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疫学・生物統計学 練習問題 解答
1-1 データ要約指標としてのSDとSE
SD:標本標準偏差…標本平均値からの標本(データ)のバラツキを示す指標。
各標本と標本平均値の差の2乗を平均して平方根とったもの
SE:標準誤差…母標準偏差の推定値のこと。標本平均標準偏差を使うことが多い
1-2 2×2表のtestとFisher’s exact test
2×2表の
検定
2×2分割表から値を求めて、その
値が自由度1の分布に従うことを利用した検定法
フィッシャーの直接確率計算法
2項目が独立であるという仮説の下で、偶然その分割表ができる確率を求める検定法
1-3 検査のaccuracyとprecision
正確さ…バイアスによる真値からのズレの小ささ。系統的誤差が小さい事
精密さ…誤差的バラツキの小ささ
1-4 検査のpositive-predicitivityとROC曲線
陽性的中率…検査陽性者のうちの真の陽性者の割合
受信者動作特性曲線
感度を(1-特異度)に対してプロットをしたもの。感度と特異度はトレードオフの関係にあるが、両方
が高くなる(左上方にシフトした)検査法が良い。ガン検診など見落としが許されない場合は特異度を犠
牲にして感度をあげる検査法がとられる
1-5 case-control studyとその中でのmatching
症例対照研究…対象疾患群(=症例)と対照群(=対照)に対し回顧的に暴露調査する。楽だがバイアス制御困難
マッチング…症例群と対照群でペアを作ってリスクの背景をそろえる方法
層別に比べ多くの交絡要因を制御できる。
1-6 odds-ratio
オッズ比…症例群と対照群でそれぞれオッズをとって比の値を取る。
オッズは暴露アリ:ナシの比の値。発症率が小ならリスク比に一致する。
1-7 臨床試験のrandomizationとdouble-blind(ing)
ランダム化…無作為化。研究対象者を暴露群と非暴露群に無作為に割りつけること
未知の交絡要因を制御可能。
二重盲検…対象者も投与者も暴露非暴露について知らされない研究のこと。情報バイアスを制御可能。
1-8 random samplingとrandom allocationの違い
random sampling:無作為抽出…外的妥当性の確保が可能
random allocation(randomization):無作為割りつけ…内的妥当性の確保が可能。
1-9 研究のexternal-validity
外的妥当性…一般化可能性。研究結果が研究対象集団だけでなく、他の施設の患者などにも当てはまる事。
1-10 検定におけるtype-1 errorとtype-2 error
第1種の過誤…帰無仮説正のとき誤と判断する確率(有意差無いのにアリとする確率)
第2種の過誤…帰無仮説誤のとき正とする確率(有意差有るのにナシとする確率)
1-11 lead-time-bias
リードタイム…検診受信者と非検診受信者の病気と診断される時点の差。検診受信者は総じて早期発見さ
れ、診断後の余命が長く見られる。早期発見早期治療が無意味であっても生存期間が長い
と判断され検診の効果が過大評価される。(バイアス)
1-12 standard-normal-distribution
標準正規分布…平均値0、分散1である正規分布。N(0,1)の正規分布。
*正規分布…で確率密度関数が表される分布。
代表的な連続型の確率分布で自然界や人間社会の数多くの現象に当てはまる。
1-13 hazard
ハザード…一般にある瞬間における事象の発生する確率。特には瞬間死亡率。
生存曲線(生存率‐時間)を時間で微分したものを生存率で割って(‐1)かけたもの。
1-14
confounding:交絡
要因1と要因2が混在するとき、要因1が要因2と結果との関連指標を歪めるさま。(すなわち、結果と深い関連の有る要因1が要因2と関連が有るため、要因2と結果との関連が過大評価されたり過小評価されたりするさま。)要因1を交絡要因と呼び、それは関連指標の推定値に対するバイアスとなる。
*1-15
SMR:標準化死亡比
