タイには少数部族が非常にたくさんあるため、伝統的なタイ舞踊がいくつもあります。各部族ごとに衣装もちがいますが、それぞれが独特の素敵できらびやかなものや可愛らしい衣装を身にまとい華麗に踊ります。
タイの伝統的舞踊には、古典舞踊の「ラコーン」、大衆舞踊の「ラム・ウォン」仮面舞踊の「コーン」の3つにおおまかに分けることができます。
・「ラコーン」・・・、頭にとがった金色の飾りや、宝石や刺繍で飾られた豪華な綿織物を身に付けて踊る最も古典的な踊りです。手の優美な動きに重点を置き、伝統的なステップと繊細でしなやかな手指の動き一つ一つが細やかな感情の動きを表現しています。この中でも、男性だけで演じられるものを「ラコーン・ノーク」、宮廷内で女性だけで演じられるものを「ラコーン・ナーイ」といいます。
・「コーン」・・・踊り手の多くが猿のお面などを付けて踊る舞踊劇です。語り手による独特の語りと会話で劇が進行されます。衣装はラコーンと同様に、豪華な錦織をまといます。主な役柄は色彩により表現されま。宮廷のみで行われるのを「コーン・ロン・ナイ」、野外で演じられるのを「コーン・クラン・プレーン」、竹のボールを用いるのを「コーン・ノーン・ノック」または「コーン・ナン・ラオ」、書割を用いるのを「コーン・ナ・ジョン」と呼びます。
これらは王宮を中心に踊り継がれてきました。
・「ラム・ウォン」・・・古典舞踊を大衆化させたもので、歓迎の踊り、祝いの踊りなど様々な型があり、タイでの地域によって踊りのスタイルが微妙に違います。タイ舞踊の基本は、手のひら、手首、ひじの動きでいかに美しさを表現するかということです。
タイでは男女を問わず、小学校でタイ舞踊を正科として教えている為、誰でも一応はタイの伝統舞踊を踊ることが出来ます。また、独特の音楽も日本ではなかなか耳にしない音なので、とても魅力的です。
[私の体験記]
私はこれまでいくつものタイダンスを見る機会がありましたが、どれも本当に素晴らしいの一言です。手のひら、手首、腰の動きはとてもしなやかで美しく必見です。初めて見たその時から、その魅力にとりつかれてしまいました。見ていると、何かこう民族の文化みたいなものを強く感じました。私が見たのはすべて知り合った子ども達が見せてくれたダンスですが、みんな普段とは違って、独特の衣装を身にまとい、メークもバッチリしていて美しく、急に大人っぽくなったように感じました。その踊りは素晴らしいのもので、見るものを圧倒します。そして、実際に一緒に踊ってみて感じたことは、子ども達のように、腕や腰をしなやかに動かすのは非常に難しいということです。そんな私を尻目に子ども達は、優雅にそしていとも簡単に、しなやかに踊っていました。
タイダンスでよく見られる特徴として、片方の手の親指と人差し指をくっつけて、OKのサインに似た円形をそこに作り、それを楕円形のような形にしたものと、反対の手は開いたままの様態で、それを左右交代に回転させながら繰り返すといものです。そのOKに似た指の形は、まだ自分は処女であるということを示しているのだと聞きました。
私がここまでタイの踊りに魅せられる理由として、もちろん、踊りが独特で珍しく、民族的で素敵だということに加えて、子ども達でさえも、みんなタイの伝統的舞踊ができるということに驚いたのと、自分の国を誇れる何かを発信できることがうらやましいと思ったからです。なぜなら、タイの人は、歌や踊りがとにかく大好きで、私はタイに行くたびに、伝統的なものから、ポップなものまで何度もタイの人と一緒に踊っています。何かパーティーがあると、ダンスと言っても過言ではないと思います。それどころか、孤児院では、日常でも晩にはよく一緒に子ども達とタイダンスを踊ったり歌を歌ったものでした。そこで、よくリクエストされるのが、何か日本の歌を歌ってほしいとか、踊りを踊ってほしいとか言われます。歌はまだしも、10人くらい日本人がいても、みんなで共通して踊れるものが全くないということに、その時気づかされました。各自、お互いの盆踊りくらいしかないうえに、記憶が薄れてもう踊れないという状況でした。何か、自分も踊りでもいいし、日本文化を発信できるものが必要だと強く感じました。そういった意味でも、自分達の部族の踊りが踊れる子ども達はすごいと思ったし、伝統の継承ではないけれど、日常生活で何気なく踊っているタイの習慣というか文化は素晴らしいなと感じました。

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