母恋し 父恋し 君恋し 初夢いまだ見ず もう一度寝返りをうつ
新世紀 体力保持に散歩に出た 空には飛行機雲がオレンジ色に輝いて 僕の進路を一直線
年越しそばも食べた おせちも食べた お餅も食べた 形だけのお正月が終わった
揺れて揺らされどこへ行く 吹かれ飛ばされどこへ行く 吐く息白いこの時期に
流れ流され夢忘れ社会の色に染められた 世紀の変わり目 そろそろフォーマットして夢探し
成人の日が早くなり 菜の花までもが早咲してる 急がず慌てず穏やかに
暖冬に 桜の花も顔を出す 左右見ながら 戸惑いながら
謙虚さ 思いやり 奥ゆかしさ 羞恥心 落としてきた心のかけら 朝日がまぶしい
冷たい雨に打たれる万両の赤い実 水浴びに来る鳥達の 心づくしの贈り物
E-mailの知人友人 手紙よりも若々しい言葉と柔らかさで風をくれる 嬉しくてキーボードを拭く
時代変動の響きとスピードを肌で感じる 若者よ 寒風の中でこそのチャレンジ精神を
上下 前後 左右にチャンスの胎動の音 耳を澄ませば聞こえてきます 夜明け前
大寒に 独り寝の布団は暖まらずに 身体丸めて寄る年波を知る
水がめの水に薄氷がはり 鉛色の空を写す すいれんも深い眠りの中
薄氷の上に ひらりと乗ってる山茶花の花びら 自然の造形人は及ばず しばし見とれる
昔仲間のメル友の輪が広がり 瞬時に青春時代にタイムスリップ 過ぎし日を偲びつトロイメライを聞く
土の匂いに囲まれて 虫食い野菜の収穫 腰を伸ばして夕空見れば 子連れカラスが家路を急ぐ
田舎家にて 暖炉の炎を見ながら詩作すれど 何も浮かばずノートパソコンと睨めっこ
携帯電話からもE-mailが届いた コミュニケーションツールの拡大に 孤独感が癒されていく
夜遅くネットサーフィンしてると キュイーンとE-mail受信の音 まだ温もりの残る言葉を開く
目を輝かせ 心ときめかせ IT時代の沸点の中 外は寒風乱れ風
フレーフレーシニアフレンド キーボードを打ち届くメッセージ 君の日常垣間見て その行動力に乾杯
透き通る夜空に細三日月 今夜のデイトはスペースシャトル 人目気にして雲隠れ
寒いけど 窓を開けよう 確かに春の風 確かに春の匂い カーテンさえもホワンと揺れる
眠りから覚めた虫達も 暖かな枯葉布団から あくびしながらオンヤレコオンヤレコと首を出す
窓際の日だまりから見る木々の芽吹き 病床の義兄に届けたしその生命力
花びらヒラリ 木の芽がポコン ぜんまいムクムク 小さな庭の小さな日常
幼鳥の 鳴く声いまだぎこちなく 親の後追い ほのぼのと見る
里山で 人知れず咲く白梅に 今年も会いに行ける幸せ
独り暮らしの強がりも 風邪で寝込んだだけで幻影と知る 外は北風
里山の白梅は 久しぶりの人の気配に 一段と白さを増し枝を伸ばす
屋根にポトンと木の実の落ちる音 コロコロコロコロ 落ちていく音 小鳥の落し物 もうひと眠り
春雨は 梅の花びらをお供に舞い落ちる 乾いた土はお礼に 次に咲く草花を育む
春先のうたた寝に勝るしあわせは無し BGMがだんだんフェードアウトしていく
近所の人達も年を重ねて 戦士の顔から優しい顔へ 子供達は巣立ち 庭に小鳥の巣箱を置く
昔 子供達の声で賑やかだった通りも 今は小鳥達の社交場 ランドセルのあの子は いずこへ
部屋の奥まで届いていた陽射しが 日に日に短くなっていく 今日は窓際で新聞を読む
母の割烹着姿をもう一度みたいな 父の黒いオーバーコート姿をもう一度みたいな
父さん母さん 僕は今でも子供のままです もう一度手をつないで歩きたいです
寒さと暖かさのはざ間で戸惑うコデマリと沈丁花 自然の掟 四季の掟
この瞬間に 地球を飛び交う無数のE-mail キューピットも大忙し さびしさ宅急便も大忙し
