2004年4月13日  

  武蔵野市第四期基本構想・長期計画検討委員会

 委員長 東原 紘道様

第四期長期計画 討議要綱への意見書

「中学校給食実施について」

                                     団 体 名 子どもの食環境を考える会

                                     代表者名  藤木 泰夫

                            団体住所 武蔵野市西久保1-3-41

                                TEL/FAX  0422-55-6257

 子どもを取り巻く食の環境は、ここ10年間を見ても大きく変わりました。O−157、食品会社の偽装や食中毒事件、狂牛病の発症、遺伝子組み換え食品、農薬の問題、さらには鳥インフルエンザなど大きな不安を抱えています。また、偏食や無理なダイエット、ファストフードの浸透に見られる食生活の乱れは、子どもたちの成長にとって大きな問題となっています。

 私ども「子どもの食環境を考える会」は、食の不安、危機感を持つ社会状況の中、心身の成長にとって大切な時期である子どもたちに、安全で、栄養のバランスのよい食べ物を食べさせたいと考え、子育て中の親たちが立ち上げた会です。武蔵野市では中学校給食がないことから、多くの市民から中学校給食の実施を要望する声が高まっており、考える会においても、武蔵野市に中学校給食実施の要望を行うとともに、市議会に陳情(別紙、陳情書をご参照ください)をさせていただいています(現在審議中)。

 2002年度から実施された新学習指導要領では、食の教育を積極的に行っていくよう明記してあり、そのお手本として『給食』が取り上げられています。食の教育で大切なことは、みずからが多くの食材の中からよりよいものを選択できる知識を育てることです。 

 ぜひ学校給食によって、この食の教育の推進を期待したいものです。

 第三期長期計画においては、「中学校給食の実施については、諸般の事情を十分に考慮しながら、慎重に対応する。」と記載されていましたが、この12年間で何ら検討すらされていない状況ですし、実施しない根拠が市からも出されていません。さらに、これほど市民の間では関心事であるのに、今回の長期計画討議要綱において、その記載がないことに、疑問を感じています。

 私たちは、子どもたちの食生活をより豊かに安全にしていくためには、市民と行政とのパートナーシップが重要だと考えています。そこで、以下のような考えから、「中学校に選択制の給食を実施すること」を提案いたします。

 ぜひとも、市民の願いをご理解いただき、長期計画に盛り込んでいただけますようお願いいたします。

1.中学生にとっての食生活と栄養バランス

 市でも、家庭における食環境の大切さをキャンペーンしていますが、現代の社会環境の変化、食生活の変化により、家庭だけでなく教育環境も大きな転換期を向かえています。また、中央教育審議会においても、学校に栄養教諭を配置し、「食育」として教育の見直しを図るよう提言されていますが、何よりも、素材の安全性、栄養のバランスは、大きな課題であります。身体がいちばん成長する中学生のこの時期は、単に満腹になればよいというものではなく、安全で栄養バランスのよい、美味しい食事を摂取することがより大切と認識しています。

 

2.今、どうしても給食が必要なわけ

 これまで、武蔵野市はミルク給食を実施し、主食の弁当を家庭に求めてきました。愛情こもった手作り弁当は、親子間にとって重要なものです。それが親子の絆になっている場合もあるかもしれません。しかし、冷凍食品に頼りがちになったり、子どもの好きな食材だけを入れてしまったりと、“安全で栄養バランスのよい弁当だ”と毎日自信を持って作れる人は多くはないのが実情ではないでしょうか。また、共働き家庭や片親家庭、親の介護などによって、弁当を作る時間を持ちにくい家庭が増えていることも事実です。

 市民からの要望として、中学校給食実現に向けた陳情や請願が多くの署名を添えて市議会に出されてきています。男女雇用機会均等法の制定や女性の社会進出が推進される一方で、家庭の中での女性の立場はこれまでとあまり変わりなく、多くの家事の負担を抱えたまま、さらに弁当を作ることになります。そして、朝の貴重な時間を、子どもとの直接的なふれあいではなく、弁当作りに費やさざるを得ず、家族揃って家庭で楽しく朝食を摂る環境には程遠いものと思われます。


3.コスト面を工夫して、義務教育課程の子どもたちに公平な給食の実施を

 武蔵野市の試算では、中学校給食を運営するためにランニングコストとして、小学校での実績から単純に3億円程度としています。これは、現在実施されている小学校の余裕ある給食調理場の活用を考慮していないものです。新しく作ることばかり考えずに、いまある施設を活用することなど検討すれば、コスト面でかなり違ったものになると考えます。

 討議要綱でも子育て支援策は重要であると提案されていますが、長期計画での育て支援策の一環として、中学校給食を実施するような計画案を出していただけるようお願いします。

 なお、中学校給食については、これまで実施していなかった多摩地域の自治体でも実施に向けた新たな取り組みを行っています。武蔵野市の小学校給食は全国に誇れるもので、栄養のバランスが非常に考慮され、また季節感のある安全で美味しい優れた給食だと感謝しています。この給食を、中学生にも食べさせたいと願わずにいられません。

4.これならできる中学校昼食の形態

 市議会を傍聴したり、私たちの会で多くの市民の皆さんと勉強会を行ってきた中での意見をご提案します。

@まずは、センターを活用する親子方式を

 給食の調理実施方法のひとつとして、小学校の給食センターで中学校の分も作る「親子方式」があります。この試算は、1億5,000万円でできるといわれています(練馬区で伺いました)。

 武蔵野市の小学校給食は、小学校12校のうち、自校式が3校、残り9校分を2か所のセンターで作られています。2か所センターで8,000食が作れることになっています。現在のセンター利用の小学校児童数は約3,800名ですから、単純に計算してもセンターであと4,200食を作ることができます。現在の中学校生徒数は約2,000名であり、全員に作ることが可能なことは明らかです。つまり、現在のセンターと人材を活用して、長年市民が要望してきた給食が実施できるということになります。

Aさらに、自校方式へ

 給食センターの老朽化問題も、いずれ出てくると思います。今後10年を検討する長期計画であるならば、給食方式で最もよいとされる自校方式を取り入れるのがよいと考えます。さらに、市内全中学校に自校給食方式を導入できれば、子育ての市、武蔵野としてもすばらしいことかと思います。

 ただし、弁当を持たせられる家庭には、給食を強要するものではなく、弁当昼食とすることに何ら異議はありません。つまり、中学生の昼食は、その家庭の事情によって弁当と給食が選択できるものとし、給食においては次のような事業として実施されることを望みます。

B学校給食の充実を

 市の責任のもとで、以下の事項を基本とする市の事業として中学校給食を実施してください。

・栄養士の配置

…成長期の生徒の栄養バランスをしっかり考え、またさまざまな食材の活用から、食に対する知識を生徒(及び家庭)に伝えることが可能になる

 ・食材の安全保障規準の制定

…使用する食材については、農薬や飼料など、生産過程と食品自体の安全を確認できる基準を設けること

・地場産の食材(特に野菜)の確保

   …武蔵野市で生産される野菜などを大いに使うことで、地場産業の発展も含めて、生産者と市民(生徒)のつながりを持つことにつながる

5.第四期基本構想・長期計画に求めること

 以上のようなことから、基本構想・長期計画には、弁当と給食を選択できる中学校給食の実施に向けた具体的な施策を盛り込んでいただきたいと希望します。