そうそう、この辺り、僕が迷子になっちゃってさぁ・・っと少し困惑気味に地図を指さしながら
恥ずかしそうに話すのは、バイク仲間の山下(仮名)君。
山下君はバイク歴2年、結構どこでも1人走りまわり、時間がゆるせば日本中でも走り廻るライダーの一人。
バイクで走り回ると言っても、私と2人かせいぜい多くても3−4人で走る程度
私も山下君も大勢で”ツルんで”走るのは大嫌いだし、なんとなく気が合うので
とても楽な仲間です。
そんな山下君が迷子になったのは、神奈川県の川崎の方面
走り慣れた地域なので、まったく問題はなく飛ばしていたらしいのですが
何も考えないで走っていたので、道を間違えて、どこかの山の崖の道に
走っていたんだよ。と笑って不思議な体験話を話してくれました。

数週間後。
”狙った”訳じゃないんですが、なんとなく私も山下君が迷子になったと言われる
場所の近い地域を走っていました。
その事をふと思い出し、ちょっと寄り道の気分でその場所へ向かいました。
時間は夜も6時過ぎた時間。まだ辺りが明るさと夜の暗さが入り交じったような
ヘッドライトを点けた方がいいかもね。程度の明るさを保っていました。

山下君が迷子になったその道は、特に難しい、複雑な地形でもなく、
むしろ簡単な道で迷うことはない道でした。。
その日は無事家路に着くことが出来(当たり前ですが)ました。

数日後の休日、やっぱり山下君の話が気になるので、
再度向かうことにしました。時刻は昼の3時ちょい過ぎていた頃だと
場所に向かう途中の道、よーく晴れた日、暖かくもなく寒くもなく、
バイクに乗っていてよかったなぁ・・・なんて、陽気に思いながら
走らせます。するとガス橋を超えたあたりだったか、周りに霧がかかってきたかなぁ・・・って程度の
ガス状の霧が・・うす〜く出てきました。

『ん??』でも、気にせず向かって走っていると、霧状の物が徐々にあたりを
取り囲んできます。
バイクを路肩に止めたときには既に、周りがまったく見えない状態にまで
霧状のものが僕の周りを囲んでいます。
初めてこんな不思議な出来事にあい、うろたえている自分と。早く脱出しないと
と焦っている自分がいるのに気が付きます。
バイクのセル・キーを押すと、今まで快調なノイズを発していたエンジンはまるで
廃車寸前のエンジン音になってます。
押しがけ、も考えましたが、この霧では、かえって危ないと言うのが脳裏に浮かびます。
そのまま霧が晴れるまでジッとしていると、チリン、チリンと風鈴のようなかすかで、クリアーの音色が
聞こえてきます。なんだろう?その音は確実に私の方へと向かってきます。
やばっい。そんな言葉が浮かんできました。何に対してやばいのか?何がやばい事なのががわからないが
今、この状況がやばい!と思い、何を考えたか?バイクの影に隠れました。
こっそり、ヘルメットに埋め込ませた(違反行為ですけど)、ヘッドホンステレオからまるで場違いな
馬鹿みたいに陽気な音楽が流れています。それを慌てて止め、風鈴が行き去るまで
ジッとまるで親に叱られた子供のように耳をすませ、とにかく行き過ぎるまで待っていました。

チリン、チリン、と私の横を過ぎ背後へと流れて行きました。

なんだろう?あれは?と周りの事態も判らぬまま、ジィとしていると。
ヘルメットの中に埋め込ませたヘッドホンから

小さいな声で、オマエみたいのは死ねばいいんだ!と流れてきました。

もう一言に頭の中がパニックになり、慌ててバイクのエンジンをかけると、今度はセル一発で
かかり、ニュートラルから、いきなりセカンド発信をさせ、あわてて飛びだそうと
した瞬間。周りが晴れ、目の前の霧状のものが消え去り、フロントタイヤの先に
道がなくなっていました。

ここは・・・ここが山下君が言っていた覚えなのい山の崖道でした。




もうすぐ今年も終わりに近づいた年の暮れ
私の住んでいる町の気候は冬場は安定し、昼間は暖かいが夜になると
昼間の暖かさも手伝い、キンキンに冷えています。
安定した気候ですが、1ヶ月に1回程度夜雨がふる時があり、その雨の日の事
私は忘れられない体験をしました。