集団1の観察死亡数を集団1の期待死亡数で割ったもの。(期待死亡数=基準集団のカテゴリー別死亡
率によって期待される集団1の死亡数)交絡制御のための標準化における間接法の使用例。
1-16 死亡率のadjustment
2群の死亡率をバイアスなしで比較するために、結果に影響しうる因子で重み付けをして補正
(adjustment)する事。標準化とも言う。
死亡率の補正…2群の死亡率の比較の際、年齢などで重みづけして比較可能性をupさすこと。
1-17 power-of-statistical-test
検定における検出力…帰無仮説誤のとき、誤と判断する確率。
すなわち、実際に有意差があるとき、アリと検出する確率。
2-1
データ(標本) 5,7,8,10,12,15は無限母集団から抽出したものとする。
標準偏差の除数はにして平均値自体ののバラツキを考慮する。(不偏分散の平方根)
・標本中央値:真ん中番目のデータの値。偶数なら真ん中2つのデータの平均値。
・標本平均:標本の(算術)平均。
・不偏分散(が小さいとき使う):標本分散の除数が
のもの。
・標準偏差(SD):不偏分散平方根
・標本の変動係数:標本標準偏差(SD)を標本平均値(M)で割ったもの。
ここではSDの代わりに不偏分散平方根を使う。
・標本平均標準偏差
母標準偏差を標本数の平方根で割ったもの()。標本平均をn個の独立した確率変数の和を
で
割った統計量と考えて、その分散を計算し平方根をとる。(データ1つ1つは独立で分散の加法性を使
う)。 母分散は未知なことが多いので推定値()で代用する事が多い。
・標本平均値の標準誤差(SE)
母標準偏差(?)の推定値のこと。標本平均標準偏差の推定値()で代用する事が多い。ここでSD
は不偏分散平方根を使う。
.
・母平均の95%信頼区間
母平均を?とすると正規分布を仮定しすれば、で95%なので式変形
して終わり。
・幾何平均:個掛けて
乗根。
2-2
大きさn=100の標本から計算された統計量
3−1
要因を持っている場合に結果が生じる確率を、要因を持っていない場合に結果が生じる確率を
とすると、相対リスク(Relative Risk)は、
と表される。
人年法により、まず糖尿病あり群の死亡率となし群の死亡率
を求めると,
となる。よって、求める相対リスクは、
3−2
対象集団に必要なのは,すべての調査対象者のリスクが同等とみなされること。
リスク構造に必要とされることは,リスクが時間により変動しないこと。
実際はリスクは年齢と強く関連しているので,人年法によりリスクを一つにまとめる際は年齢階級別に分けて考える必要がある。
3−3
SIRによりリスクを1つの指標にまとめるために必要な条件は,
@観察対象者数または観察人年がある程度大きいこと
A各層におけるリスク比あるいはリスク差の方向が揃っていること
(リスク比またはリスク差はすべての層で同じ値である必要はない)
である。
3−4
まず問題文より、発症総件数の標準誤差は、
となる。したがって,発症総件数の95%信頼区間は、
となる。
ここで,SIRは発症総件数に比例するから,SIRの95%信頼区間は
3−5
単純に30%の6割とするのはよくない。
乳癌に発症しない割合を示す曲線をとする。
題意より、 …@
ハザードが時間に対し一定とすると、
@より、
また、薬物投下時における曲線をとする。
累積発症率 19.3%
20年間の累積発症率 非服用群 51.0%
服用群 34.8%
3−6
よって、生存時間曲線は下図。
累積生存率は
5年後…0.58
10年後…0.29
4−1
それぞれのカットオフ値に対する感度・特異度を次の表に示す。
これをプロットして、次の図が得られる。
4−2
よって、51.4%
4−3
求める有病割合を%とすると、
4−4
検査A 陽性:偽陽性である可能性が高いので、信用できない。更なる検査が必要。
陰性:真陰性なので、安心してよい。
検査B 陽性:真陽性であり、やばい。
陰性:偽陰性である可能性が高いので,信用できない。更なる検査が必要。
4−5
直列、並列それぞれの場合の検査結果は以下のようになる
これから、直列,並列それぞれの場合における感度,特異度を求めると,
直列の場合
並列の場合
5−1.
p=
有意水準5%のもとで、帰無仮説は棄却される。
5−2.
