「簡単に博士になる方法 -研究室選択のススメ-」  
まえがき

・本書の目的は一つである。優秀な理系の若者を救うことである。その具体的な方法として、「研究室選択システム」を定着させ実行してもらいたい。このことによって2つの効果がある。一つは駄目な教官を排除する方向へ持っていくことだ。もう一つは、システムを実行した若者が成果を出し、すぐにポストを獲得していくという姿である。

・日本の優位は「器用さ」と「こだわり(オタク、マニア)」にあると思う。青色ダイオードの裁判で最初に200億円の評価がされた。そのとき、多くの企業が難色を示した。結局、経営者にもかかわらず科学技術の理解(会社の収入の根本であること)ができていないからである。いつのころから、科学技術の重要性と、その基盤にある「器用さ」と「こだわり」というものが忘れられている。理系へ進む学生たちはその「器用さとこだわり」を知る重要な人材の卵たちである。

・しかし、大学にいると、多くの理系研究者が不幸な目に会っているのかよくわかる。特に問題なのは、企業と同じで、トップの意識の低さであろう。もちろん優秀な大学の先生が多いのは事実だが、学生の才能を伸ばしている人が何人いるのかは疑問だ。時々、よい先生に会う。そんな先生に会うと学生がうらやましい。一方で、駄目だなーと思う先生にも会う。そんな学生は不幸でしかない。

・これまで大学の先生を選ぶ方法について明確にしている人はいなかった。論文の書き方さえ、最近やっと日本語の読みやすい本がでてきたばかりである。先生を選ぶにあたって、普通は「人柄」というだろう。確かに人柄は会えば、うわさを聞けばわかる。そして自分もそのようにして、研究室を選んできた。しかし、卒業し、研究者というポストを得るには、それだけでは不充分だということを嫌というほど感じた。だから、日本人が嫌うかもしれないがやはり「業績本位」で評価しろ!とこの本では主張している。

・本書を読んで、多くの若者が幸せに、卒業し、良いポストに就くことを願っている。そしてそのポストで成果をあげる皆さんに会えることを楽しみにしている。0章はよみ飛ばしてよい。私の愚痴みたいなものだ。1章では、研究室選択の基準を書いた。2章には皆さんへ「大人になろう」というメッセージである。3章は私の反省を書いた。取りあえず、考え方に触れ、研究室選択に生かしたければ、まず1章を読み、その後、他の章に目を通していただければ幸いである。

・最後に、このシリーズを両親にささげる。私が自由にすごすことができるのは両親の努力と、寛容さによる。もし、そのような環境が無ければ、自分はいまごろストレスをため、世間を憎み嫌な人間になっていたかもしれない。その意味で、感謝してもしきれないのが両親という存在なのである。




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