手乗り鳩

今からそう、一昔くらい前に私は上野動物園へ出かけたんです。

動物を楽しく見た、その余韻?に浸りながら、ふわふわ歩いて園を出たところに、たくさんの鳩がいるんです。「餌あげたいな」と思った瞬間に「鳩のえさ」っていう文字が私の目にとびこんできました。

もう、渡りに船。「買わんかい!」とばかりにあったのです。

ふわふわ浮きながら、餌を売っているおじさんに(お兄さんやったかなぁ?)

2種類ある餌の違いを聞いて見たんです。

1つは等外品と書かれた?袋に入った形のまばらな、殻を剥いたピーナッツ。もう1つは、よくペットショップなどで見かけるような、トウモロコシを干したようなもの混ざったものでした。

「どっちの餌の方がよく集まってくる?」

「そりゃ、もうこっち(等外品の方を指さして)は、恐ろしいほど来る」

恐ろしい程来る!なんて私の心をそそる言葉。手乗り鳩が出来上がり!っていうくらいくるのかなぁ?そしたら、なんて言ってもこっちよね!!

わくわくした気持ちで

「こっちを下さい」そして、お金を渡し、等外品の鳩の餌を受け取った…・

わくわく。わくわく。はやる気持ちを抑えつつ、その袋を開けた瞬間、私の鼻はピーナッツの匂いを嗅いだ瞬間…・・目の前は鳩鳩鳩鳩鳩鳩。その隙間から見える景色は、近くにいた見知らぬ小さな子供の恐怖にゆがみ泣く顔。耳から入ってくる音は鳩の羽音と、その子供の泣き叫ぶ声。

そう、鳩の襲撃にあってしまったんです。腕やら頭に掴まろうとする鳩もたくさんいて、夏だったために、腕から血は流れる、きっと頭皮にも傷がついただろう、、、かすかな痛み…・。

あのおじさんが言った「恐ろしい程来る」あの言葉と、ヒッチコックの鳥とが、頭の中を駆けめぐっておりました。

そして、よっぽど袋を放り投げて逃げようかと思ったけれど、ゴミになってはいけないと思い(鳩が食べ終わった後に拾いにいけば良いものを・・)慌てて袋を逆さにして、中身を全部出して(その間も襲撃に耐えながら…)逃げたのでした。

 

それ以来私は、鳩がいたら、、、、、、、、懲りずに、パンやらお菓子やらあげてます。はい。私は学習能力のない奴です。