスはその使用方法などにより概ね、乗合バス、貸切バス、自家用バスに分けられる。近年では、バスをより身近で便利にするために、コミュニティバス、デマンドバスという新たな工夫を凝らしたバスサービスも始まっている。
1)乗合バス(路線バスとも言う)
一般的に通勤や買い物に利用されているバスのことをいう。そのほか、旅行などで利用する高速バスや定期観光バスもこれに含まれる。路線と時刻をあらかじめ決めて、定期的に運行するもので、法的には、乗合旅客を運送する一般旅客自動車運送事業で、正式名は「一般乗合旅客自動車運送事業」という。
2)貸切バス(観光バスともいう)
一般的には観光や冠婚葬祭などの際に利用されているバスのことをいう。法的には乗合バスやタクシー以外の旅客自動車運送事業で、正式名は「一般貸切旅客自動車運送事業」という。
3)自家用バス
会社の仕事のために従業員を送り迎えするなど経営する事業のために使用するバスをいう。
4)デマンドバス
通常の運行ルートを走るバスとは違い、基本路線以外に利用客がいる場合、連絡を受けたらその場所へ迂回してくれる、弾力的な利用サービスをおこなうバスのことをいう。
5)コミュニティバス
地域住民の生活の足として、車両仕様、運賃、ダイヤ、バス停位置等を工夫しながら、地域住民の利便向上等のため一定地域内を運行するバスのことをいう。
(2)コミュニティバスの具体例
コミュニティバスの法的な定義ははっきりしないが、自動車運転免許を持たない高校生以下の年齢や高齢者等いわゆる交通弱者のモビリティーの確保を目的として、交通手段の乏しい地域で、福祉や住民サービスの一環として、ほとんどが自治体の運営・支援により運行されている。民間路線バスの肩代わりから観光施設巡り、過疎地域支援、福祉施設中心運行など、きめ細かな路線設定が可能だが、採算がとれないケースも多い。
1)市内循環型
交通不便地域の住民を対象にして運行されるものが多い。中心市街地や駅、病院、役所などと交通不便地域とを循環するものが多数。対象を限定することなく、誰でも乗車することが可能。運行はほぼ毎日されるものが多い。運行時間は朝から夕方までのものが多い。
2)シャトル型
特定の場所への住民の足を確保するために運行される。具体的には病院、団地、ショッピングセンターなど。運行は目的によって変動する。
3)代替型
利用客の減少によって廃止になったバス路線を、行政などが代替して運行するもの。利用者の多くは、自動車を運転できない高齢者、障害者、児童などである。運行の形態は様々であり、一概に定義付けできない。
4)ムーバス型
交通不便地域の住民を対象にして運行されるものが多い。中心市街地や駅、病院、役所などと交通不便地域とを循環するものが多数。行政がまちづくりの一環として策定する計画に盛り込まれるものもある。その際、住民の声を取り入れる場合が多い。運行は、時間の狭めてする場合が多い。運賃の多くは1乗車200円以内の水準である。
(3)その他のバスなど
1)福祉バス
福祉バスとは、いわゆる交通弱者等が、公共施設等の利用を通じ、見聞を広め、健康の増進を図るために設置された団体専用のマイクロバスをいう。
2)デマンドバス
利用者の需要に応じ、ある、定められた地域内における乗降車依頼に対し、車両基地に配備されている小型バスによる相乗り方式のサービスを行なうシステムをいう。地域特性にあわせ、迂回型、ピックアップ型、完全型などが考えられている。一般には、依頼後数分から30分以内に小型バスが家の前まで向かえにきて、降車はコミュニティ内の任意の場所で可能である。また、あらかじめ基本運行経路を定めておき乗降要求の発生状況によりバスの運行時間を調節するという方式もある。運行管理の目的は、車両の総運行コストを小さくすることと乗客の目的地点までの所用時間を短くすることである。
3)タウンモビリティー
「Mobility」とは「可動性」のことである。電動スクーター(三輪・四輪で時速6?以下)や電動車椅子等をショッピングセンター等の商業施設に設置し、障害・病気・ケガ・高齢などハンディキャップのある消費者の買物を支援することを指す。高齢者・障害者がショッピングを楽しむことができ、それにより高齢者・障害者の生活の空間が広がり、自立が促進され、また、町が賑わいを増し、地域コミュニティが形成されることである。商店街という単位で来街者のモビリティーを確保し、地域コミュニティを形成していく。
