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●山中温泉・ビンボマガジン 40特集・能登半島地震 |
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能登のお酒を求め、地元の酒店を回りました。普段は地酒の「松浦酒造」さんだけですが、今回始めて能登のお酒を探しに。ありました。辻酒販さんで白菊・純米吟醸四合瓶が1995円。そして今はこのお酒を戴きながら、ブログを書いています。上品な甘さがあって口当たりがよく、半分ほど飲んでしまいました。同じ石川県の片隅で、ひっそりと「頑張らないでも良い、無理しないでいい、遠くから気にかけているだけなんだが・・」と呟きながら、こんなこと以外、何も出来ないけど、こんなことから始めたら? と教えて頂いた方に乾杯。
(地域づくりコーディネーター akasujiro さんのウェブサイトより)
震源に近い人たちからの話が次々入ってきます。本当にひどい状態の人々は語ることもできないでしょう。それでも、希望の光が差す話に救われる気がします。「古い木造家屋が多い割に、倒壊は少なかった。全壊、半壊した家屋でも悲惨な生埋めなどケースは皆無・・」 死傷者が最小限にとどまっているのは、単に人口が少ないという理由からだけではないようです。
輪島では全壊した家屋は空家が多い、という話を耳にしました。奇妙なことに、山中温泉でも損壊家屋は空家でした。手入れがなされていないから当然、と言ってしまえばそれまでしょう。しかしながら、我家のように老朽化が著しいとはいえ、人気(ひとけ)のある家屋は申し合わせたように無傷なのです。
この土地の建築は災害時に家人を守り、長く人が住みつくことで自ずと耐久性が増すよう設計されているのかもしれない、ふとそんな気がしました。それは長い歴史の中で培われた、先人の知恵が凝縮されているのではないでしょうか。いや、ことによると家には守り神が同居しているのかもしれません。
それに対し、山中温泉では近代洋風建築の系譜を引く公共施設に被害が続出しています。なに言ってんだ。あそこにも人は住んでいたぞ。と反論されそうですが、待てよ、それは管理者と言って家人とは別じゃないのかな。家人には守り神もが同居するけど、管理人には悪霊がお似合い、なんて。そうだ、体育館や温泉支所のガラスが割れたり天井ボードが落ちたりしたのは、ポルターガイストのせいだったんだ・・ なんてウソウソ、と守り神の横にいる貧乏神に目くばせです。
山中温泉には能登方面の出身者が多くいらっしゃいます。とりわけ、能登地方から嫁いでこられた女性は「瀬戸の花嫁」に習い「ノトの花嫁」とたてまつられています。
「能登はやさしや土までも」と言われるとおり、この地方の人々は優しくて実直なうえ思いやりがあり、その反面辛抱強く、働き者で、根性が座っています。能登から嫁を迎えた家は必ずと言っていいほど栄えました。そこで「ヨメを貰うなら能登から」と山中では古くから言い伝えられているのです。(※といっても、他の地域、とりわけ地元女性が嫁としてひけをとる、と言う訳ではありません)
それに対し、私のような山中人間は、「ぐうたらでいい加減。ハッタリと他人の揚足取りは一人前だが、自分本位でやる気も根性も無く、他人に迷惑をかけるなんざ屁のカッパ」が持味です。今更解説するまでもなく、このBINBO Magazineを見ればよく分かるでしょう。
すなわち、内助外助の功で山中温泉の繁栄を築いてきたのは、「ノトの花嫁」たちなのです。(※といっても、他の地域、とりわけ地元女性が足を引っ張ってきた、と言う訳ではありません) 今回の地震では旧門前町、輪島市駅前など、奥能登を中心に甚大な被害が伝えられていますが、持前の気力できっと立直ってくれるものと信じています。
ちなみに私のヨメハンが能登の女性だったら今頃は・・(※くどいようだが、私が没落したのはヨメが地元出身だったからで、まして後悔しているという訳では・・ あ、いつの間にうしろにいたんだ。ぼ、暴力はヨクナイ。は、話せば分かる。う、うぐっ!)
亡くなった方はじめ、被災者の方々には心からお見舞いを申し上げたい気持ちです。しかし、私は地震発生直後、素人ながら被害はもっと広範囲に及ぶだろう、と考えていました。震度6強の昔で言う「烈震」で、阪神淡路大震災や中越地震に及ぼうかという規模です。阪神淡路大震災では5000人以上の命が失われ、奇跡的に被害が少なかった中越地震ですら、67名が犠牲になっています。今回は死者1名(3月26日現在)と最小限度で、しかも火災発生はゼロでした。(石川県庁のデータによる) 不謹慎な言い方をすれば「とっさに阿鼻叫喚の地獄絵巻をイメージした報道局にとって、やや期待はずれの展開」だったかもしれません。
先ほどまで弊店を訪れていたお客様は震度6強地域の出身でしたが、幸い実家や親戚・友人に甚大な被害は無かった、とのことです。私のボロ店舗など「10人も階上に上がれば天上が抜けるんじゃ・・」と公務員から冷笑され、弱震でも潰れてしまうのでは・・と案じていましたが、私に限らず、山中温泉の古い民家でも目立った被害はありませんでした。
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今回の地震では健民体育館の窓ガラスと天井の一部が損壊。この程度の揺れで? と、やや意外な気がした。地元CATVのビデオジャーナリストG氏が精力的に取材に取組んでいる。G氏は別の取材で、カメラを回している最中に地震の揺れに遭遇した。
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最初の小さな揺れは、やがて大きな揺れに切替わり、さらに大きくなってかなり長く続きました。これまでの経験からは一、ニを争う規模ですが、そのうち収束しました。棚からモノが落ちることも無く、座りの悪い花瓶も倒れませんでした。初期微動は(今でもこの言葉は使うのでしょうか)10秒前後でしたから、「震源は遠いだろうから、これ以上ひどく揺れないだろう」というより正確には「揺れないでくれ」というのが咄嗟に浮かびました。逆に震源付近はかなりひどかったでしょう。これまでの経緯から震源は福井県の大野あたりか、あるいは岐阜の県境あたり・・と勝手に思い込みました。
すぐにテレビをつけました。NHKでは地震からわずか2分程度で「日曜討論」を打ち切り、速報が流されました。第一報は「気象庁による津波警報発令」でした。なんと能登・加賀沿岸にマークがあって「あれれ?」と意外な感じでした。すぐに地震情報が流れ、「能登の一部では震度6強」に、ただびっくりです。
ふつうなら慌てふためき、マスコミ同様、軽挙妄動に走るこの私ですが、比較的冷静にいられたのはなんといっても「山中温泉ジオツアー」のお陰です。「石川県は地震が少なくて良いですね」と私が言ったところ、辻森博士は次のように答えていました。「それは単なる僥倖というか、偶然というべきでしょう。地震頻発地域に比べ特にプレートが安定している訳ではないですから。石川県、特に山中は地盤が固くて安全、などという話をよく耳にしますが、地質学的にはまったく根拠がありません。むしろ、近いうちに地震が起こるような気がします」その理由として、「加賀山中地域の地層もけっこうグジャグジャですからね。大体温泉が出る、とうのは地殻の活発な活動を意味していることにもなるんですから」と付け加えていました。今回まさに辻森氏の予言が的中することになった訳です。
その後、時間がたつにつれ、被害の状況が次第に詳らかになってきました。死傷者の状況、家屋の倒壊などが伝えられています。これ以上被害が拡大しないよう、祈るばかりです。
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※各タイトルは正式・公式名称ではなく、分かりやすいように適宜改題。
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