購入まで

車なしで生活するのは結構つらいものがあるので、なるべく早めに車を入手したいものです。 私は滞在期間が決まっていることと、自分の予算から中古車にしました。 しかし、アメリカには車検制度がないので、あまり古い車は避けたいところです。 無料の中古車情報の雑誌が数種類、毎週発行されており、スーパーなどで入手しては相場を研究しました。 また、インターネットでもかなり詳細にどこのディーラーで今どんな中古車があるか、を検索することができます。 さらに、各車両のフロントガラスに必ずついている10桁以上の固有番号があるのですが、 この番号で過去のその車の事故履歴とかもインターネットで調べることができます (Lemon Checkと言うらしい)。

中古車の購入方法として、個人売買と中古車ディーラーがあります。前者の方は、 上述した中古車情報誌に腐るほど載っています。ディーラーから購入するよりも安く上がりますが、 手続きは自分でやらなければなりません。私はそれが面倒だったので、ディーラーで購入することを 前提にして探しました。

ディーラーによってはかなり強引というか、口ばっかりいいことを言うセールスマンがいて、 そういう時は断るのが大変です。今日は買うつもりがないと言っているのに、やたらと勧めてきたり、 予算が決まっているというのに、それ以上の車を見せて、安くするよ、でまかせを言ったり。 半分脅してくる人もいます。英語に不慣れな私は 聞き流してしまいますが。試乗したり、事務所に入ってしまうと、なかなか帰してくれなかったりするので、注意しましょう。 私の場合はESRIで働いている日本人と一緒に行ってもらって交渉をしてもらい、大変に助かりました。

アメリカではピックアップが大人気ですが、 私が最初買いたかったのは、SUVです。しかし、数件のディーラーを見て現実を知りました。 日本と同じで、やっぱり高かった!! 予算的には問題ないSUVがあったのですが、 試しにエンジンをかけようとすると、かからない。。。 こんな車を平然と店先に並べてあったりしますので、本当に中古車選びは難しいです。

結局、アメリカ車(日本車だけは避けたかった)で、セダン、2年落ち程度、走行距離5000マイル程度 で探すことにしました。また、左ハンドルにはまだ慣れていないので、オートマにしました。 それからレンタカーで使用した車も、整備がきちんとされているはずなので、ねらい目ですね。

8月中旬、「今日はいいのがあれば買うぞ」という意気込みで、Redlandsからはちょっと離れた、 Riversideのオートセンターに行きました。ここには各ディーラーの店が集まっていて、 アメリカならではスケールの大きさです。

フォードディーラーへ行き、店員に条件を言うと、ちょうどセール中の車がありました。 1999年のフォード Contourで、排気量2リットル、走行距離32000マイルの、レンタカーで使用されたセダンです。 予算はオーバーしていましたが、はっきり言って「買い」でした。「よし、これであとは価格交渉だ」と決めて、 店内に入りました。

中に入ったら違うおっさんがやってきました。パスポートや免許証(このときはまだ国際免許)を見せて身分確認後、ちょっと世間話。

価格の話になり、実はこの車は客寄せ用に特に値段を下げていたらしく、普通だったらこれくらいが相場だ、と説明し始めた。車両価格がいくらで、それ以外に税金とか諸費用がこれくらいかかる、とか。そういえばこの車、中古車情報誌に掲載されていたっけ。相場を盾に、私の予算まで下げるのは難しいと言う。こっちは予算が決まっているから下げてくれと言い、平行線。実はこの時点で本当の予算より1000ドル以上オーバーしていたからちょっと諦めかけていたのが本音です。上司に相談してくる、と言って彼は一度席を立ちました。

5分くらい待たされて、上司が現れる。さっきと同じ説明を始める。だから予算は決まっているんだってば!! 上司も一度席をはずす。
再度5分くらい待って、もっと上の人間までやってきて、約1000ドル程度値段を下げる、と言う。よし、もう少しだ。すかさず、
「あと100ドル下げてくれませんか?」
また席をはずし、数分後、やって来たと思ったらいきなり手を差し伸べてきた。
交渉成立の合図だ。
固い握手を交わす。正直言って私はうまくいったと思っています。多分、先方も私が最初に現金で購入すると言っておいたので、手放したくなかったのではないでしょうか。

