初体験!教育実習〜小1編〜

★実習前の不安★
 6月14日。ついに初めての教育実習が始まりました。2年の時に観察実習には行ったんですが、長期間一クラスにいる実習はこれが初めてです。実は観察実習の1週間は移動、観察(1時間立ちっぱなしがほとんど)で疲れ、生徒ともほとんど触れ合えませんでした。
 だもんで今回の小学校実習、先輩たちは「めっちゃ楽しいよー。しかも小学校1年やったらなおさらやー。」と言ってたのですが、1週間もつかな・・・・・しかも授業するし・・・・・と、不安を抱えての始まりでした。

★自己紹介★
 ついに学校到着。この瞬間から、私は大学生ではなく先生として過ごすのです。教室に入ると、ものすご小さい小学生たちがパタパタ動き回っていました。みんなそわそわと、うしろにいる実習生たちの様子をうかがっているようでした。
 1時間目。この時間は実習生の紹介です。実はこの時間の自己紹介で子どもの心をつかんでしまおうと、けっこう前から自己紹介を考えていました。他の実習生のもいろいろ考えて自己紹介してます。子どもたちも笑ってる。私は6人の実習生のトリでした。
「こんにちワン!(右手で犬のマネ)・・・おっと間違えました。おはようございます。」
・・・子どもたち、シーンとしてました。
(はああ・・・どうしよ〜〜〜!)
「じゃあ先生、クイズを出しますよ!これは、なんの動物かな〜???」
と、体でいかにも象やろ〜っていうジェスチャーをしてみせました。すると、、子どもたちも当然、「象だー!」って口々に言ってました。しかーし、
「(象の鼻に見せかけた手先を犬にして)ワン!!答えは犬でした〜。」
・・・・ここでドッカン来る予定だったのですが・・・・・。
 子どものつぼと大人のつぼは違うと、はっきりわかった瞬間でした。
 その後、子どもたちも一人ずつ自己紹介してくれました。一生懸命言ってて、ほんとは笑っちゃいけないんだけど大人にない感性の子どもたちは私のつぼでした。
★クラスの様子(授業中)★
 担任の先生(以下K先生としましょう)は授業中もしっかり子どもたちを見てて、やってはいけないことはきちんと注意していきます。これが当たり前なんでしょうけど、最近人から注意されることなんかめったにない私は最初、「えー、厳しすぎるやろー。」とか思っていました。
 よくよく考えると、子どもたちは幼稚園や保育園を卒園してまだ2ヶ月ちょいなわけで、人格形成のこの大事な時期だからこそ厳しくなるのも当然かな〜。でも先生はいいところもきちんと見つけてみんなの前でほめてあげてました。思えば自分も先生にほめてもらいたくて、「先生見て〜」ってがんばってたもんな。
 子どもたちは発表も一生懸命、分からないことも質問してすんごい積極的。最初不安だった私も、子どもたちの元気に負けてらんねえ…と、少しやる気になってきました。
★クラスの様子(休憩時間)★
 長い休み時間になると、子どもの大半はいっせいに外に出ます。
 実習生は引っ張りだこであっという間に運動場に連れて行かれます。もちろん子どもに。「鬼ごっこしよー!」「こおり鬼がいいー!」と、もっぱら鬼ごっこが人気。
 1日目、どの遊びにするか決める時、ある子にわき腹をこそばされたんです。だもんでこそばし返したら、そこにいた子どもたちみんな、私にこそばされると思ったのか逃げ出したんです!ここから
「こしょこしょ鬼」なるものが誕生してしまいました!!!
 ルールは簡単!こしょこしょされたら鬼、しかえしたら鬼でなくなる。でも私はずっと鬼。子どもってめちゃくちゃすばしっこい!しかも人数多いからみんな平等にたっちしようと思ったらめちゃ走らないかん。初日、子どもを追いかけてて水溜りのかわきかけたところでずっころんでしまいました!しかも2回も…
 雨上がりで先生が「みんなー今日は運動場の真ん中の方で走らないように!」って注意してたのに、実習の先生が…ねえ。ころんだらみんな私の手を引っ張って「先生こっちー!」って楽しそうに水道まで案内してくれました。
 その日の帰りの会、子どもたちの発表で