<t検定>
t= s=
、
、
、
、
、
、t=1.83
自由度4の95%のt値は2.776より、となり、
帰無仮説を棄却できない。
<並べ替え検定>
全てのデータが全体であると仮定し、それが今の状態に割り振られる確率を考える。
A
B
平均値の差
2 4 5 6 7 8 10/3 この2つが今の状態以上に極端な場合
2 4 6 5 7 8 8/3
2 4 7 5 6 8 6/3
2 4 8 5 6 7 4/3
2 5 6 4 7 8 6/3
(以下続く)
p= より、有意水準0.05の下で、帰無仮説は棄却できない。
5−3.
(1)前/後値の差、S = 18.3、SE = 5.294より、95%信頼区間は
⇔
⇔
(2)平均値への回帰の効果が考えられるので、単純に議論することはできない。個人の値にはばらつきがあり、その平均値が境界より少し低いくらいの人が検査当日にたまたま高い値を出すと検査にひっかかる。そのような人は治療を全く行わなくても、次の検査時には高い確率で下がる、または、薬を飲むことによる心理的バイアスが生じる。代案としては、プラセボを用いたクロスオーバー試験を行い、薬の効果持続性が高いのであれば、ある程度、治療効果が認められている薬と比較試験を行う。
5−4.
|
|
死亡数 |
生存数 |
患者数 |
|
トルブタマイド |
26(a) |
178(b) |
204 |
|
プラセボ |
10(c) |
195(d) |
205 |
|
合計 |
36 |
373 |
409 |
=7.883 ∴0.001<p<0.005
∴p=0.002555…..
*
5−5.
20人中16人がA or Bを選ぶ確率を考える。
p=2×
A or B
6−1.
<利点>
・ どの患者もいずれの治療法をそれぞれも用いることにより、自分自身が対象として働き、薬全般に対する感受性の個人差を吸収することができる。
・ 1人が複数の試験を行うので、薬ごとに分ける場合に比べて限られた集団中でのサンプル数を増やせる。
<適切でない状況>
・ 薬を与える時期によって反応が変わる場合(時間による影響が存在)
・ 薬の治療効果が長く続き、次の治療に対する反応に影響を与える場合(持ち越し効果)
・ 対象者が2番目の治療前に研究から脱落しそうな場合
6−2.
検定という方式は帰無仮説を誤って否定する確率(第一種の誤り)を有意水準以下に保証するが、差があるときにそれを検出する確率すなわち検出力は保証しない。従って、この例では検出力が小さくてAとSの間に有意差がないという結果になったと考えられる。サンプル数を大きくし、検出力を上げれば、有意性が証明され、AがSと同等以上になる可能性がある。
6−3.
(1)
・信頼区間が望ましい幅を持つためには、どの程度多くの対象が必要か
・仮設の下、有意差を得るための検出力を持つには、どの程度の対象が必要か
・途中で研究から脱落する人が多少出ても大丈夫な数
・2×2の表ができると思うが、その表の1つの値が小さくなりすぎない程度
(2)
<利点>・サンプルサイズを増やすことができる
・多施設で行うことにより、結果の外的妥当性を高めることができる
<欠点>・対象年齢、性別、重症度などのマッチングが難しく、バイアスが生じる
・測定の標準化が困難
・コストが増大
・データ管理が難化
6−4.
◎ 疾患、リスクの同定
コホート研究では投与群と対照群を経時的に観察する。すなわち、リスク因子は既知だが、その後発生する疾患には様々なものが考えられる。
ケースコントロール研究は、ある疾患を持つ対象をケース、持たない対象をコントロールとして以前に受けた暴露を調べるため、疾患は既知であるがリスク因子には様々なものが考えられる。
◎ データの質
コホート研究でえられるデータは特定の曝露に対するリスク比、ケースコントロール研究ではケースとコントロールの曝露対非曝露のオッズ比である。発症率の小さな疾患では、コホート研究から得られるデータの信頼性は小さくなる。また、曝露割合の小さなリスクでは、ケースコントロール研究から得られるデータの信頼性は低くなる。
◎ コスト
コホート研究では投与群と対象群を経時的にエンドポイントまで観察するため、時間・コスト共に大きい。ケースコントロール研究では、回顧的であるため、それほど時間・コストはかからない。
6−5.
