ハンガリーの夏の楽しみは屋外音楽界が各地で開かれること。

マルトンバシャールのベートーヴェン・エシュテ(夕べ)もそのひとつ。
毎年7月〜8月、シンフォニーやピアノ・ヴァイオリンのコンチェルトが演奏される。
マルトンバシャールはブタペストの南西30Km。
高速7号線でバラトン湖方面に約20分のドライブ。
人口4500人の小さな村。
コンサートの会場はこの村のブルンスヴィク伯爵の屋敷跡の敷地内。
ベートーヴェンは、1800年から何度か、伯爵の招きに応じてこの館に滞在し二人の娘にピアノを教えた。ピアノソナタ「熱情」はこの滞在中に作曲され伯爵に捧げられたものである。
館の一部はベートーベン記念館になっていて、貴重な資料が展示されている。
「熱情」など自筆の楽譜、使っていたピアノ、彼と恋愛関係にあったと言われている伯爵の娘ヨセフィーネの肖像画など音楽ファンには一見の価値ありだ。
コンサートは7月17日、24日、31日=いずれも土曜日=午後7時開始。
コシチ・ゾルタン指揮、国立フィルハーモニー管弦楽団、国立合唱団演奏。
入場料 1st class=2900HUF(約 1500円)
24日=交響曲9番「合唱 」
31日=交響曲4番、行進曲と合唱「アテネの廃墟」ほか
二日間の演奏会を聞く機会に恵まれた。
門から敷地内に入ると広々とした芝生の向こうにエレガントな白い建物=博物館が現れる。
横目で見ながら、進むと池がある。会場は池の中の島にある野外舞台。
菩提樹の生い茂る遊歩道が会場へのアクセス。
演奏舞台は大きな樹木に囲まれ、舞台の奥には大きなベートーヴェンの石像が置かれている。
樹木が自然の反響版というわけだ。
この時期、午後7時過ぎはまだ陽が高く、木漏れ日をバックに演奏が始まった。
オーケストラ員は白いシャツのリラックスムード。但し指揮者は黒のタキシードを着用。
しかし室内とは雰囲気がどこか違う演奏会だ。
第二楽章、第三楽章と曲が進むに従って、陽は落ち、舞台がどんどんライトに輝きだし、演奏に引き込まれていった。
曲の最後の余韻が木々にこだまして1時間30分弱の「森の中の演奏会」は今年も終わった。
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