菊作りの手引き

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月別
手引き
9月
止め肥

止め肥後2日か、3日過ぎてから行うのが普通だが、増土は非常に難しい。
鉢の表面に上根が見えないような根張りの悪い鉢には増土は行わない方が良い。
3本立盆養で養土の量が鉢縁下3センチが標準だからといって、1度に多量の増土をすると根がむれて枯れることが多い。
増土の 1回の量は鉢の表面1センチ以下とし、なるべく表面を平らにせず、一握りずつ3箇所に入れて、これが灌水の都度流れて平らになるように行った方が良い。


蕾の選定

順調に成長している蕾は、極早咲きでは8月25日頃より、遅咲きでも9 月15頃までには出蕾する。

蕾は1 個だけ出る場合と車座になって出る場合とがある。車座になって出る場合、最終的な蕾の選定は、細管と針管については、脇蕾を残すようにする。その他の部類はすべて芯蕾を残す。

蕾の大きさを均等にするため、小さな蕾の幹は早めに1個にして、大きい蕾を 持った幹には散個付けて調整する。

また1本の芯蕾に不都合がある場合、3本とも脇蕾に切り替えて花形の均等を図る。早々ど蕾を1ヶにした からと言って大きな花になる事はないので、初心者は豆粒大になってから完全な蕾 を選ぶようにしたい。

そして予備として芯蕾より4 段位下の蕾を残しておくとよい。

台風雨対策

台風の襲来に備えて被害を受けないように事前に予防対策をこうじておかな いと1年の丹精が無駄になる。

菊を室内に収容する場合は、雨が降る前に取り込みたい 。蒸れないように通気に注意し、台風が去ったら早めに外に出すようにする。長く取り 入れた時は、強い日光に当てぬよう注意する。蕾も大きくなっているので、作業中は 蕾を落とさないように注意したい。
10月
輪台の取り付け


開花につれて厚物は早めに取り付ける。輪台を花台いっはいに取り付け、開花に従っ て徐々に下げていく。取り付け方が緩いと落ちてしまう。 強すぎると中々下がらない 。

最初に支柱の裏側を、輪台の足の曲がった部分で挟む。次に曲がりの 上と支柱をラファイヤで結ぶ。次に輪台の足の中央部を菊の幹と支柱に 結ぶ。

使用するラファイヤは事前に水にしたしてから使う。結び目は2重に回して 結ぶ。

管物は周りの花弁が充分伸び切った頃取り付ける。早いと弁が傷む。輪台の大きさは、厚物 では12センチ程、厚走りでは13センチ程、管物では17センチ位が適当である。しかし花の出来具合により花の大きさに合った輪台を取り付ける。
病害虫対策


今月は特に病害虫が発生する季節である。虫が見えないからと言って薬剤の散布を怠 ると、開花後虫が発生して折角の花も見苦しくなってしまう。

この頃使用する薬品は長期間効果のあるものを使用するようにする。開花後薬剤散布は特 に薬害がでやすい。特に雑色系の菊に害が多い。
日光の必要


蕾が発生してから日光に当てることが大切で、鉢全体に充分陽が当たるように心掛け、時々鉢を回して平均に日光が当たるように行う。
3月
苗の殖やし方


苗の殖やし方 下旬になったら暖かい地方では、越冬苗を5号鉢に移植し、外に出して充分日光に当 てる。そして肥倍して挿芽の準備に入る。この頃の季節では摘芯から挿芽ができる程度に芽が伸 びるまでの日数は、約三十日程要する。 このため短幹性の品種では3月中旬、中幹種では3月下旬 長幹種では四月上旬に最後の摘芯を行うと挿芽用に揃った苗が多く取れる。 なお、長幹性の品種については、刺芽一週間前に、ビーナイン500倍を芽先に散布 すると良い苗が取れる。 三本立盆養に仕立てる苗には必ず散布する。『菊苗の収集』は菊友と予杓した苗及び 注文した新種の苗を入手する好機である、毎年同じ品種を作らず新種を取り入れる事 により一層力が入るものである。収集した苗又は送って来た苗の中、弱ったものは、水 に浸して回復するのを待って植え付ける。植え付けについては、根の周りは肥料分の ない培養土を使用する。弱った苗には灌水は少なめに施す。
4月
培養土の条件