「先生がすってんころりんして、面白かったです!」って2,3人に言われて恥ずかしかった〜。
 休み時間の鬼ごっこが体力的にきつくて、3日目以降はかくれんぼとか相撲とかに強引に遊びをもっていって体力をセーブしてた。悪い実習生。まあ雨の日が多かったから救われたかも。
 教室では腕相撲・指相撲、「たてたてよこよこ丸かいてちょん」のじゃんけん遊びなんかをしてたかな。とっとこハム太郎の絵を書いたり、私らに国語の本読みを披露してくれたりも。とにかく子どもたちはなんかして動いてました。私たちを休ませてくれません。
★生まれて初めての授業(準備編)★
 さて、子どもを観察してばっかりじゃないです。授業もやりましたよ。
 小学校実習ではどの教科をやってもよかったんですが、私は教数らしく算数を選択しました。内容は『大きさくらべ』。その中でも『長さくらべ』の2/3時間目を担当することに。
 この授業は、直接比較できないものを仲介物を用いて間接比較ができることを理解することが目的です。わかりにくいかな。これはまあこれからの話で理解してください。
 直接比較できないものはなんだろう…って考えたんです。先生が見せてくれた例の指導案では、本の縦と横の長さを比較してました。なるほど。確かに直接比較はできない。けど、ネタ好きの私は本では面白みがないと思ったのです。そこで思いついたのが、写真なんです。先生の面白写真が欲しい!!
 その時、K先生が「僕が授業で協力できることならなんでもやりますよ。」とおっしゃったのでばっちし先生の面白写真を撮らせていただきました。爆笑を確信しました。(お見せできないことが残念!!!)
 指導教官の先生は担任の先生とは違う先生でしたが、指導案はあっさり通りました。指導教官の先生(以下A先生)は事前の指導は重視しない方でした。だもんでこのやりかたでいいのかなあ…といろいろ不安でした。
 授業は4日目だったのですが、3日目の放課後はK先生、クラスの実習生のみんなに外が暗くなっても準備を手伝ってもらいました。数メートルある紙テープを100本くらい手でくるくる巻いていったんです…。巻きながら先生が子どもの前とは違う一面を見せてくれたり。みんな疲れてたのに本当にありがとう。
 日曜日には教数のみんなで模擬授業をやって、ああだこうだと手直ししていったんです。
★生まれて初めての授業(本番編)★
指導案だけでは不安だったので、細案も作って本番に臨みました。あの緊張感は、高校で演劇の本番の舞台に上がるのと同じでした。直前まではすごい緊張でしたが、いざ舞台に立つともう夢中で緊張も忘れちゃう。
 生まれて初めての授業。生まれて初めての自分の生徒たち。
 教卓の前に立つと、自分は今先生なんだ、私は、先生!と、「ガラスの仮面」の北島マヤっぽくなっていました。こんなこと考えれるくらいだから、まだ余裕があったのかもね。
 授業は一見順調そうに見えましたが、やっぱり予想もつかない発表が飛び出しました。
「鉛筆一本だけ使って写真の縦と横の長さを比べるにはどうしたらいいかな〜?」
 この問いかけに、
「えんぴつを、もって、ういんくして、みたらよこがながくみえます!!!」(こんなん→)
っていう答えが出て、
「うわ〜どう答えよ〜〜〜〜!!!」ってあせったのを憶えてます。
 でも今冷静になって考えると、子どもの発想って面白いですよ〜。ああいう感性って年を経るごとになくなっているんでしょうね。すごい。
 そうこうするうち授業は流れ、教えるべきことも教えられ、いよいよ紙テープを用いた
個人作業の時間になりました。
子どもたちは紙テープに興味津々!思い思いにいろんなものの長さを調べてました。本当は他の実習生にも手伝ってもらうことになっていたのに、みんな動いてくれません。
 そうこうするうちに子どもらが
「せんせー!テープが足らなくなったのでくださーい!」
「せんせー、黒板の長さをはかるの手伝ってー!」
「せんせー、頭のまわりのながさをしらべたよー!」
と、わさわさ寄ってきて、かなりてんやわんや!!みんな助けてーーー!!

