炭酸ガス温泉・Mofetta




ハンガリーの運転免許証の更新に添付するため7月下旬身体検査を受けた。血圧が高く要注意とのドクターの宣告であった。6月に日本から派遣された医師による健康相談の時も同じ注意を受けた。どうやら持病になってしまったようだ。

薬を使わず、血圧を下げるのに効果があるといわれるユニークな温泉?が、ハンガリーで一番高い山のマートラ山北麓にあるというのでしばらく通うことにした。


ハンガリーで一番高い山マートラ山1014m

ブタペストから国道3号線、または高速3号線のジョンジョシュから国道24号線でワインが有名なエゲル方面へ向かうと、約40Kmにレチェクという小さな町がある。そこから更に3Kmほど離れたマートラデレチェクにある「モフェッタ」がその温泉?である。

マートラデレチェクはへヴェシュ県にあり人口は2400人。遠くにマートラ山を望み、豊かな自然と清浄な空気が売り物の村である。

「モフェッタ」Mofetta は地質学の言葉。低温で炭酸ガスを豊富に含む火山性ガスのことである。

炭酸ガスは循環障害や血管障害の治療に使用されることは周知の事実で、この村の炭酸性ガスは医療に使用されている。

炭酸性のガスは村を横断している火山裂線から吹き出ている。このような自然現象はハンガリーではここだけのものである。またこの現象はヨーロッパでは珍しく、ルーマニアのトランシルバニアとオーストリアに見られるだけである。

このガス源泉は健康省ハンガリー医療地温泉局によって医療ガスとして認定されている。

医療施設は炭酸性ガスを貯める浴槽と医師の診察、血圧測定の部屋からなるシンプルなもの。それでも年々患者が増え、目下新しい大きな医療施設を建設中である。


Moffetaの新しい医療施設

この村のガスは85〜95%の炭酸の他にラドンも含み、地下1000メートルから1時間あたり400リットルの割合で吹き出ている。地域の人々は数百年前からこのガスを怪我や病気などの治療に使ってきた。

このガスは皮膚から吸収され、組織の中に浸透し、血管を広げる効果をもっている。そして皮膚、皮膚下の関節組織または内臓にも良い影響を与える。ガスを浴びた後、皮膚が赤くなったり、心臓がドキドキしたり、呼吸が深くなったり、血圧が下がったりし、そして治療後は眠くなるなどの症状がでる人もいる。頭痛が起きたり、尿の排泄が頻繁になったりすることもある。

これらの諸症状は、心臓また局所的な血管障害(下半身の血管硬化等)、高血圧、糖尿病患者の血管障害、血管に関する手術後のリハビリ、関節障害そして骨粗しょう症に効果がある表れである。

 ラドンは希ガス元素の1つであり、地下のラジウムから放出される。ラドンは皮膚に吸収され、20分後には血液循環にも影響を与える。ラドンの効果は治療(入浴)の終期、特に終わった後に一番強く現れる。ラドンによって細胞の新陳代謝がよくなり、抵抗力が強くなる。

 治療は炭酸ガスの充満している浴槽に立ってガスを下半身に浴びることによって行われる。入浴後しばらくして下半身がぽかぽかし、それは全身へと広がっていく。
一回の治療(入浴)は25分。1サイクル15回(15日)に渡って行う。一回の治療(入浴)費は1000HUF。 

ガスはヘソ、あるいは腰の高さまで浮かび上がっている。炭酸ガスは無職無臭、その存在はロウソクの炎、あるいはシャボン玉でチェックする。治療(入浴)は常駐している専門の医師、看護婦の指導の元で行われる。治療(入浴)の前後には必ず血圧測定が行われる。治療(入浴)の前に比べて治療後はほとんどの人が下がる。


入浴(治療)


入浴


ガスの存在・高さを確かめるためローソクが使われる


同じくシャボン玉