10月26日心配された台風も去り、快晴。
木更津港を定刻に出帆。でも私はぎりぎり滑り込みセーフでした。招待していただいた矢澤さんはすでにヘリコプター甲板の一等席を確保していました。
まず私たちの乗船した護衛艦「ゆうぎり」が先に出港しそれを追いかけ向こう側の「はまぎり」が出港します。
碇をあげる作業中の「ゆうぎり」乗組員(水兵さんていうのかな)
私たちの乗船したのは観閲部隊の随伴隊という艦で「きりしま」以下5隻で編成されています。
観閲部隊は先導艦「むらさめ」そして観閲艦「しらね」には小泉総理大臣が乗艦していました。
受閲艦隊は旗艦「たちかぜ」以下6郡23艦
総数35隻航空機28機が参加
「ゆうぎり」の艦内3500tの艦内はかなり狭そう。今回は機関室や艦橋など艦内を見せてくれました。
「ゆうぎり」
主要装備・76mm速射砲
高性能20mm機関砲・短SAM装置・SSM装置・アスロック装置・3連装短魚雷発射管・チャフ装置・哨戒ヘリコプター
主要性能要目
基準排水量・・3500t
全長・・137m
主機・・ガスタービン機関4機
速力・・30kt以上
乗組員。。200名
機関室の中といってもここは艦橋か送られてくる指示により4台のガスタービンエンジンをコントロールするところ。
前の計器をみながらスロットルレバーを操作します。ガスタービンエンジンというのはジェットエンジンなわけでフルスロットルにすると時速50kにも達します。
3500tもの船が時速50kで走るなんて・・恐ろしい
護衛艦「ゆうぎり」の艦橋
前に見えるのはオットーメララ62口径76ミリ砲その後ろに見える箱型のランチャーが対潜ロケットアスロック。名称「ASROC」はAntiSubmarineRocktの略でロケットとホーミング魚雷を組みあわせた対潜水艦用武器です。
あさぎり型
護衛隊郡の中核をなす「はつゆき」型の発展型として登場したのがこの「あさぎり」型である。
基本的には同じ構想で建造されているが、「はつゆき」型が、軽量化のため構造物などにアルミ合金を使用しているのに対し「あさぎり」型ではスチール製にした。これはフォークランド紛争時にアルミ合金製英巡洋艦「シェフィールド」が、ミサイル攻撃で火災発生、放棄された事例を教訓にしてのことである。
機関砲
高性能20ミリ機関砲CIWS(CloseーinWeaponSystem)飛来するミサイルや高速航空機に対する最終的な防御システム。6砲身の自動機関砲で毎分3000発の発射速度による弾幕を張って防御する。全自動で捜索、追尾火器管制レーダー射撃指揮装置、バルカン砲、給弾装置などが一体になっている。最大射程4500メートル
「ゆうぎり」マストの下のほうにあった鐘ピカピカでした。
最後部「短SAM」ごしに見る自衛艦隊というよりもはや「日本海軍」でしょう。
短SAM「シースパロー」ミサイル本隊は航空自衛隊ではF−4.F−15戦闘機に搭載される空対空ミサイル「スパロー」V型を艦艇搭載用に改造したものである。「しらね」「くらま」「あさぎり」「はつゆき」型などの護衛艦に搭載している。ランチャー(発射機)に8発を格納する。ミサイル本体は3.66メートル、直径20センチ、飛翔速度マッハ1以上、射程約30キロ誘導方式はセミアクテイブ・レーダーホーミング。
随伴隊「いかづち」
「はつゆき」型の後継艦として、平成3年度計画で登場したのがむらさめ型である。対潜、対ミサイル、対電子戦装備と通信・情報処理システムを装備し、対潜用ヘリコプターを搭載。SAM、SSMなどのウエポン・システムを備えた汎用護衛艦は”八八艦隊”の中核となっている。
船体や艦橋構造物などは傾斜角が設けられ、線や角に丸みをもたせてレーダー反射を減少させ、ステルス性を高める設計となっている。
艦隊は東京湾を抜けて、三浦水道を進む・ここは交通量が多く一番緊張するところ、航海士の人が海図上に航路を記入していました。そのそばにはGPSがありましたが、「GPSにはずれがあり、やはり目で確認して人力でやるのが正確」とのことでした。
いよいよ艦隊を整えて、観艦式に臨む。
観艦式の歴史
1起源
観艦式の起源は、1314年、英仏戦争の時、英国王エドワード3世が自らの艦隊を率いて出撃する祭に、その威容を観閲したことに始まると言われています。
2旧海軍
我が国では、明治元年天皇陛下をお迎えし、大阪・天保山沖で実施された観兵式が観艦式の始まりであり、当時の兵力は6隻2.452トンに過ぎませんでした。