 あとから聞いた話、A先生が他の実習生たちが動こうとした時、わざと動かないで見てろと言ったらしい。
「ほ〜ら見てごらん。子どもが次第に先生の所に寄ってってるやろう・・・・・」
 先生〜いけず〜。でもこうやって無言で教えてくれてたわけやね。まあなんとか時間ぴったしに終了することができました。まずまず。
 批評会では細かい所をいろいろ指導してもらいましたが、致命的なことは何も言われなかったから、初めてにしてはよかったんではないでしょうか。ちなみに写真大作戦は大成功。こどもの食いつき具合がすごかったですね。
 しかし、あのクラスだからうまくいったんだと思ってます。K先生の日ごろの指導がしっかりしてるおかげです。

指導案だよ(でかい)











★先生という存在★
 こんなことがありました。
 昼から大雨で、子どもたちは残って遊ばず一斉下校することになったんです。大半の子どもは路面電車で帰るんですが、K先生は全員が電車に乗るまで、濡れながら電停で子どもを守ってるんです。私たちは何かお手伝いできないかとついて行ったんですが、逆に交通の邪魔になりそうで歩道からその様子を見てるだけでした。
 しかし電停では順番を守らない中学生・高校生が次々と割り込んできて、我先にと電車に乗って行くんです。K先生はそんな学生たちを注意したり、子どもが事故に遭わないようにずっとつきっきりで電車を待ってたんです。
 その後のクラスの反省会で先生は中・高生たちやその学生に注意もしない中高の先生たちに憤慨してました。
「僕たちは子どもの命を預かっているんです。」
 そんなK先生の言葉を聞いて、ああ、先生っていう存在って親と同じくらい重要なんだって思いました。
 家でしつけされてないから学校がきちんとしてやらなきゃいけないんだ、とも言ってましたし、実際親より先生と過ごす時間が長い子もいるんだろうし、先生も一日中子どものことを考えてる。子どもとの信頼関係がないと話にならないけど、信頼関係があるから子どもたちも安心していられる。それだけ先生の責任は大きいし、存在は重要なんだ。先生はそれなりの覚悟がないとなっちゃだめだ・・・・と実感させられるできごとでした。
 K先生は子どもの前では厳しい中の優しさっていう感じなんですが、実習生の前では普通の人間に戻るんです。普通に愚痴とか言いますしね。「ねえ、1ヶ月だけ僕と君らの立場を変えようよ。給料全部あげるからさー。」とかしょっちゅう言ってました。先生が実習生だったときの話、家族の話、子どもたちの話、教育の話・・・・・無気力そうな顔で静かな語り口調、ブラックを飲みながら本音を話すK先生は、プロの先生なんです。
★充実の日々★
 総合の授業、1年生全員で「なかよしあそび」。懐かしい歌遊びではうちのK先生が「僕はいいですよ〜」と言いながら、「アブラハム」を壇上で熱演!子どももそうですが実習生にばかうけでした。普段とのギャップが激しすぎるぅー!
 昼ご飯の時間ではみんな好き嫌いが多かったけど、一生懸命食べようと努力してました。この時間にみんな「せんせい、あのね…」っていろいろお話してくれるんです。「せんせー見て!全部食べたよ〜!」って皿を見せてくれるんですよ。ほんとにかわいい♪K先生はさっさと食べてみんなの様子を見て回り、進んでない子にいろいろ言ったり食べさせたりしてました。先生は子どもと楽しむ暇もないのか…と思いつつ、こういう指導を楽しんでいるようにも見えました。
 しかし毎日が事件で、誰も泣かない日はないし、ハプニングを通してみんな一つずつ大きくなっているようでした。
 なーんか他にもいっぱいいろんなことがあったけど、いっぱいありすぎて・・・・・・・・。
 徐々に他の実習生の授業も進み、とうとう最終日前日となりました。私たち実習生はクラスのみんな一人一人に手紙を書くことにしました。なんせ40人全員ですし、中にはあまりお話できなかった子もいたんで、私は全員に同じ文章を書きました。40回書いたんでまだ覚えてます。ちょっと、ぱくりですけどね。