|
|
ケース |
コントロール |
|
|
曝露 |
90 |
2 |
92 |
|
非曝露 |
22 |
186 |
208 |
|
|
112 |
188 |
300 |
曝露対非曝露のオッズ比
まず始めに、奇形ありの人を探し、それに対応させるように奇形なしの人を無作為に選び出し、それぞれの集団中の(サリドマイドの)曝露割合を調べる。それからオッズ比を出すと、発症率が低ければ、オッズ比がリスク比に近似できるというのが、この研究の目的である。それゆえ、曝露割合さえ変わらなければ、コントロールのサンプリング数はいくら多く取っても、あまり影響を与えない。コントロールのサンプリング数を多く取れば、『非服用者の奇形の割合』や『服用者の割合』はいくらでも小さくすることができるので、この指摘は本質から外れた無意味なものである。
6−6. 自信無しだそうです。
物理・化学実験では、実験の整備、例えば、純度を高めたりすることによって、誤差を無くすようにする。臨床・疫学研究では、なくせない場合が多い。薬品同士の反応は、基本的に期待通りの結果が得られるが、ヒトの薬に対する反応は必ずしも期待通りにならない。物理・化学実験の大部分は繰り返し、いつでもできるが、臨床・疫学研究はヒトが対象なので、必ずしも思い通りにはできない。また、倫理的問題もある。
6−7.
・ インターネット上のゲノム情報
・ 立体構造のシュミレーション
・ 複雑な統計処理の高速化
・ 検索の高速化
・ 数値→グラフ化が容易
6-8-1
無作為抽出。想定した母集団から標本を無作為に抽出する事。外的妥当性の確保が目的。
無作為割り付け。抽出した標本を治療群と対照群に無作為に割り当てる事。内的妥当性の確保が目的。
6-8‐2
統計的有意性。前もって決められた有意水準(p値=0.05など)に対して判定されるもの。2群の差が小さくてもサンプル数が増えれば統計的有意性は出る。
臨床的有意性。2群の差が臨床的に意義(重要性)があるかどうか。2群の差がある程度ないと臨床的有意性は薄い。
例。血圧を1mmHg確実に下げる薬は、統計的有意性を十分持っていても臨床的有意性に乏しい。
よって統計的有意であっても臨床的有意とは限らない。
6-8-3
・例。あるガンに対し手術療法と化学療法を比較する無作為試験をした。100人の患者を各群に50人ずつ割り付けた。割り付けから手術実施まで日があるので手術群50人中9人が手術拒否し5人が状態悪化で手術不能になった。この14人は全員化学療法を受け、結局100人の患者全員の転帰がフォローされた。手術療法から化学療法に代わった14人をどう処理すべきか。
・ITT(intent-to-treat-analysis)の利点。2つの治療法のコンプライアンスや副作用による中止の影響も含めた効果を比較出来る事。ランダム化により保証された内的妥当性を確保出来る事。
・ITTの欠点。2つの治療法の医学的な効果のみを比較したいとき、その効果の差があっても薄まってしまう事。
・PP(pre-protocol-analysis)の利点。2つの治療法の医学的な効果のみを比較できる事。
・PPの欠点。実験後に選択的に患者を除くことでバイアスが生じ、内的妥当性が確保できない事。
*コンプライアンス。コンプライ(comply)で服従する。この場合は患者が決められた治療法に従うこと。
7-1
