ここサクラメントから車で三十分程のところにペンリンという静かな町があります。
その静かな町に明澄庵というお茶室があって、そのひっそりとしたたたずまいにも、
八年という歳月が過ぎ去ろうとしています。
岩や丘に囲まれたこのお茶室には三つのお部屋があり、立礼、四畳半台め、八畳の間で
毎年、色々なお点前のお茶会が催されています。
裏には日本庭園もきれいに手入れされ所々に苔むした岩や傾斜地も見られます。
去年からは、お茶室への出入り口門で、枝垂れ桜も見られるようになりました。
私がお茶を始めたきっかけは、一つには母が基本的なお茶の道具をくれていたこと、
二つ目には meditation 或いは精神統一の場を自分で求めていたことに気がついたこと、
三つ目にはお友達が紹介してくれたこのお茶室に座っていると自分の心が
自然と落ち着いて行くのを感じたことなどです。
一日の疲れや、あくせくした仕事場での呼吸の乱れを整えることを、
このお茶室でお茶を点てることによって学びました。
疲れている日でもお茶を終えて帰るころには、すでに心もからだも軽く、
暗くなったフリーウェイを気持ちよく飛ばして家路を急ぐのです。
日本にいた時はお茶の「お」の字も知らなかったこの私が、
今お茶を習っているなどと昔のお友達が聞いたらさぞびっくりする事でしょう。
お茶を全然知らなかったので、先ずはお客様になって、
お手本をじっくり観察させて頂きました。
先ずは「客の心得」から......
客の心得