銀河ステーション
「ではみなさん、そういうふうに川だと云われたり
乳の流れだと云われたりしているものが本当は何かご承知ですか?」
先生が宇宙の話をしています。
(僕はこの頃、朝にも午后にも仕事がつらく
どんなこともよくわからない気がして・・・)
「よう、虫眼鏡君。」
ジョバンニは仕事を終えると、パンと角砂糖を買って走り出しました。
「牛乳を取りながら、銀河のお祭りを見てくるよ。」
「ああ、行っといで。」
「ジョバンニ、ラッコの上着が来るよ。」
ざねりが叫びました。
ジョバンニはなんとも云えず寂しくなって、丘の方へ走り出しました。
丘の上でジョバンニは眼をそらに挙げました。
すると青い琴の星がちらちら瞬くのが見えます。
どこかで不思議な声で
銀河ステーション、銀河ステーション
と云うのが聞こえたと思うと目の前が明るくなって
ジョバンニは鉄道の車窓に座り、外を眺めていたのです。
気がつくとすぐ前の席にぬれたように真っ黒な上着を着たカンパネルラがいました。
「ああ、しまった。僕水筒を忘れてきた。スケッチ帳も・・・
でも構わない。もうじき白鳥の停車場だから」
そう地図を見ながらカンパネルラが云いました。
「この地図はどこで買ったの? 黒曜石でできてるねぇ」
線路のヘリには、月長石ででも刻まれたようなりんどうが咲いていました。
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