・外挿法、デルファイ法、システムモデルに基づく方法等がある。
・外挿法。現在までの推移傾向を延長して将来予測値を求める方法。基礎情報があれば将来予測値を出せ
るが、推移傾向が安定してないと適用出来ない。
・デルファイ法。専門家の意見を個別に求め、1つの意見にまとめあげる方法。他の方法での予測が困難
でも、この方法で予測できるがあまり正確とはいえない。
・システムモデルとは、例えは健康者から早期ガン、進行ガン、検診で発見されて患者になるという1連
の流れを記述するもの。健康者、早期ガンなどを状態といい、状態間の移行確率を設定して、モデルの
元での将来患者数を算出する。監察対象のメカニズム解明が不十分でモデル化出来ない場合はこの方法
は使えない。
7-2
・保健統計のメインは人口統計と傷病統計。
・人口統計は人口動態統計と人口静態統計に分かれる。
・人口静態統計は国勢調査によるものと住民登録台帳によるものがある。
・傷病統計の代表例は患者調査と国民生活基礎調査、他に悪性新生物実態調査や循環器疾患基礎調査や社
会医療診療行為別調査など。
・国勢調査、全国民対象の全数調査。5年毎。10年毎には項目の多い大規模調査。内容は、性、年齢、人
口、世帯数、職業、収入、部屋数。
・患者調査、1部の医療施設対象の標本調査。1日入院・外来患者と1か月の退院患者を調査するもの。3
年毎。内容は、都道府県毎、入院毎、外来毎の傷病種類別患者数と受療率、入院日数など。
・国民生活基礎調査。世帯対象の標本調査。3年毎大規模調査、中間年に小規模調査。調査票は、世帯票
健康票、所得票、貯蓄票からなる。健康面では、有訴者、通院者、日常生活への影響。
・社会医療診療行為別調査。保険対象者の診療報酬明細書(レセプト)に記載された診療行為と傷病状況の
調査の統計。毎年全レセプトから標本抽出して調査。診療行為は点数化され、傷病別に1件あたり点数、
1日あたり点数、診療実日数、1件あたり日数、投薬回数などで集計。
7-3
死因順位に影響した変更点。死亡の原因の?欄?欄ともに疾患の終末期の状態としての心不全や呼吸不全は書かないようただし書きがついた。その他の変更点。死亡の原因?欄が1個増えて4個になった。
7-4
出生届、死亡届、死産届、婚姻届、離婚届の5種類の届書の情報を集計して作る。
@出生届は出生証明書を添えて2週間以内に、死亡届と死産届はそれぞれ死亡診断書と死産証書を添えて1週間以内に、残りの届書も同様にして市区町村長に届けられる。
A市区町村役場では届書に基づき人口動態調査出生票を作成し、管轄区域の保健所へ送付する。
B保健所は毎月取りまとめ都道府県を経て厚生労働省へ送付する。
C厚生労働省の大臣官房統計情報部が調査票を集計し人口動態統計を作成する。
7-5
現在、人口動態統計をコホート調査に利用する事は「目的外使用」とされ手続きが大変で許可が得にくい。人口動態統計を「背番号制」などを用いてもっと積極的に利用していけるようにしようという考えについて意見を書く。プライバシーの問題。国家が国民を管理することについて。情報漏洩の際のリスクの大きさ。研究の公益性とのバランス。
2000年度 試験問題
問1
(1)
(2)
(3)
(4)
問2
,
,
(1)
よって、
(2)
よって、
問3
n件発生する確率は、
よって、求めるグラフは下図。
また、2件以下の確率は
問4
n年目の累積発症率は
よって、求めるグラフは下図.
