タイの王室は人々に非常に尊敬されています。例えば映画館では、上映前に国王の肖像が映写され、王室賛歌が流されています。時には、市内や駅で国歌が流れる時がありますが、その時人々は何をしていようと、その場で直立して静止し、そうすることで王室に対して敬愛を示します。
現在の王様は、プミポン・アドゥンヤーデートという名の第9世王です。8月12日の女王陛下の誕生日や12月5日の国王陛下の誕生日には、もちろん国の祝日で、バンコクでは大きなイベントなどが行われ、国を挙げてのお祝いの雰囲気につつまれます。
また、日本では考えられないことですが、有名な国立大学ともなると、その卒業式では、国王であるプミポン王が生徒一人一人に卒業証書を手渡します。これは学生にとっても大変名誉であり、誇れることなのです。
なぜ、このように王室が尊敬われているのかといえば、タイが今まで一度も植民地になったことがないのと、日本のように敗戦で価値観を変えられた経験がないので、13世紀のタイ王国建設以来続いている王家に対する異怖の念が今も残っていると言われています。
[私の体験記]
実際本当にタイの方の家には、どの家にも国王や女王陛下といった王室の方々の写真が飾ってあります。また、王室の写真や肖像画を専門に売っているお店もたくさんあります。これはつまり、これらを買い求める人がたくさんいる証拠だと思います。
私が訪れた、コーケンというところの孤児院でも、やはり国王の写真が飾ってあり、毎晩子ども達は、その前でお祈りのようなお経のようなものを唱えていました。また、ナンの学校を訪問した時にも、学校に国王の肖像画と国旗が飾られている光景を目にしました。加えて、その学校では、毎朝の朝会で生徒は国歌を斉唱していました。
この当たり前ように行われるお祈りや国歌斉唱に私はビックリしました。日本ならば、学校で国歌を歌うとなっても、すごく様々な反響があるし、ましてや学校で特定の宗教を奨めるのは、公立学校では禁止されているので、その大きな違いに驚いたのです。
去年の8月12日に偶然にもバンコクにいた私は、その日が女王陛下の誕生日とは知らず、町に溢れるお祝いムードに初めは、何事かわからなかったのを思い出しました。バンコクの中心地には、女王陛下のとても大きな写真が何枚も立てられており、イベントも行われていました。そして、町には花などがたくさん飾られ、夜になるととてもたくさんのイルミネーションを目にすることができました。この日は私も朝の4時頃までバンコクを歩いていたのですが、夜中にもかかわらずたくさんの人を見かけ、とても活気に溢れていました。女王陛下が車で通りを通るとなれば、たくさんの人が人目みようと集っていましたこ。この点は日本と一緒だな〜と思いました。
タイでは、この女王陛下の誕生日を記念してだと思うのですが、多分タイでは12日が母の日で、私が訪問した小学校・中学校・幼稚園では、12日より一足早く母の日の会が開かれていました。そこではそれぞれ生徒のお母さんを学校に呼んで、子ども達がグループごとにダンスや演技などの出し物をし、その後、生徒一人一人が自分のお母さんに花をプレゼントしていました。その時には、嬉しくて泣いているお母さんの姿もみうけられました。
このように、タイでは王室は非常に敬愛されています。私も以前、その理由が気になったので、なぜタイではそのように国王が尊敬されているのかを尋ねたところ、現在のプミポン王は、自らが出向いて現地の様子を視察したりして、国をよくしようと努力してくださっているから。という答えが返ってきました。なんだか「なるほどな〜」と思いました。現在の国王の人徳と、生まれた時から、王室を尊敬する環境の中で育ったということから、タイの人が王室を敬愛していることがよくわかりました。愛国心を育てるという面でも、日本でもこういったことは少しでも必要なのでは・・・?と思いました。

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