ピィィィィ…
ゴールのホイッスルが鳴り響く…
「くぁー、やっぱマナはつえーなー」
サッカー部員の一人、大林が空に嘆く
「へへへ…」
眞奈は得意げに微笑む
ここはみなも中学校のサッカー部練習場だ
いま、みなも中のサッカー部員同士で練習試合をやっている。
マナは本名藤野真奈美(ふじのまなみ)。中学校2年2組愛称は「マナ」である。
マナは小学校の頃から男子に囲まれサッカーをやって来た。そこで培った経験は伊達ではなく。中学校にはいってもマナよりもサッカーがうまい1年の男子はそう多くはなかった。
「もったいねーよなー」
部員の誰かが呟く…
「あんなにうめーのにレギュラーになれないなんて…」
マナは悲しげにうつむく
みなも中学校に女子サッカー部はない、中学校にも入ってサッカーをやる女子はそういないだろうという学校の考えからだ。
「うん…でもぼくはサッカーが中学校にもはいってできるだけで幸せなんだからいいんだ。」
「ぼく」とはマナのことである。マナは自分が女である事が悔しいらしく、自分をなんとか男に仕上げようとして「ぼく」とよんでいるのだ。
マナの努力はそれだけではない。髪はショートカット。下品な事も平気でいう。自分がかわいいと周りから言われていることを受け入れない。男はかわいくあってはいけないのだ…
しかしどれだけ努力をしても胸だけは別物だった。どんなに努力をしたってこれだけは隠せない。
ブラジャーというものをつけるのはなんだか女っぽくって嫌いだ。
そういう思いでマナはシャツをずっと来ていた。
「お願いです。監督。僕をレギュラーとして大会に出させてください!」
必死の思いで監督に頼むも、答えは毎回「NO」だった…
そんなある日
「あ、マナせんぱーい、コーチが呼んでましたよー」
放課後、帰り際にサッカー部の後輩が話し掛けてきた
「え?コーチが?」
「あぁ、なんか部室にこいって。」
(なんだろう…)とは思いつつもコーチが呼んでるとあっていかないわけにはない。マナはとぼとぼと体育館裏、右奥のほうにむかって一人で歩いていった。
「コーチぃ?はいりますよー」
部室のドアをあける。
「おぉ、来たかー」
狭い部室のなかに3年生でコーチ兼キャプテン大林要(おおばやしかなめ)がひとりでいた。
「お前をここに呼んだのはな」
妙ににやついた表情で要がいう
「お前をレギュラーにしてやりたいと思うんだ」
「え?!」
マナは心臓が破裂するぐらいドキドキした。
「本当…ですか?」
「あぁ。コーチ兼キャプテンの俺が言えばあの監督でもハイというしかないだろう」
「あ、ありがとうございま…」
マナがそういいかけた時
「でも条件がある」
「はい、レギュラーになれるんだったらなんでもいいです」
マナは嬉しさの余りこんな事を口走ってしまった
「何でも?」
要の顔がさらににやつく
(…え…?)
マナは一瞬やな予感がした。そしてそれは的中してしまった。
「俺と ヤるっていう条件だ」
マナはカラダが氷ついた
2話へ続く