     きょうは  きのうのかなしみも  あすへのふあんも
     すべてしまって  うえみてわらっていこうよ!
     きょうと  いうひを  たいせつに  これから
     まいにちを  すばらしいひに  してね。
     いっしゅうかん  たのしかったよ。  ありがとう。
★お別れの時★
 最後の日。もう最後なんだと思い、教室の風景をかみしめる思いで実習に臨みました。
 子どもたちがプールに行ってる間、実習生は自習なんで、その間にお別れ会で披露する歌の練習や花の注文をしたりしました。その時、実習生6人であんなことがあったね、とか、あの子はこういうのがすごいよねとか、この1週間をしみじみ振り返りました。
 そしてついに帰りの会。チャンスを見計らって私たち6人は子どもたちの前に立ちました。実習生一人ずつ、子どもたちにあいさつをしていくました。一人ずつ、噛み締めるように子どもたちにあいさつしていきます。この間にも私の頭の中では1週間の様々な思い出が蘇って、涙を止めようにも止まりませんでした。
 私の番。涙で言葉につまりながらこんな事を言ったのを覚えてます。「みんなは、私が初めて受け持った生徒でした。一週間ありがとう。」
 そして『森のくまさん』の替え歌を6人で歌いました。内容はクラスのみんなと私たちの1週間を振り返ったものですが、急いで考えた歌詞でけっこうお粗末な内容なので、歌詞は割愛!その後、一人ずつに手紙を渡していきました。私の書いた文章は小学1年生には少々難しかったかも知れません。でも大きくなってから、ああこんな先生もいたなって思い出すと同時に文章の意味をわかってくれればいいと思ってます。こちらから最後に花束と、K先生に色紙を贈りました。K先生は3日前誕生日だったんで、みんなでHappy Birthdayを歌いました!先生がTO YOU〜のところを TO ME〜と歌っていたのがまた実習生にばかうけでした。
 子どもたちからはみんなが書いた手紙の入った封筒をもらいました。涙を必死でこらえている子もいました。また涙が出そうでしたが、笑顔でいようと思って必死にこらえました。K先生は子どもたちに「別れってのは大切なんだよ!別れがないと人間は大きくなれないんだよ。」と言いました。
 最後のあいさつをして、子どもたちといつまでもお話したり遊んだりしました。

     最後にみんなで「1たす1はーにぃ〜!!!」        実習お疲れ様でした!最高の思い出です!!
 子どもたちが帰った後、K先生と1週間の総括をしました。「明日からはみなさんがいなくなって生徒も私も気が抜けるでしょう。」とおっしゃり、今の小学校の現状やご自身の経験談、これからのこのクラスについていろいろ話してくださいました。そして静かな口調で何度か「今のうちに遊んでください。二度とこんな時間は帰ってこないよ。私は何度か君たちに『立場を変えようか』なんて言ってるけど、自分の学生時代を後悔してないです。」っておっしゃったのが印象的でした。
 「教師という仕事は向き不向きとかじゃなく、なった以上は向くようにしないといけない。それがプロなんです。」K先生には本当に頭が上がらないです。ご自身の時間を削ってでも「みんなが勉強になるんだったら時間をおしまない」と、いつも遅くまで残ってくださって私たちの授業の準備につきあってくれました。そして様々なことを無知な私たちに教えてくれました。ありがとうございました。
 その日の放課後、実習生たちでクラスに掲示できるものを作ったり、黒板にメッセージを残したりするのにも先生は残って見守っててくれたのでした。最後の最後までありがとうございました。実習生のみんなもお疲れ様!
 2日後、実習生とK先生とで打ち上げと称して飲みに行きました。先生は弱い弱いと言いながらどんどん飲んでいき、おかしなキャラに大変身してました。
★その後★
 実習が終わって10日以上たちました。子どもたちは元気かなぁ。
 実習が終わってからの日々はあっという間に過ぎていく感じがします。それだけ実習の1週間は濃くて充実していたんです。
 実習中は「先生になりたいなんて簡単に言うもんじゃないよ。」って思う時もありました。先生って責任が大きいし、ましてや担任になろうもんなら命を削ってでも子どもを守らなくちゃいけないんだって何度も思いました。でも、それだけやりがいあるし、日々充実してると思うんです。
 今回の実習を通して、絶対先生になりたい!という気持ちにもなりましたが、教育の現場をもっと知りたい、先生という仕事に情熱を持ち続けたいって思いました。
 これは教数のある先輩からのうけうりなんですが、『絶対先生になりたい!』っていうのと『熱意を持って先生をしたい』っていうのは違うらしいんです。肩に力を入れて『先生になりたい!』と思って先生になっても、理想ばかりが先行してしんどくなるんですって。じゃなくて、どんな形であれ、先生になってしまえば『熱意だけは誰にも負けない!』っていう気持ちでやるのが、一番しんどくなく自分のペースを保っていけるらしい。つまり、「先生になりたい!」ってばかり言っててもだめってことなんだって。
 今回は小学校だったんですが、教育の原点とも言うべき1年生と1週間過ごせたことを幸せに思ってます。初めて教師になりたいと思ったときの、あの、熱い思いを思い出せました。この1週間のことは教師になってもずっと忘れないでしょう。そしていつか自分が教師になり、行き詰まったりした時は、実習のことを思い出して自分に喝をいれていきたいです。
 来年は本実習。自分らしく一所懸命生きてやる!最後まで読んでくださってありがとうございました。終わり★