さて、購入手続きです。日本と違って、そう簡単にはローンは組めません。組めたとしても年率がかなり高くなるでしょう。アメリカではクレジットの実績が重要なのです。私みたいに渡米直後では信用がないため、基本的に現金での購入になります。

前もってアメリカの銀行に口座を開設し、必要な金額も用意してあったので、この時点で小切手(checkと言う)を切りました。額が大きいので、直ぐに彼は本当にこれだけの預金がされているかを銀行に問い合わせました。

次に、各種書類の作成です。これにはDMVへ提出される書類も含まれています。ここで私は手がつりそうになりました。日本で印鑑をあっちこちに押すかわりに、こっちはサインをします。サインに慣れていない私は直ぐに手が疲れてきて、だんだん書体が変わってきてしまいました。サインの練習しておけばよかった。。。これはアメリカにきて本当に思いました(日本語で統一すればよかったのかもしれないけど)。


自動車保険

次に保険の手続きです。私はてっきり自分で保険屋に行って手続きをしなければならないと思っていたのですが、いわゆる保険ブローカー(仲介人)がこのディーラーに来ていて、その場で契約ができることになりました。

カリフォルニア州で運転する際には、日本での自賠責保険にあたるライアビリティー(Liability)への加入が法律で義務付けられています。ライアビリティーとは、他人を死傷させるような対人事故や、自動車に衝突した場合などの対物事故に対して適用されるものです。契約者に賠償責任がある時に、保険会社から事故の相手に対して支払いが行われます。これは相手側のみに対して支払われるもので、自分の車の修理代は一切カバーしません。
法律で定められているのは、対人30,000ドル、対物5,000ドルのライアビリティーへの加入ですが、これは最低限の金額であり、対人30,000ドルのうち1人に対して支払われる上限は15,000ドル。つまり玉突き事故などで3人以上の相手に負傷させてしまった場合は、すぐに上限に達してしまいます。また、対物に関しても、相手の車が新車でそれを廃車にしてしまった場合には、5,000ドルでは賠償額には足りません。

ローンと同じで、アメリカで運転経験のない私は最低ランクに位置付けられ、保険料も一番高くなります。さらにこの時点でカリフォルニア州の免許を持っていなかったので、保険会社によっては扱ってくれない場合もあるそうです。ブローカーは多分、いろいろな保険会社の商品を扱えるのでしょう。私が入ることのできる保険を提示してくれました。一緒に交渉してくれた松岡さんも、この程度の金額なら入ってもいいと思う、と言ってくれたのでその場で契約することにしました。契約書の英語がまた専門用語ばっかりでよくわかりまんでした(後日、辞書で調べて契約内容は確認しましたが)。

支払い金額は半年の合計で約800ドルでした、半年後に見直されるので、その後は安くなるとのことです。その場では400ドルちょっとだけcheckで支払い、後は毎月支払う方法か、一括で支払う方法になります。毎月支払う方法の場合、請求書が発行されてから支払うと発行料が別途必要になるとのことです。

で、半年後になって、保険会社を変更しようかと考えました。アメリカには日本のJAFにあたるAAAという会社があり、保険も扱っています。いちばん有名な会社の一つでもあるので、AAAに乗り換えようかと思いました。AAAのオフィスがRedlandsにもあるので、直接行って聞いてみると、AAAでは、日本での保険の契約破棄からアメリカでの最初の契約までが30日以内であれば、その証拠を提出すると保険金額が安くなる、と言われました。知らなかった。。。。でももう遅い。実は1ヶ月以上、ブランクがあったのです。
さらに、外国人はアメリカでの運転歴(事故歴、違反歴)として1年以下(実際どれくらいか忘れた)の場合、アメリカに来る前の運転歴も提出しなければ契約できない、と言われました。
保険が切れるまで10日間足らず、アメリカに来る前に住んでいた神奈川県の警察署のHPを調べると、確かにそういう証明書を発行してくれるそうです。英語でも作成してくれるらしい。しかし、書類作成だけで2週間。こんなことならもっと早く準備をすべきだった。
ということで、結局私は今までの保険を継続することにしました。
これは余談ですが、AAAで説明をしてくれた男性は非常に丁寧に教えてくれて、好印象を持ちました。実は最初は日本の運転歴は必要ない、と言っていたのですが、念のため確認してみると、どうも最近変更があったらしいのです。彼はきちんと謝ってくれました。