水持ちが良く、水はけが良く 通気性が良く、肥料持ちが良いこと。

培養土の調整

体積した落葉が適当に腐熟したものは、陰干しで充分乾かして殺菌し13ミリ位の篩に かけて荒い物を除き、次の品々を混合して培養土を作る。
腐葉土4、田土4(又は赤玉土)川砂1、燻炭1 また最近この割合で混合した培養土に、ヤシの実を加工した物を総量の2割程度混合して培養土を作り、良い緒果が出ている。また培養土の代用品として、樹皮を処理した、数種類のバーク堆肥が市飯されている。
5月
挿芽の説明


バ‐ミキュライト、砂、赤玉土、鹿沼土等が代表的用土と言える。篩にかけて粗い粒は箱 の底部に入れる、赤玉土、鹿沼土には2割程度の燻炭を混合するとよい。 バーミユキライトは高温時には根腐れが起きるので使用しないこと。

挿芽箱

挿芽する苗の量にもよるが、深さ10cm程度の物がよい。木箱、ハッポースチロール 等の箱を用意したら、排水が良くなるように底の部分に多めに穴を開け、防虫網を敷いてから用土を順に入れる。

挿芽

挿芽には芯挿と、茎挿とがある、芯挿は芽先を挿す。茎挿はその下の茎の軟らかい 部分のみを、葉を2,3枚つけて挿す。茎挿は苗の不足以外は使用しない方が良い。

まず芽先から5cm位の葉節の下約1cmの所を、カミソリの刃で直角に切り 挿芽を作る。
約30分程度水上げしてからダンゴ挿しとする。ダンゴに使う土は鹿沼土の粉、 赤玉土の粉でもよいが、大工が使う砥粉が1番よい。 ドロドロに練って、このドロを切り口に綿棒位の大きさに付ける。

挿芽の間隔

挿芽は箱の縁よりこ3cm離して棒で案内穴を開けながら、3cm間隔で行う。深 さは挿芽の長さの半分位が良い。挿し終わったら細目の如雨露で充分灌水し挿芽を安定 させる。
日中苗が萎れても、タ方回復する場合は灌水の必要はない。翌朝まで回復しない場合 は充分灌水を行うが、続けては灌水しない。挿芽には風は大敵であるので注意する。

挿芽の置き場所

フレームが最適である。フレームがなければ、午前中日が当たる場所に、ビニールでトンネルを 作る。そして日中は風の当たらぬ側を開け、夜は閉めるようにする。

常時高温、低温に注意する。特に高温30度以上にしないよう寒冷紗等で調整する。

発根剤

発根剤は数種類出回っているが、代表的な発根剤に、ルートン、ナクサック、メネデ ール、ハイフレッシユ等がある。 ルートンやハイフレッシュは、水揚げ後、切口に付けてから、ダンゴを付ける。 メネデールやナクサックは千倍に溶かした液でダンゴに使う土を練るが、薬品の使い 過ぎは禁物である。
6月
 小鉢上げ


挿芽後10日から15日で、ほどんとの品種が発根するので、4号鉢か、5号鉢に鉢上 げする。この時、植える苗の根の周りは肥料分の無い培養土を使うこと。 肥料分の多い培意土を使うと芽先が傷むことが多い。

植え終わったら乾燥肥料を根部 に触れないように注意しながら、小匙(こさじ)に一杯を3ケ所ぐらいに分けて埋める。さらに 、化学肥料のプロミックスをニ錠、錠剤の頭が見えるくらいに埋めておく方が、肥料 切れもなく摘芯時の芽の吹きも良い。使用するプロミックスの成分は、 窒素12、燐酸12、加里12がよい。

殺虫殺菌の行ない方

小鉢に移植後は10日に1回の割合で、薬剤を散布する。この時天候の良い日のタ方に 、行うと散布液が乾く時間帯が長いので良い。

殺虫剤は特に満遍なく散布するようにしたい。半殺しの虫が免疫性となり次に散布しても薬 品の効果がなくなるためだ。

また周囲の植物にも散布し害虫の撲滅を計る。特にダニ類は同じ薬品だ けの使用は避けて、二種類以上の薬品を交互に使用すること。

摘芯の仕方

小鉢に鉢上げ後、本葉が7枚か8枚で約10cm位になったら、苗の芽先をビンセットで 潰(つぶ)す。この特摘み取らぬ方が枝芽が揃って出るようである。1週間位過ぎて各葉脇からの 芽が揃っていることを見定めて芽先を摘除する。

中鉢移植

小鉢に鉢上げして、20日もすると小鉢に根が張り切るので、中鉢六号鉢に移植する必要がある、鉢の底から根が出て来たら移植の適期である。

方法はまず中鉢の底部に消し炭やゴ ロ土で排水層を作り、培養土を少々を入れておく。次に小鉢はバケツ等に水を張りその中で充分 水を吸わせてから移植すると傷みが少ない。