観艦式という言葉が最初に使われたのは、第4回目に当たる明治33年神戸沖で行われた大演習観艦式です。
旧海軍最後の第19回観艦式は、昭和15年横浜沖において実施された紀元2600年特別観艦式であり、艦艇98隻596000トン航空機527機が参加したきわめて壮大なものでした。(案内パンフレット・・海上幕僚監部作成より)
いよいよ受閲艦部隊の旗艦「たちかぜ」が登場。

3海上自衛隊
自衛隊記念日としての観艦式の制定。昭和31年に「自衛隊記念日が制定され、翌32年に自衛隊記念日行事の一環として観艦式を実施することが定められました
潜水艦「なるしお」
「おやしお」型潜水艦は、従来の潜水艦とはことなり、スピードに優れた”涙滴型”からややまるみを帯びた”葉巻型”となった。これにより、艦内の居住性が改善されたばかりか、艦首、側面、艦尾とあらゆる場所にソナーが装備され、索敵能力が大幅にアップしている。さらに外形を水中吸音材で覆い、個艦のエンジン音、艦内の雑音が外部に漏れるのを防いでいる。
外観ともに原子力でない点を除けば、米海軍の主力潜水艦と肩をならべることができるほどの潜水艦である。
輸送艦「くにさき」
輸送力の増強と、PKOや災害派遣時の海上基地としての機能など多様な運用要求から建造された大型輸送艦。人員約1000名(一個連隊規模)車両や物資1500トンなど従来輸送艦の約3倍の積載能力をもつ。艦内にエアクッション(ホバークラフト)型揚陸艇(LCAC)2隻を搭載。積載物は艦尾のドックから揚陸艇で積み下ろしのほか、90式戦車の出入りが可能な左舷の大型ランプドアから行う。航空母艦のような」ようなこう大な上甲板には車両が個縛でき、大型ヘリコプターも発着できるようになっている。
旧海軍の九十七式大艇、二式大艇に代表されるように日本の飛行艇設計技術は世界的にトップレベルにあった。諸外国では戦後飛行艇の運用は衰退していったが、日本は対潜機として飛行艇の有用性に着目、研究開発に努力して昭和42年に大型対潜用飛行艇PS−1を完成させた。
PS−1は高揚力装置、独創的な波消し装置などにより風速25m、波高3mの従来の常識の2倍を上回る着水性能とSTOL(短距離離着水)性能、低速飛行性能を実現した。PS−1は17機を装備したが対潜機器の発達と、P−3Cなどの陸上対潜機の高性能化で平成元年に全機退役した。しかし飛行艇の特性を生かし洋上救難機としてUS−1に発展現在も運用されている。
P−3Cは米ロッキード社が1959年、旅客機を原型にP−3Aオライオンとして開発した対潜哨戒機で、その後、エンジンや各種搭載機器を新型化させてP−3Cに発展してきた。海自の装備するのは最新のP−3CアップデートVA型である。大型陸上機の特性をいかして長距離、長時間の哨戒能力と各種装備の搭載量も大きく、世界でもトップクラスの対潜哨戒機のひとつで米海軍をはじめ多くの海軍が使用している。デジタルコンピューターを中心に各種の対潜捜索・探知装備と爆弾、魚雷などの対潜攻撃武器も搭載している。
12時54分5インチ祝砲と・ボフォースの発射が交互に行われる。
5インチ単装速射砲は自動照準・自動装填システムにより発射される。最大射程は23kmで(東京から横浜までの距離)です。
対潜ロケット弾は、艦の前部にある4本の筒をあわせた形のボフォース対潜ロケット発射装置から弾が轟音と黒煙をはきながら発射され発射した艦の右斜め前方1500m先に落下します。
訓練展示艦部隊は6群22隻からなり、第一群「さわかぜ」以下5隻が祝砲・ボフォースの発射、第二群「さみだれ」以下4隻がヘリコプターの発艦、第三群潜水艦「なるしお」以下5隻が潜行、浮上第4群「はまな」以下4隻が洋上補給・甲板散水・IRフレアー発射、第五群「おおたか」以下2隻がミサイル艇航行。第六群LCAC航走
「ゆうぐも」のボフォース発射
「やまぐも」型護衛艦のなかでは初めてアスロックを搭載し、艦首下部には高性能ソナーを装備した、対潜操作能力攻撃力は飛躍的に増大した。これによって海自は、対潜能力の点に関してはその当時世界のトップクラスに肩をならべるまでになった。
外形は荒天航行時にも高速航行を可能にするため、遮浪甲板型を採用している。またソナーの位置の関係で、艦首が突き出すような形(バウソナー形式)になっているのも特徴である。
電池で水中を航走して目標のスクリュー音を追尾し命中させる短魚雷や、ソナーからの情報により自動的に旋回、仰角して発射を行うアスロックを搭載している。
SH−60Jヘリコプターの一斉発艦