4)パーク・アンド・ライド
最寄り駅まで自動車でアクセスし、駅に近接した駐車場に駐車(パーク)し、公共交通機関(主に鉄道やバス)に乗って(ライド)勤務先まで通勤する方法のこと。クルマを使う時間が減るので、環境にやさしく、郊外で電車にのりかえるため、渋滞のイライラを感じることなく、時間どおりに目的地まで行くことができる。
(4)道路運送法について
1)一般乗合バス(4条バス):いわゆる「路線バス」。道路運送法第4条に基づいて乗合バス事業者が乗合バスを運行するもの。高速バスもこれに含まれる。
【関連条文】
道路運送法第三条 旅客自動車運送事業の種類は、次に掲げるものとする。
一 一般旅客自動車運送事業(特定旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業)
イ 一般乗合旅客自動車運送事業(路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客を運送する一般旅客自動車運送事業)(第一号ロ・ハ及び第二号は省略)
道路運送法第四条 一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
2 一般旅客自動車運送事業の許可は、一般旅客自動車運送事業の種別(前条第一号イからハまでに掲げる一般旅客自動車運送事業の別をいう。以下同じ。)について行う。
道路運送法第三条第一号イに定められているように、路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客を運送する一般旅客自動車運送事業のうち、バスを用いるものであって、同法第四条の許可を得た事業者を乗合バス事業者、あるいは路線バス事業者という。
2)自主代替バス(80条バス):廃止路線代替バスの形態の1つ。道路運送法第80条に基づいて市町村が自らの自家用バスを用いて乗合バスを運行するもの。
【関連条文】
道路運送法第八十条 自家用自動車は、有償で運送の用に供してはならない。ただし、災害のため緊急を要するとき、又は公共の福祉を確保するためにやむを得ない場合であって国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りではない。(第2項以下略)
自家用バスによる運行であるから使用される車両のナンバープレートは白ナンバーであり、運転手も2種免許を必要としない。市町村による自主運行であるが、運転業務や整備業務を運行ノウハウを持つ外部業者に委託する例も多い。
3)貸切代替バス(21条バス):廃止路線代替バスの形態の1つ。道路運送法第21条第2号に基づいて貸切バス事業者が乗合バスを運行するもの。
【関連条文】
道路運送法第二十一条 一般貸切旅客自動車運送事業者は、次の場合を除き、乗合旅客の運送をしてはならない。
一 災害の場合その他緊急を要するとき。
二 一般乗合旅客自動車輸送事業者によることが困難な場合において、国土交通大臣の許可を受けたとき。
この条文に基づいて市町村が貸切バス事業者のバスを借り切って乗合バスとして運行するものである。営業用バスによる運行であるから使用される車両のナンバープレートは緑ナンバーであり、運転手も2種免許を必要とする。
運行ノウハウをもつプロの事業者による運行であるため、自主代替バスに比べて市町村の負担が軽いという利点がある。
2.柳バスについて
(1)バス誕生の背景
岐阜は歴史の街、信長の街として400年以上も前は楽市楽座の斬新なまちづくりがなされていた。しかし、今はかえってそれが閉鎖的で狭いこと、曲がり角が多いことなどから車社会に追いついていないのが現状である。市内は街が古く、近年は柳ヶ瀬など街の中心にある繁華街への客が激減しているのが事実。今まで岐阜は、ずっと『鵜飼い』に頼りすぎてきたのもその一原因としてあげられる。また、繊維に頼ってきたのももう一つの原因だ。とにかく産業らしき産業が無いのが現状。15年程前から、新たな都市作りが進められたものの、現状は車社会の後追いになっている。そこで、岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会(森 賢二 元理事長)が商店街活性化策の一環として無料バス(柳バス)を繁華街へ走らせよう、ということになった。