友達の家にお邪魔した帰り、初めてお邪魔する場所なんですが、意外と判りやすいし
私も方向を間違わないのは、ちょっとした自信がありました。


その日は珍しく、朝から雨が降り、しかし傘を差さなくても歩ける程度の小雨が降っていました。
さんざん、お友達の家に遊んで帰る時間になり、時計を見ると夜の10時を回っていました。
終電にはまだ時間がありますが、あまり遅くなっては私の両親も心配しますので帰る事にしました。
玄関の扉を開くと、外は来たときよりも雨が激しくなっていて、一応傘は持ってきてましたので、
玄関先で友達と別れ、一人で駅まで歩いて行きました。
どの辺りだったのか?夜見る辺りの風景は昼間と違い、小さな道を曲がらなくてはならないのを
そのまままっすぐ行ってしまったようで、私は迷子になってしまいました。
人通りもなく、仕方ないので感を頼りに駅までの道を探していると、
暗い夜道に一軒だけ家が建ち、明かりが漏れていました。
暗い道に明るい電気が漏れていたので、なんとなくホットしてると、
なんと、そこからガラスが割れるような大きな音が数回あたりに鳴り響きました。


しばらくすると、2階に窓がありカーテンが引いてありましたが、シルエットが写りました
激しくもみ合う2つのシルエットに浮かび、しばらくすると鋭利なナイフのような先の尖った物が
何度も何度も相手のお腹あたりを刺しているのが浮かんできます。
それと同時に液体が(もちろんそれが血だとわかりましたが)何度も飛び散ります。


人が殺されている・・・・私はあわてて、携帯を取り出し、110番へ電話をかけようとしましたが、
慌てているのと、怖いのと、信じられない光景と寒く震えてかじかんでいた手でしたので、
携帯電話を取り出すのに時間がかかるし、ダイヤルボタンを押すのにも時間がかかってしまいました。


ふっと、その家の2階に目をやると一瞬犯人らしき男と目があった気がします。
(体の大きさから勝手に男と判断しました)


慌てて物陰に隠れ、携帯電話をやっとの思いでかけると、電話の向こうから
「はい、もしもし」と男の人の声が届きます。
警察に繋がりましたが、その時携帯電話が、浮き通話が切れてしまいました。
振り返ると犯人らしきその男が私の背中越しに立っていました。


真新しい血がついてナイフを私の頬に充て、
「全て見なかった事にしろ、誰かにしゃべったら、俺はオマエを必ず・・・いいか、俺を甘く見るなよ、
俺は必ずオマエを捜し出し、始末するからな」
と言い残し、男は去っていきましたが、真冬の雨が降り、
寒くて仕方ないのに私の背中や首筋にはなんとも例えようがない汗が
どっぷりかいているのがわかります。
頬に血が付き、傘が落ちて雨にずぶ濡れになり放心状態で
片手に携帯電話を持ちながら、そのカッコうで何分もその場所にたたずんでいました。
私にとって悪夢に近い一晩が過ぎ、明くる日の朝、新聞を開くとあの事件がでかでかと載っていました。
夢ではなかった、本当にあった事件が何度も年末のTV,ラジオ、新聞で取り上げられると、
私の背中にはいい例えが出来ないような、汗がにじみでてしまいます。



夏になると思い出す事があり、今も忘れずに私の脳裏に焼き付いて離れません。
私は、郊外の一軒家で女房と2人暮らし。
以前は、都心に住んでいたんですが、5年前に大病を患い、入院する羽目になってしまいました。
都心に一軒家を購入しました。
この一軒家を二人で手にするには、大変な努力をしました。
やっと念願かない、この家に引っ越して来られたのは今から4年ほど前になります。
今年もまた夏が来て、あの事を思い出します。

女房が倒れた日。私は会社にいました。いや正確には営業周りの移動中で今みたいに
携帯電話が普及してなかったので、私からの会社へは”定時連絡”と言う形で初めて
会社へ連絡が付くと言う具合でした。

その日も5時に会社へ定時連絡した時に、女房が倒れたと話を聞き、
そのまま大急ぎで担ぎ込まれた病院へ急いだんですが、
始めていく病院を探すのに手間取り、なぜタクシーを使わかったのかは、今も不思議なんですがね。

結局、病院を見つけ、あわてて受付で、部屋番号を聞いたのが
午後8時。

その病院は、このあたりでは大きい病院で、小児科から外科、内科、咽喉科、
眼科、呼吸器内科、脳心外科、と多岐にわたりいろいろと行われていた。

なかなか、下がってこないエレベータを睨みながら、
ふと、後ろを振り向くと、広いロビーの向こうに自販機の明かりだけが
馬鹿みたいに明るく、病院独特の変な怖さがありました。

「夜の病院ってやっぱ怖いよなぁ・・・」
一人口にしてみると、小声で言ったはずか、自分でもびっくりするくらい
大きな反響で響き渡ります。
エレベータの停止している階数は”4”

再度▼のボタンを押すと
なにかに、気がついたように、今まで、呆れるほど遅かったエレベータは、
急に??スピードがあがったように、思えるくらい、早くフロアー数字を下がってきます。