また、20%を超えるのは,
⇔
⇔
⇔
よって、11年目。
問5
有病率とする。感度・特異度は題中の例の値を用いる。
AとBの正の予測価、負の予測価をそれぞれとすると、
スクリーニングでは、真陽性の人をできるだけ多く見つけ出したい。よって、真陰性の人のみを陰性として検出できたほうがよく、つまり負の予測価が高い方がよいので、検査Aの方が有効である。
確定診断では、真陽性の人を陽性とする確率が高ければよく,つまり正の予測価が高い方がよいので、検査Bの方が有効である。
問6
(1) オッズ比(odds-ratio)
(2) 交絡(confounding)
(3) 平均への回帰(regression to the mean)
問7
(1)(1,2,3,4)の10点から、(5,6,7,8)の26点で17通り。
新薬剤 ‐70 ‐55 ‐45 ‐35 ⇒ 11点
@ A B D
従来薬 ‐40 ‐20 ‐15 ‐10
C E F G
(2) a, b, c, d, e, f
(3) 人口動態統計: 業務統計、全数調査
患者調査: 調査統計、全数調査
国民生活基礎調査: 調査統計、標本調査
統計は業務統計と調査統計に大別される。業務統計は一定の業務の流れにおいて集積された情報
を統計としてまとめたもので、もともと異なる目的で収集されたものであり、注意して統計を読ま
なければならない。 調査統計は統計の作成を目的に計画され調査・集計されたものである。
調査は目的に応じて対象集団が設定される。対象集団を構成する全ての個体について調査すると
き全数調査といい、その一部を無作為に抽出して調査するとき標本調査という。
(4) 現時点の年齢別死亡率から、「今後の年齢別死亡率が不変」という前提に基づいて求めたもの。
x歳平均余命は、x歳を超えて生存したものの、余命の平均(、条件付き期待値)
である。
1999年 疫学・生物統計学 試験問題 解答例
問1. 分散: 95%信頼区間:
歪み&中央値:?(∵観測値不明) 観測値95の偏差値:50+×10
問2.
時間(年)をtとする。肺癌の生存率をとすると、ハザードは一定より、
となり、計算して、
となる。(A,aは比例定数)
より、10年間の累積発症率は
となる。
発症が16件であった場合、より、
となる。
問3. 総人数をy人とする。
|
|
|
検査成績 |
|
|
|
|
陽性(+) |
陰性(−) |
|
疾患 |
有 |
0.95×0.20×y |
0.05×0.20×y |
|
無 |
(1-0.01x) ×0.80*y |
0.01x×0.80×y |
|
正の予測価==0.70 より、特異度x=89.8%
問4.
帰無仮説「AとBとは同等」より、各人がAを選択する確率はである。
16人中14人以上がAあるいはBを選ぶ確率を求めればよい。
同等と判定した被験者が存在した場合、その被験者を除いて、同様に計算。
問5.
(1)相対危険 Relative risk (地域保健活動の疫学P19参照)
ある危険因子への暴露を受けた集団が受けなかった集団に比べ何倍疾病発生または死亡の危険率が高いかを示すもので、因子と罹患または死亡との因果関係の強固性を示す。暴露群の罹患率をIR1、非暴露群の罹患率をIR0とすると、相対危険RRはIR1/IR0となる。症例対象研究では、オッズ比が相対危険となる。(147字)
(2)患者対照研究 Case control study (地域保健活動の疫学P29参照)
研究対象とする疾患に罹患した人の群と罹患してない人の群とにおいて、仮説が設定された要因への暴露状況を回顧的に比較する観察研究方法である。長所として、多くの暴露を対象にできることや、時間・コスト負担が少ないことがある。短所としては、交絡の制御困難、情報バイアス制御困難、まれな暴露には不向きなどがある。(150字)
(3)統計的に有意 Statistically significant (地域保健活動の疫学P195参照)
仮説検定の帰無仮説を否定できた場合に有意であるという。有意の程度を示す確率を有意水準といい、?で表し、一般的に5%、1%を用いる。帰無仮説からずれた事象の起こる確率p値が?よりも小さければ、統計的に有意である。ただし、統計的有意と、臨床的有意は必ずしも一致しない。(132字)
(4)交絡 Confounding (地域保健活動の疫学P68参照)