(2)柳バス誕生〜現在まで
1)2002年1月から8月までの動き
岐阜市は、1月31日、バスの利便性を高めるための「オムニバスタウン計画」を発表した。バス離れに歯止めをかけるため、計画には新規需要の掘り起こしを狙う事業を盛り込んだ。新年度に国の指定を受ける見通しで、現在、浜松市、金沢市、静岡市など八市が指定されているが、東海三県の市町村では初の試みとなる。同市は七月にもオムニバスタウン推進協議会を設立する予定。1973(昭和48)年に約6300万人あった同市内のバス利用は、2001年度は2400百万人まで減少。特にこの5年間は平均約6%ずつ減少している。
県は、従来の発想を全く転換させた「コミバス作戦」(公共バス優先市街地活性化対策)を2003年度から推進する事を決定。市町村の公共バス事業に対し、道路特定財源から補助するもので、市町村にも、市町村配分の同財源の活用を呼びかける。将来的には、幹線バスと結節した公共バス中心の交通体系を目指していく。同作戦では、コミュニティバスは、交通の混雑解消、排ガスや騒音の減少、中心市街地の活性化などの効果があり、地域活性化、まちづくりに貢献すると定義。補助の財源には、すべて道路特定財源を充てる考え。具体的には、事業費に対して3分の1を上限に補助、ワンコインバス導入市町村に対しては、運行収入の8分の1を割増して補助する。バス更新は約3分の1、バスの駅整備は2分の1。現在、県内58市町村が、県の3分の1補助で自主運行バスを運営、本年度補助実績は約4億円。事業実施全市町村に補助する方針で、2003年度もほぼ同額を想定している。また、ワンコインバスの運営は9市町村が実施している。
2)2002年9月から2003年2月までの動き
岐阜市の繁華街・柳ケ瀬経由でJR岐阜駅、岐阜公園の各方面を回る無料買い物バスが9月28日から運行する。郊外の大型店に客足を奪われてきた地元商店街が、にぎわいを呼び戻そうと準備を進めてきたバリアフリー仕様の「柳(やな)バス」で、10:30から20:30まで走る。同バスは若宮町通り以南の柳ケ瀬・JR岐阜駅ルートと、若宮町通り以北の柳ケ瀬・岐阜公園ルートがあり、JR岐阜駅方面(停留所12カ所)は15分間隔、岐阜公園方面(同17カ所)は20分間隔で回る。無料バスの準備を進めてきたのは、岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会(森賢二理事長)。運行は岐阜乗合自動車(岐阜バス、同市神田町)に委託する。総事業費3000万円で、国、県が各1500万円、市が500万円補助する。JR岐阜駅方面には新造の20人乗り低床バス2台(車いす対応)、岐阜公園方面には39人乗り中型バスを投入。全て女性が運転する。
運行開始から3週間余りが過ぎ、乗客は3万5000人を突破。10月20日までの23日間で乗客は3万5198人に達した。内訳は、南回りが69%、北回りが31%だった。
乗客が12月7日、10万人を突破した。内訳は南回りが北回りの2倍強。乗客の1人は「柳バスは床が低くて乗りやすいので好き。運行が始まってからは、柳ケ瀬で買い物をすることが増えました」と話す。
3月1日からの有料化を前に、2月21日、岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会が買い物客に運賃を補助する柳バス利用券を配布する方針を固めた。柳商連によると、柳バス券1枚で運賃50円を補助する。約600の加盟店が柳商連から購入し、各加盟店の基準で顧客に配布。岐阜バスが券の利用分に応じて柳商連に請求する仕組み。1月13日までの106日間で計14万4500人が利用。南回りは北回りの約2.5倍の利用がある。3月1日から北回りの廃止を決め、南回りは存続するが、路線の一部を変更するとした。現行の運行時間(10:30から20:30)も短縮し18:30に運行を終える見通し。
3)2003年3月から現在までの動き