3,2,1

スルスル・・・っと扉が開いた。

??エレベータの室内が暗い・・
エレベータは確か、万が一、停電になっても、非常灯が点灯するし、
エレベータ事態に故障があったら、一番近いフロアーで緊急停止するはずなので、
エレベータ内が暗いという事はあり得ないって昔聞いた事がある。
よくみると、エレベータ内部は、ほのくらく、
ジッっと目をこらしていると、中で何かが動いているような・・・
目が暗闇に慣れてくる、その動いてる物は、女性のよう髪のようだ。
え?エレベータ内部の非常灯が点灯した。
明るく浮かんだその動く物は、真っ白な着物に身を包んだ女性がうつむきながら立っていた。
恐怖のあまり立ちすくむ私。うつむいた女性の顔がゆっくりと起きはじめ。
一瞬、ほんの一瞬、女性と目があった(ような気がした)。
がいこつ!?カァーっと口が割れるほど、大きく開くとエレベータは
閉じて、私の記憶もそれで閉じてしまった・・・・

気がついた時には、私はベッドの上にいた。
エレベータホールで倒れている私を、たまたま通りかかった入院中の
女性が見つけて、ナースセンターへ連絡してくれたそうだ。

冷静になって考えれば、なぜ?4回があったのだろう?
病院は、4(し)という字をなるべく使わないようにしているはずなのに。
4階で長く泊まっていたエレベータはなんだったのだろうか?

随分と前の事、ある日僕が外出先から帰ってくると
隣の家に見た事がない、白い車が止まっていました。
気にはしなかったんですが、自宅までに距離があったため、
何気なく、その白い車を見てたら、隣の奥さんが脇を旦那さんに抱えられて
その後ろに見知らぬ男の人が2人が家から出来て来るのが見えました。

どーしたんだろう・・・とは思ったんですが、親戚の人かもしれないし・・
なんて、気楽に想像してました。
数日が、かみさんから、隣のおくさん入院した事を聞かされた
入院??2−3日前、脇を抱えられた、隣の奥さんの姿が浮かびました
しかも入院は入院でも、”精神科”だそうで、
夜中、一人でパジャマを着たまま、ボーっ暗い部屋を徘徊したり、
最近では、ごめんねごめんね。って仕切に泣いていたそうです。

隣の奥さんが入院後、1ヶ月くらい過ぎた頃。
本当の入院した原因がわかりました。
奥さんが、まだ独身だった頃、ある男性と同棲をし→子供が出来→それを
きっかけに、男は離れていき、次第に大きくなっていく、お腹をどーにも出来ず、
一人でそっと男の子を生んだそうです。

もちろん、女で一人で子供を育てられる訳もなく、生後数ヶ月後の赤ちゃんを
静岡県は○○湖。
手こぎボート借りて湖の真ん中辺りまで行き、そっと、
静かに子供を深い湖へと降ろしました・・・

彼女曰く、とってもその事は彼女を苦しめ、毎晩寝られなくなり、小さい子を見れば、今頃は・・・と
自分の犯した罪の重さに押しつぶされそうになっていたそうです。

それでも毎日の生活に追われ、一生懸命働く事で、その事を忘れようとしていたらしいのです。

本当は、忘れては行けない、重い過去なんですけどね。

数年後、すっかり女性の傷も癒え始め、別の男性を結婚したのが
今の隣に住んでいるだんなさんだそうです。

2人、待望の子供が宿ったのは、結婚後4年目でした。
奥さんが拒んでいたそうですが、子供好きのだんなさんの願いを叶えてあげたかったそうです。

子供は、男の子が生まれました。
すくすくと育ち、家事と育児で、毎日が心地良い疲れに満ちていたそうです。

そんなある日、だんなさんが今度の休みにドライブへ行こうと奥さんを誘いました。
子供が生まれて、2年目の年の初夏の事
行き先は、奥さんが聞いても内緒との事で、教えて貰えなかったそうです。

「さぁ、着いたよ」と明るい声のだんなさん。
着いた先は・・・・なんと静岡県は○○湖

奥さんには、あの言いしれぬ、長い時間かけて忘れたハズの出来事が一瞬にしてよみがえってそうです

寄りによってこの場所とは、考え込む奥さんを横目で、
そんな事があるとは知らない、だんなさんと息子は手こぎのボートに乗りたがっています、やむやむボートに乗り込む奥さん。

湖の真ん中辺りに辿りついた頃、息子がなにやら明るい大声で無邪気な声をあげました。
「今、お魚さんがいた!」っと

どれどれ?子供が湖に落ちないように、体を支えながら子供の頭越しの湖を覗きこもうとした、瞬間、子供が振り返り、
奥さんの目をじっと見つめて、こういいました。

「今度は、僕を落とさないでね。一人で寂しかったから」と