

笹舟を作って小川に流しに行こう 遥か昔の僕に逢いに あの頃の目の輝きを見つけに
急に秋の風になった 急に秋の月になった 急に秋の星になった 時は急ぎ足
川面に写るいわし雲 川辺の景色も枯葉色 マラソン人 一人
交差点で待つ人々 無表情の中にある 悲喜こもごも 心の交差点
落ちてきそうな大きな満月 車を止めてしばし見つめる 街の騒音も息をひそめる
季節外れの桜が咲いたとのニュース 恥ずかしそうな桜色 霜が降りれば寒かろう
時はノックもしないで わずかな若さを連れて行く 有無を言わさず つむじ風を残して
路地裏を歩いていると 懐かしい団欒と夕餉の匂い 帰りに魚屋さんに寄る事にしょう
芝刈機の突進 バッタの親子の通せんぼ 子供をおぶってゆっくりお通り
裸足で芝庭を歩いてみた 信じがたい心地良さで 地から天空へと身体の中を 逆稲妻が走った
芝庭をくるくる一人で踊っていたら カラスがあきれて 鳴いている
少年がボール蹴りに来た 裸足をすすめたら 喜んでごろごろと転がっている 何故か僕も嬉しくなった
枯葉を履く バッタが飛ぶ カマキリが身構える くもの巣の雨つゆが光る 至福の時
カマキリの すばやい狩に見とれて 時がゆく
柿の木に残った柿の実 鳥にも食べてもらえず寂しそう 大丈夫 風景の主役です
いつも我が庭に狩に来るモズ鳥 常に一匹で 孤高の勇者の面影を持ち
落ち葉たき 慌てて蛙が顔を出す 起こしてごめんなさい
透き通るような秋の夜空 夜間飛行の旅客機 窓の人影見えるほど
しし座流星群 願い事が多い人のための 天体ショーです
秋の月 今日は脇役 流星群
木枯らし一番 一人暮らしには つらい季節のオープニングセレモニー
隣から聞こえるピアノレッスン 日々滑らかな音色へと こちらのビールも量を増し
小窓の障子に 山茶花の緋赤が朝日に写る季節 シャラの木がひっそり葉を落とす
宇宙に果てしが無いように 思いも果てしが無い事を 教えてくれた流星一つ
いつも歩く川沿いの小道 今日はお供に昼の月
近くに後ろ足を痛めて使えない犬がいる 人に優しくされているが 申し訳なさそうな顔をして それが悲しい
2足の犬のペースで散歩してる心優しき人 そこだけ空気が暖かい お日様のスポットライト
犬の名はチビ十一歳 今日もゆっくり話をした 一人の僕の話し相手
誰もいない公園 紅葉 鳥の声 一人占めして缶コーヒーを飲む
コーヒー飲みつつ空見れば 空もぜ〜んぶ もみじ色
冷たい秋雨が降る静かな夜 テレビでは賑やかにクリスマスデコレーション
畑の白菜とブロッコリー 20日ぶりのご対面 大きくなってお出迎え 構わぬ主に親孝行
冷気と強風の後の星空はすぐ手が届きそう まるで美しさを競っているような みんなみんな一番です
北国から雪が降ったとメールが届いた 雪の記憶をたどって言葉をつむいでみよう
見上げれば 僕をめがけて 雪が来る
雪の味 少年時代の 僕になり
雪の結晶 形を見たいと手のひら出せば 落ちてはとける 落ちてはとける
雪の中 走る愛犬 とも白髪
クリスマスって 幸せな人と寂しい人と どちらが多いのだろう 光の中の人々を見て ふと思う
イルミネーションが似合う街だとは思わないけれど とりあえず メリークリスマス
1999年の後姿も小さくなってきた さて 僕もゆっくり 重いよろいを落としていこう
久しぶりにショーウインドーに写る自分を見た 背筋を伸ばし笑顔を作った 父に似てきたなと思う
気に入ったメガネを見つけ衝動買いをした こんな事で嬉しくなる自分がまだ居たなんて
シャンシャンシャンシャンシャン トナカイの鈴の音は 心澄ませば聞こえるそうです
星空を走るトナカイを 誰か見ませんか? 流星群を避けて遅れているようなのです
暗い世相の中 身構えるしかない師走の人々に 冬の月も雲の中
年賀状を書いてると 昔のままの友人が 昔のままのふる里が見える 年末恒例 僕の映画館
犬のチビが 灯油売りのスピーカーに遠吠えしている 元気で年を越せそうだ 風邪ひくな
暖炉の火は 厳しい師走のあったかカイロ 身体の芯までほっかほか
ウイスキーの量が増え 今年を振り返った 前向きに取り組んだ自分に合格点をつけようと思う
窓から差し込む冬の太陽 優しく僕を包む 太陽の手のひらを ほほに感じた