柳バスが3月1日より、100円均一料金のワンコインバスとして運行を始めた。2002年9月から無料で試験運行していた柳バスを、岐阜乗合自動車が引き継いだ。ワンコインバスは県内で初めて。同バスは新岐阜、柳ケ瀬を循環する一周3.2?の区間を、小型低床バスで運行。毎日10:30から18:30まで15分おきに走らせる。この日から岐阜公園方面の北回りルートは廃止された。
柳バスがワンコインバスになって1週間。2月末までの無料バスと比べて、乗客が4分の1程度にまで減ったことが3月8日分かった。3月から運行を引き継いだ岐阜バスによると、ワンコイン化をスタートさせた3月1日から7日の1週間の乗客は計1674人(1日平均239人)。岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会の委託を受けて無料運行を開始した昨年9月28日から1週間の乗客は計6657人おり、25.1%に減った。1日当たりの乗客は、平日は213人、土日曜日は305人にとどまった。 コースを一部変更し、運行終了時刻を2時間短縮した程度で、有料化が乗客減を招いたとみられる。当初、1日600人程度と見込んでいたが、目標を大幅に割り込んだ。
柳バスがワンコインバスになって1カ月。有料化に伴い乗客は減少したが、岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会が買い物客に配布を始めた運賃割引券が1000枚以上使われ、定着しつつあることが明らかになった。3月1日から31日の乗客は計8838人。1日平均は約285人で、営業時間が2時間短くなったこともあって、無料運行時の1日平均の29%にとどまった。柳商連加盟店が買い物額に応じて配る柳バス券は、同期間に1613枚が使用された。
(3)柳バス乗車人数からの分析
1)2002年9月から2003年2月まで(無料バス)
*南回り:運行本数41本/日。駅前から柳ケ瀬までを結ぶルートで運行し、約10分間隔で回ってくる。
駅と商店街沿いを走り、買い物客をターゲットとしている。歩いても15分程の距離を巡回。
*北回り:運行本数21本/日。柳ケ瀬から岐阜公園までを結ぶルートで運行し、約20分間隔で回ってくる。
市役所、大学病院、大仏殿、歴史博物館などの交通不便地域を巡回。
無料
月
H14.9月
10月
11月
12月
H15.1月
2月
合計
南回り
乗車人数
3,436
30,527
29,453
30,052
27,241
29,557
150,266
1便当り
27.9
24.0
23.9
23.6
21.4
25.7
23.8
北回り
乗車人数
1,493
13,227
12,867
9,367
9,141
9,414
55,509
1便当り
23.7
20.3
20.4
14.4
14.0
16.0
17.2
合計
乗車人数
4,929
43,754
42,320
39,419
36,382
38,971
205,775
1便当り
26.5
22.8
22.8
20.5
18.9
22.4
21.6
2)2003年3月から5月まで(ワンコインバス)
無料バスの南回りルートが走っていた駅と商店街沿いを、路線を変更して運行。柳ケ瀬での買い物客をターゲットとながらも、金華橋通り西側のオフィス街への利用を考慮している。
ワンコイン
月
H15.3月
4月
5月
合計
乗車人数
7,735
6,803
7,198
21,736
1便当り
7.6
6.9
7
7.2
3)分析
無料のときと比べて、ワンコインになってから乗車人数が激減しているが、運行ルートが南回り、北回りの2ルートだったものが、南回りのルートだけになってしまった事も関係していると思う。また、運行時間が2時間短縮されており、無料時は20:30までと、サラリーマンでも会社からの帰宅の際に使え、柳ケ瀬でちょっと食事をしてきても乗れたが、ワンコインになってから路線では、オフィス街を通るようになっているのに、運行時間が18:30までと通勤に使えない。もともと南ルートは駅から歩いていける距離で、若者は柳ケ瀬に行くのに交通機関を利用していく事はまずないが、無料なら…ということで、利用していた人が多くいたようだ。100円とは言え歩いていける距離のため、現在の利用は中高年の買い物客に限定されてしまっているように思う。