「ウワサノモト」
「ねぇ、知ってる? 好きな人のクラスのゴミ箱に、
自分の唾液を入れたコンドームを、入れると 両想いになるんだって」
「うそーー、そんな事気持ち悪くて、できるわけないじゃん」
「そうなんだけど、私の友達が、やったんだって」
「どうなった?」
「それがね…」
教室の隅で聞き耳を立てていたミチルは、足早に教室を出た。
もう、夕方近くで学校内には人影がなく、部活の掛け声が静かにこだ ましていた。
ミチルは、学校を出て近くのコンビニエンスへかけよった。
目的は、コンドームだ。
表情一つ変えずコンドームを買い、学校へ戻った。
日が落ち始め、部活を終えた生徒たちに逆流して、ミチルは2年6組 の教室の前で立ち止まった。
教室内を見わたし、誰もいないのを確認した。
ミチルは、買ってきたコンドームを取り出し、唾液をいれた。
そして、ゴミ箱に入れた。
「6組のゴミ箱から出たんだって…」
「なにが?」
「昨日、話した噂のコンドームが…」
「本当? 信じらんない」
「でも、入れた人、誰が好きだったんだろう」
「6組でしょ…なら、あの人でしょ…」
ミチルは、噂を聞くと実行しないとといられなくなってしまうのだった。
今日も新しい噂がないか、人の話に耳をかたむけていた。
「学校の裏のマンホールがあるでしょ、こないだの殺人事件の死体が 隠されているらしいよ」
「なんか、怖い噂ね」
ミチルは、昼休みに入ると、すぐに、学校の裏のマンホールへむかった。
授業の合間に用意していた道具で、マンホールを外した。
懐中電灯をともし、マンホールの中へ入っていった。
マンホールの中は、ミチルの背丈ぐらいでトンネルのように長く続いていた。
すこし、歩いてみたが死体らしいものはなく、妙な匂いがするだけだった。
何もないことを確認し、戻ろうとした、その時、マンホールの外で声が聞こえた。
「誰だ、マンホールを外したままにした奴は…あぶないじゃないか」
ミチルは声を上げたが届かなく、外にいる人が、マンホールを戻してしまった。
マンホールを中から外そうとしたが、ミチルの力では外すことはできなかった。
しかたなく、マンホールの中を進んで行った。
他のマンホールから、外へでようとしたがびくともしなかった。
あきらめかけていたミチルは、最後の力をふりしぼって、マンホールを押した。
そのマンホールは、思ったより軽く押し出せた。
ミチルは、数時間振りに外へ出た。
出たところは、学校の近くの空き地だった。
もう、あたりは暗く疲れきっていたミチルは、しばらく、その場に座っていた。
「学校の近くに空き地があるでしょ、あそこが地底人の地上ヘ出る入口らしいよ」
「そんなのうそだよ」
「昨日、見た人がいるんだって…」
教室の隅で聞き耳を立てていたミチルは、足早に教室を出た。