Ref.16610(僕の左腕)
Ref.16610というのは、スイス製の機械式(ゼンマイ式)腕時計・ロレックス社の、サブマリーナデイトという腕時計の番号のことです。
ここでは、僕の腕時計の紹介と、機械式(腕)時計のお話をしたいと思います。

これが時計の全体の画像です。購入したのは98年の12月。実は中古なのです。東京・中野の専門店で購入しました。購入価格などは伏せますが、目立つような傷もなく、価格相応の品でした。
このサブマリーナはロレックス社のスポーツタイプの腕時計として1950年代から作られているモデルの現行型です。ほかにも現行型には、もっと深いところまで防水性能のあるモデル(シードゥエラー)や、同じサブマリーナでもクロノメーターでないモデルなどありますが、僕はこのサブマリーナ(デイト)がお気に入りです。
このサブマリーナは、カレンダー付き(12時にカチッと瞬間的に変わる)で、リューズガード付き(リューズ、ゼンマイを巻いたりするネジの上下にガードがついて、ぶつけてもリューズが痛まないようになっている)、クロノメーター(クロノメーター規格を通っている、簡単に言うと、あまり狂わない)であり、ムーブメントはCal.3135という、8振動(一秒間に8かい、カチカチ・・・と音がする)の物を使用している1000ft(300m)の防水腕時計です。
なぜこの腕時計を買い、使用しているかというと、今の自分の生活に一番無理なく使えると思ったからです。
ロレックスというと、一部の金持ちが使うキンピカの腕時計を思う人がいるかもしれませんが、数あるスイスの腕時計のメーカーの中では、ロレックスは有名ではあるものの、極端に高級な部類ではありません。本当に高級な時計なら、あの女子マラソン金メダルの高橋尚子が国民栄誉賞をもらった時にプレゼントされた腕時計(パテック・フィリップ)や、バセロンコンスタンチン、またはドイツのランゲ・アンド・ゾーネなどがあるでしょう。(一番安い時計が100万くらいなんだから)
僕はロレックスを、「時間が割と正確でとっても実用的な防水式ゼンマイ腕時計」と考えています。
仕事柄(歯科医師ですから)、仕事中にぶつけることもあるし、一日何十回も手を洗うため、丈夫で防水性能の良い腕時計が必要でした。本当は印象を採ったり(型をとること)、リベースをしたり(入れ歯の裏打ちをなおすこと)をするときに、クロノグラフ(簡単にいえばストップウォッチ)がついているものがいいに越したことはないのですが、そうなるとロレックスではあのデイトナしかありません。(100万くらいするんですけど・・・)しかし、回転式ベゼルで大体の時間が分かりますし、何分の一秒を知る必要もないので、シンプルなこのモデルを選びました。
・・・だったら、G-SHOCKでもいいじゃないか・・・!
そうです。G−SHOCKでも、機能的には問題ないのです。でも、なぜゼンマイ式、クォーツより精度の悪い(狂う)時計を選んだのか・・・?
それはあの「カチカチカチカチ・・・」のためなんです。
機械式腕時計がどれ程複雑な、精密な工程を経て作られているか、クロノメーター規格を通るような時計(実際、僕の腕時計はこの2〜3ヵ月、修正をしていない、なのにいまは10秒ほどすすんでいるだけ)を作るには、どれほど大変かを知れば、このような製品(作品?)を腕に着けながら仕事が出来るというのは、とても嬉しいことなのです。それに、電池を使わないって、エコロジーでしょ!

この時計には、これだけの物がついてきます。箱・保証書(シリアルナンバー付き)・説明書・クロノメーター保証書・・・ひとつの腕時計に、これほどの技術を詰め込んだ職人さんの想いを感じます。
スイスの機械式腕時計は、1970年代、クォーツの波に押され(日本製とかね。)だいぶ衰退しましたが、90年代以降、レトロブームもあり、ゆっくりではありますが、人気を取り戻しています。女性は腕時計をデザインで選ぶといわれます。こだわる男性は(自分の事を格好良く言うつもりは全くありませんが・・)中身で選ぶといわれます。スイスの機械式腕時計は現在では日本でも多くのブランドが手に入りますが、一般的に数も少なく、値段も高価です。
ブランドだけで時計を選ぶ(それでロレックスやカルチェを選ぶ女性もいるし)、それもアリだと思います。でも僕は、時計に静かに耳を当てた時に聞こえる、「カチカチカチカチ・・・・」の音の中に、「時間はいつも流れているんだよ、だから、いつでも大切にしなくちゃいけないんだよ」と教えてくれている気がするんです。そして、その音が、まるで生きているかのように、健気に、がんばって動いているんです(・・・電池もないのに・・・!)この腕時計はオートマチックといって、(日本語では自動巻き)腕につけて、振っているだけで、ゼンマイが巻かれるという機能がついています。(自動巻きは珍しくありませんが・・)しかし、リザーブは約48時間と、2日も外していたら、この時計は呼吸をするのを止めてしまいます。なので僕は、いつもこれを着けているのです。
器具にぶつけ、水道にぶつけ・・・で、もう、ブレスレット部分は、擦り傷だらけです。
でも、そんな傷と共に、一緒に年をとっていこうと思ってます。何年かに一度、ロレックス社へオーバーホール(修理・点検みたいなもの)に出し、いつまでも使って行こうと思っています。良いもの長く、いつまでも・・・僕の好きな生き方です。
疲れた時・さみしい時は、時計をそっと耳に当てます・
「カチカチカチカチ・・・」何時でもこいつはマイペース。元気に動いています。
同じはずのカチカチが時にはゆっくり聞こえたり、すっごく速くきこえたり・・・。そんなとき、この音を聞いていると、ホッとするんですね。またがんばろうって、思います。
腕時計ひとつで元気がでるなんて、僕ってなんて単純なんだろう・・!(笑)