三枝の整枝

8号の鉢に定植する予定の苗では枝の長さが15cm位 伸びた時に行う。また9号鉢、10号鉢鉢に定植する予定の苗では20cm位に伸びた時に行うのが適期 である。

盆養に曲げる枝の長さ

中心から枝先の立ち上がりまで、8号鉢では11cm、 9号鉢では12cm、10号鉢では13cmに曲げるとちょうど良い盆養が出来る。

7月
 大鉢への定植


仕立て鉢で三本揃ったものは6月下旬より順次定植する。厚物は通常9号鉢を使用す るが、巨大性の品種には10号鉢を使用すると良い。
管物には8号鉢が良いが、太管や巨大性の間管には9号鉢鉢を使用する。鉢が大きい からといって良い花が咲くとは眼らない。日当たりの悪い所で作られている方など は特に注意されたい。

    定植用の鉢を用意したら鉢底には蒲鉾型の鉢底を入れ、その上にビ ール瓶を立てる。瓶の周りに荒目の培養土を5cm入れ、その上に普通の培養土を3cm入れ 次に上から軽く押さえながらビール瓶を抜く。

この穴に消し炭、培養土の順に入れてから、乾燥肥料60グラムを施し、この上に培養土を2cm程被せる。中鉢はタライのような深い入れ物に水を張り、水を充分含ませてから鉢より抜き 取る。中鉢時の鉢底部は取り去る。

人の枝が鉢の縁より3cm上がる ように培養土で調整する。 高さが定まったら中鉢時の土の表面より2cm下まで培養土を入れて、その上に乾燥肥料 60グラム位施してから培養土を中鉢時の鉢の表面より、わずかに多い程度に培養土を入 れて灌水する。

次の灌水は当分の間、乾いたら与える程度にする。作りは水が多いと 失敗も多い。使用する培養土は早めに配合して、適度の湿度を持たせた物を使用する 。乾燥したまま用いると水が鉢全体に行き渡らず困離する。

定植が済んだら支柱を立て、針金を鉢穴に通して支柱を固定する。整枝持に使用したビニl ルテープを取り外して、天になる枝抜は後方の支柱の前になるように添えてラフ7イヤで 結ぶ 。地の枝、人の枝は、支柱は内側より支柱の前に出して結ぷ、化学肥料プロミッ クス5錠を鉢の周りに3分の1頭が見える程度に埋める。



追肥の総分量

鉢内の養分には限りがあるから発育に従って肥料を与えなけれはならない。従来の経験によると3本立て1鉢に付き、前記乾燥肥料 400グラムが適当であるが、菊の種類により多少加減した方が良い。
厚物系は400グラム以上与え、管物、一文字は250グラム以下を標準とする。

1本立ては、7月下旬より8月上旬にかけて8号鉢に本植えする。





高温時の薬剤散布の注意

薬剤濃度に充分注意する、菊が萎れている時は散布しない。虫が死ななくても続けて散布することは避ける。虫が見える前に散布するように心がける。

8月
柳芽の処理 


菊の品種にもよるが、普通では蕾が出来ない時期である7月下旬から8月下旬までの間に、 不完全な花芽分化をして蕾になれきれず、芽先が柳葉のような細かい葉となり発育が 止まり、その周りに数本の脇芽が出る。 柳芽を初心者は,蕾と間違えやすいが、決して開花はしないので早めに脇芽に切り替え る。

厚物で極早咲きの品種に8月25日頃、柳芽に近い蕾が出る物もあり、これを咲か すと、巨大輪が咲く。しかし、初心者には見分けがつけにくいので、脇芽と両方立てておき 、柳芽が丸く豆粒ほどに見えてきたら脇芽を切除する。

8月の追肥

1回目は8月10日頃、乾燥肥料約30グラムを鉢の周囲に埋める、支柱の近くには埋めないようにしたい。 2回目は8月25日頃、乾燥肥料約70グラムを表面に施し 肥料の打ち切りとする。これを止め肥とも言う。 この止め肥の多過ぎまたは時期を失すると、肥料負けして花弁が伸びず、あるいは 花腐れをおこす原因となるから特に注意しなけれぱならない。

なお、施肥後の大雨は、溶けた肥料分を一度に吸収して根腐れをおこすこともある から、必ず追肥の際は天候に注意して晴天続きの日を見定めてから施肥をすること。 万一施肥後一両日にして大雨が来たときは、雨に遭わせないように処理する。

根張りの悪い鉢には8月の追肥は控えるようにする。

管物の肥料は全てて前記の半量で良い。