SH−60J哨戒ヘリコプター、HSS−2の後継機として採用された、全天候型の哨戒ヘリコプターで捜索レーダー、デイッピングソナー、対潜戦システムなど、海自独自の運用構想による最新の国産機材を搭載、MAD(磁気探知装置)ソノブイ受信機、新型データリンクは一方通行を解消して、ヘリ搭載艦からの戦術情報も機上のデイスプレイに表示できる。機体性能も速力、航続距離、ホバリング性能などで優れている。
現代の攻撃型潜水艦の任務は、海上自衛隊を含めて、敵の潜水艦を攻撃することにある。潮流や水温によって変化はあるが、潜水艦の音響探知能力は4万メートルにもおよぶ。
潜水艦の任務が”敵潜水艦”狩にあるということは、その敵潜水艦の通り道をつねに監視する必要が生じる。そこで海上自衛隊の潜水艦は、対馬、津軽、宗谷の3海峡付近にみをひそめ相手潜水艦の動向をチェックしている。
海上自衛隊で一番秘密度の高いのが潜水艦の行動である。
「あきしお」「ゆきしお」「さちしお」「はましお」の4隻が潜行、浮上を繰り返す。
「ゆうしお」型
対潜哨戒や対潜攻撃、対水上攻撃を目的とした3次防の潜水艦「うずしお」型の性能向上型として登場したのがこの「ゆうしお」型である外形は涙滴型で、「うずしお」型よりも若干大きめに作られており、そのため居住環境が改善されるなど艦内は余裕をもって設計されている。
内殻は、NS110高張力鋼が使われており、深度500メートルまで潜航可能とされている。大型コンピューターの搭載で、戦術処理能力が向上しし、それに伴い533ミリ魚雷発射管HU603からは、MK46・73式・80式等の各種魚雷だけでなく「なだしお」以降はUSMハープーンも発射可能になった。
今回はじめて訓練展示される、「はなな」と「じんつう」による、洋上補給、「とね」と「しらゆき」による甲板散水、IRフレアー発射
補給艦と護衛艦が燃料、物品等を授受する洋上補給を行います。その後方を甲板散水しつつIRフレアーを発射する2隻の護衛艦が航行します。
甲板散水は汚染された船体を海水で洗浄する作業(当然核戦争を想定して)で、IR(infrared rays:赤外線)フレアーは、赤外線誘導ミサイルの回避に使用します。
洋上補給は実際にインド洋にて多国籍軍に行っているものと説明がありました。
そしてこれも今回の目玉
初参加のミサイル艇
「おおたか」「くまたか」2隻が、40kt(時速約70km)の高速で航行します。このミサイル艇は当然北朝鮮の不審船に対応するものです。
LCAC2隻が、40kt(時速約70km)で高速航行します。LCACはホバークラフト型の輸送用エアクッション艇で「おおすみ」型輸送艦に搭載され、輸送艦から揚陸地点間の輸送を実施します。
輸送艦「くにさき」には陸上自衛隊の車両と人員が乗船して観閲をうけていました、また航空自衛隊も航空機E2CやF15Jなどが参加していました。
P−3C哨戒機2機が対潜爆弾を4発づつ計8発、60mの高度から海面に投下する、あらかじめ爆発深度を浅く調節してあるため大きな水煙があがり、ついで艦艇からつきあげるような振動音がドスンと響いてきました。
SH−60J哨戒ヘリコプター2機がIRフレアーを高度150mと約180mで各機60発を連続発射する。

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この海を駆ける 平成15年度自衛隊観艦式 10月26日相模湾

こうして1日海上自衛隊の観艦式をみて、まったくこれは間違いなく「海軍」なのだとの認識を新たにしました。自衛隊は「国軍」だし防衛庁は「国防省」なのです。
そのなかで、海上自衛隊はインド洋での燃料補給活動や北朝鮮不審船問題ですでに軍隊としての実質的活動を行っているし、その辺のアピールが今回の展示訓練に如実にあらわれていました。
「NHK出版」の「海上自衛隊はこうして生まれた」のなかで、海上自衛隊発足前の「海上警備隊」を発足させる前に「Y委員会」という秘密委員会があり、その残された「Y文書」の中に「空海軍軍備計画概案」というのがありました。その計画では護衛空母4隻、巡洋艦2隻を含み300余隻30万tほどの軍備をなんと敗戦後わずかな期間昭和23年にすでに立案していました。それから50年400隻あまりの艦船と40万tに及ぶ兵力をもつにいたった今日、海上自衛隊は悲願の1万3千トンクラスのヘリコプター空母を持とうとしています。
このような強大な国軍を持つにいたった我が日本国民がいよいよ「日本国憲法」を考えるときがきました。