ナンバープレート(自動車登録)について

アメリカのナンバープレートは車両についてまわります。つまり、持ち主が変わっても、自分で好きなナンバーを申請しない限り、基本的にはナンバーは変わらないようです(でも州が変わったら変わるのかな?)。 また、ナンバープレートは車の後部には付けなければならないけど、フロントには付けなくてもいいらしい。

ナンバープレートには、西暦のシール(2000とか2001とか)と月のシール(MAYとか)が貼られています。こっちでは車検制度はないけど、登録の更新を1年に1回しなければならないらしく、その期限がこのシールでわかるようになっているのです。シールはDMV(自動車免許のトピック参照)から送られてくるのですが、それまでの間は仮の登録証をフロントガラスに貼っておくことになっています。

更新のための案内はDMVから2ヶ月以上前に送られてきました。更新費用は全部で$155でした。支払い期限までに納めないと、遅延料金を支払わなければなりません。

アメリカではナンバーだけでなく、プレートのデザイン(背景図)も選ぶことができます。8種類あるようで、カリフォルニアらしい絵のプレートもあります。追加料金はプレートによって異なりますが、新規で$50くらい。さらにナンバーも選ぶ場合、さらに$40くらいかかります。

車を購入してから1.5ヶ月くらい経って、やっとシールが届いたのですが、それまでは、仮の登録証はフロントに、しかし古いシールは後ろにあるがために起こった、実際に私が経験したエピソードを紹介します。



エピソード 『パトカーが。。。』

Palm Springsへ行く途中のフリーウェー。一番左側を、制限速度をややオーバーして運転していると、ふとバックミラーにはいつのまにかパトカーが。。。 結構後ろは気にしながら走っていたので驚きました。速度を落とそうと思った瞬間、パッシング。もしかして自分か? 次に屋根の赤と青の回転灯が回りだす。自分かどうか確かめるために隣の車線に移るとパトカーもみったりついてくる。。。 げげっ!!

一番右側に車を寄せる。スピーカーで何やら言っているがよくわからない。「Never mind」と聞えたのでそのまま待機。以前聞いた話を思い出す。

「アメリカではパトカーに停まるよう言われたら、車の中で待機し、おまわりさんが近づくのを待つこと。決して自分から外に出てはいけない。もしそんなことをしたら彼らは拳銃をわれわれに向けるだろう。

助手席側におまわりさんが来たので窓をあける。
「英語は話せる?」
「少し」
「この車は誰の?」
「私のです」
「ナンバープレートによると、この車は期限切れしているはずだが?」
「え?」

ああそうか、この車はまだ買って間もないから警察の方でデータが更新されていないのな?それにシールも古いままだし。仮の登録証(フロントガラスに貼ってある)を見せると彼は納得。
「最近買ったばっかりか?」
「そうだ」
「わかった」
「免許証は?」
「トランクの中」
「なんでそんなところに入れておくんだ、分かった。行っていいよ」
ちょうどフリーウェーの出入り口だったので、最後に、「一度出てから入りなおしなさい」と。
こうして我々は無事釈放された。

フリーウェーに戻って少し走ると、さっきのパトカーが別の車を停めて何か取り調べている。

こっちは結構パトカーが走っているとは聞いていたけど、本当だな。 スピード違反は10マイル程度オーバーまでなら取り締まらないらしいです。

また別の日、同じフリーウェー上で、Palm Springsからの帰り道、夜。右から2番目の車線を走行中、ふと、一番右側の車線にパトカーが。。。もしかしてまたか?
パトカーが横に並んで車の中からおまわりさんが懐中電灯でこちらを照らしている。どうも止まれと指図しているらしい。
止まって、おまわりさんが来て、仮の登録証を見て、納得。

うーむ。これは本物の登録証がくるまでは何度もパトカーに止められそうである。

数分後、ふとバックミラーを見ると、さっきのパトカーが今度は大型トラックを止めようとしていた。

こんなことがあったので、その後私はパトカーに対してちょっと神経質になっています。

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