データ上注目される要因の影響とそれ以外の要因の影響とが混在するために、疫学の指標の推定値を歪めるバイアスのことで、交絡の要因を交絡要因という。注目される要因と疾病との関連が考えられても、その要因が交絡要因と関連があるために、見かけ上関連があると考えたり、関連を過大/過小評価したりする恐れがある。(148字)
問6
1.b 2.a or b 3. 4.b 5.e 6.e 7.e 8.d 9.a 10.b 11.c 12.e
問7
世代生命表は、ある時点に生まれた集団を追跡し、各個人の寿命を最後まで観察し、平均寿命などの生命表関数を求めたものであるのに対し、現代生命表は、現時点の年齢別死亡
1998年度試験 問題&解答
<問題>
問4 疾患Xの治療薬AとBがあり、(実際の試験としては少なすぎるが)6人の対象者に対してランダム化試験を行って治療率の比較を行ったとする。仮に6人に両方の治療が行えたとすると、次のような反応パターンが得られるものとする。(実際には治癒してしまえば他の治療は行わないので,このようなパターンがデータとして得られるわけではない。いわば神のみぞ知るデータである。)
仮に6人全員に両方の薬を投与できたとしたら,Aの治癒率は4/6、Bの治癒率は2/6であるから、その差は2/6である。さて、6人を3人ずつにランダム化して、どちらか一方のみを投与して治癒率の差を計算したらどうなるであろうか。ランダム化の方法は6から3とる組み合わせの数だけ,すなわち20通りあり、このそれぞれに対して治癒率の差は異なる値を取りうる。この値の分布(確率分布)を並べかえ分布という。
分布の状況をグラフに描け。分布の平均値が知りたい「真」の値2/6に一致することを示せ。
分布のばらつきはかなり大きい。分布のばらつきを小さくする,すなわち「真」の値に近い値が得られる確率を大きくするにはどうすればよいか。
問5 お茶をたくさん飲むとがんに罹りにくいとよく言われる。お茶の中にがん抑制物質があるらしいという動物実験結果も存在する。さて、このがん予防効果を人で検証する臨床(予防)試験を行う際に、お茶中の化学物質を同定してその純品に対して薬物の臨床試験の方法論を適用する(すなわち動物実験、人に対する安全性を検討する第T相試験,用量反応を調べる第U相試験,プラセボを対象とする第V相試験)という考え方と、お茶そのまま、あるいはその濃縮物を日常飲用しているレベル(あるいはそれよりやや多めに、可能な限りプラセボを比較対照として)投与する,という二つの考え方が存在する。それぞれの長所・短所について議論せよ。
<解答>
問5
@お茶の化学物質を同定し純品に対して薬物の臨床試験を適用する。
Aお茶かお茶の濃縮物を日常レベル(やや多めに、可能な限りプラセボ対照)投与しコホート研究する。文脈からメインの目的は「日常多めにお茶を飲んだ場合のガン予防効果を検証したい。」とする。すなわち「お茶の中にガン抑制物質があるらしいので、あるならそれを同定し有効活用したい。」ではないとする。
Aは統計的に5%以下で有意になるほどの大きなサンプル数を無作為抽出で得て、二重盲検法によるプラセボ対照の試験をきちんと行えば結果は出る。ただしガン予防効果を観察するには時間(ヒトの一生ぐらい)がかかる。観察が長期になると他の要因によるガン罹患への影響が大きくなりバラツキが大きくなるため検出に多くのサンプルを必要とする。長期間・大規模になるとtreatment by indicationが困難。また日常のお茶に期待される臨床的に有意な差を設定するのが難しい。
@はお茶のガン予防効果の検証でなく、お茶に含まれる化学物質のガン予防効果の検証。お茶中のある化学物質にガン予防効果があるとわかっても、日常のお茶のガン予防効果をヒトで検証したことにはならない。しかし、お茶の中にガン予防効果のある化学物質があればお茶のガン予防効果を期待でき、なければ期待できないという推測が可能。利点は、化学物質のガン予防効果の検証なので、動物実験(非臨床試験)の工夫(濃度調節・発ガンイニシエーターなど)により短期間・安価に予防効果を確認できること。ちなみにこの化学物質に対し臨床試験を行うことは、化学物質のガン予防効果がヒトでも本当に有るかどうかを確認することになり、Aと同様の観察期間を必要とする。(利点が失われるためあまり有効ではない)
問4
よって、求めるグラフは下図。
分布の平均値は、
--1/3×2+0×4+1/3×8+2/3×4+3/3×2-=1/3=2/6
ばらつきを小さくするには、対象者への効果の差が少なければよいので、双子など体質の似た人を対象者に選び、それぞれA、Bを投与すればよい。