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自民、自由、公明3党は連立政権の発足にあたって衆院の比例代表定数を20削減することで合意した。3党はこのための法案を次期臨時国会の冒頭に成立させる構えをみせている。選挙制度の根幹にかかわる問題であり、数の力で押し切るのではなく、野党の声にも耳を傾けて審議を尽くすべきである。
衆院の定数削減問題は自民党と自由党の連立の際に自由党が比例代表50削減を提示し、自民党が基本的に受け入れた経緯がある。公明党はこれに強く反対してきたが、3党連立に際して20削減で妥協が成立し、残り30の削減は2000年の国勢調査の結果を待ってさらに検討することに落ち着いた。残り30については事実上の先送りである。
現行の衆院の総定数500については、同じ議院内閣制をとる英国、ドイツ、イタリアの下院と比べて決して多いわけではなく、人口比較で見ればむしろ日本の衆院の総定数は少ないとの主張がある。その一方で、政治が行政改革で率先垂範の姿勢を示すには国会議員の数を減らすのは当然だとの見解も有力である。
自由党の主張はこうした見解に基づくものであり、一定の世論の支持を集めている。「国政の意思形成の中枢機関」とされる衆院の総定数はどの程度が適正なのかについて、さまざまな角度から国会の場で十分な審議を重ねてほしい。
衆院の比例代表を20削減するなら、参院の定数も大幅に削減すべきである。今回の3党合意で参院の定数削減に触れていないのはおかしな話である。国会議員の数を減らすならまず参院から始めるべきだとする有力な主張もある。国会審議を通じて参院の定数削減についても明確な方向を出すよう求めたい。
衆院の総定数は2000年の国勢調査の結果を待ってさらに30削減するとされたが、小選挙区を削減するか、比例代表を削減するかはあいまいにされている。30削減するなら、単純小選挙区制への移行も含め現行制度の抜本的な見直しも視野に入れた検討が必要である。
選挙制度の問題では1票の価値の平等を確保することが最優先の課題だ。現行の小選挙区制は1票の格差が2倍を超える選挙区が相当数に上っている。2000年の国勢調査を待って真っ先に取り組むべきは1票の格差是正である。都道府県への小選挙区定数の配分は完全人口比例で行われることが大事である。

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